【レビュー】バランタイン12年|香り・味わい・100点満点評価|ウイスキーラウンドアップ

記事の概要

管理人によるボトルのレビューを通して、皆様にその魅力を伝える記事です。

今回は…
バランタイン12年

当記事では,このボトルについて

などなど詳しく解説していきます!!

\\執筆者情報//

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初谷(はつがい)

ウイスキーに関わるあらゆる情報をまとめ,「ウイスキーを知りながらより深く楽しめる記事」を発信しています。
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【経歴】東京都立大卒|元公務員・ネット酒屋開業
【資格】JWRC公認ウイスキーエキスパート|ウイスキー検定2級
【その他】バンド「Candid moment」のドラマー

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「バランタイン」ってなに?

バランタインの解説

 バランタインは1800年代半ばから続く,スコットランドにおける超名門のブレンデッドウイスキーブランドになります。その名声は既に世界に知れ渡っており,現在では世界のウイスキー売上ランキングで第2位に輝く最高品質のブランドです。

 バランタインのボトルはどれも40種類を超えるスコットランドのモルト・グレーン原酒で構成されており,バランスが良く滑らかで柔和な味わいのウイスキーに仕上げられています。特に数多の原酒の中核に位置するキーモルトは「スキャパ・ミルトンダフ・グレンバーギ・グレントファース」の4種類とされています。

 ちなみに世間では,バランタインのキーモルトを「魔法の7本柱」と称し,「アードベッグ・グレンカダム・グレンバーギ・スキャパ・バルブレア・プルトニー・ミルトンダフ」であるとする論調が存在しますが,これは現在の公式情報とは異なるものです。

 なお,ボトルデザインについては今回取り上げる「バランタイン12年」以下のラインナップにおいて,四角形状のスタイルとV字のシェブロンシェイプラベルが採用されていますが,特にこのV字のラベルは紋章学において「保護」と「信頼できる建築家」の意味を持っているとされています。


キーモルトについて

ここで,バランタインのキーモルトである4種類のモルトを簡単に解説しておきます。

  • ミルトンダフ(蒸留所の解説記事はこちら

ミルトンダフはスコットランドで最も良質な大麦の産地エリアに位置する蒸留所になります。ノンピートタイプの麦芽のみを原料とし,フルーティさと樽由来のスパイシー感を特徴とした甘みの強い原酒が作られています。

  • グレンバーギ(蒸留所の解説記事はこちら

グレンバーギ蒸留所は1810年創業の歴史の深い蒸留所です。生産量こそ非常に多いですが,作られる原酒のほとんどがバランタイン専用とされています。柑橘系のフルーティ感が特徴的です。

  • グレントファース(蒸留所の解説記事はこちら

グレントファース蒸留所はスペイサイドのキース周辺に位置しています。周囲にはとても清廉な湧水が豊富であり,そのウイスキーはスペイサイドモルトらしい華やかフルーティ&甘い系の味わいです。

  • スキャパ(蒸留所の解説記事はこちら

スキャパ蒸留所はスコットランド本島の北にあるオークニー諸島に位置しています。独特なローモンドスチルでの蒸留を行っており,軽やかでありながら複雑で広がりのあるフルーティさを持った味わいが特徴的です!

「バランタイン12年」ボトルの特徴

\\ボトル外観//

\\ボトル諸元//

ボトル名バランタイン12年
地域スコットランド
種類ブレンデッド
原料モルト・グレーン
容量700ml
度数40%

\\製法と特徴//

  • 12年以上熟成させたモルト・グレーン原酒を使用
    ▶︎長い熟成期間を経て,多くの原酒がまろやかかつ適度な円熟感を獲得している
  • キーモルトはグレンバーギ,グレントファース,ミルトンダフ,スキャパ
    ▶︎4種類のうち3種は華やかかつフルーティな特徴を持ったスペイサイドモルト。スキャパはオークニー諸島のアイランズモルトだが,こちらも同ジャンルの中では華やかな部類である

「バランタイン12年」テイスティングレビュー

さてさて、それでは早速「バランタイン12年」をテイスティングレビューしていきます!

色味

『バランタイン12年』の色味については,非常に中庸であり,ほのかに薄めな透き通った金色といった印象があります。
 客観的な指標としてwhiskys.co.ukの色見本に準えて評価すると,"Deep Gold"くらいであると言えるでしょう。

香り

  • 第一印象

華やかなかつ濃厚な柑橘感,滑らかな樽香,蜂蜜&バニラ
アルコール刺激は皆無|ただ柑橘系のエグ味みたいなのは少しあるかも

  • 経時変化で見える要素

バランスの良い麦芽系の甘み,僅かにピーティ,ほのかなりんご感

筆者の一言

香りに関しては,とにかくバランスが良いイメージがあり,随所にスコッチらしい要素の数々を感じることができます。
特に柑橘系の華やかな要素の主張が強く,誰でもすんなりと受け入れられるでしょう!

味わい

  • 第一印象

ナチュラルな蜂蜜,りんごと柑橘,麦芽等のような糖類の甘み,甘いスモーク
アルコール感は少しピリリ|全体的に要素が淡い印象

  • 経時変化で見える要素

穀物系のエステリー感,芳しいオーク香,スパイス&スモーク,薄いバニラ

  • 余韻に残る要素

エステリー&フルーティ,ほんのりスモーキー

筆者の一言

味わいでは,フルーティ感を軸に背景にピート感漂うなど,スコッチらしさが強く感じられる反面,ボディの薄さとアルコール感が少々目立つ印象。
軽快かつ華やかなハイボール要因的なウイスキーを探している人にはピッタリなボトルでした!

「バランタイン12年」総評

最後に総評に入りたいと思います!まずはレーダーチャートから!

さてさて、気になる点数は…

点数の理由と評価

  • 香り:/5|味わい:/5

 まず『バランタイン12年』の香りと味わいについては,全体的にフルーティ系の華やかさを主軸としながら,穀物感やピート感などが随所に感じられるなど,スコッチウイスキーらしさが詰まっていた印象があります。しかしながら,特に味わいにおいてはボディの薄さが少々目立っており,アルコールのピリピリ感も若干感じられてしまったかと思います。

 よってストレートで飲むのには,比較的適していない部類であるという考察が可能であり,これは純粋な濃さや満足感を求める人や,飲み方がストレート一択の方などにはあまり適さないと言えるでしょう。しかし反対に,ウイスキーを普段からハイボールで飲まれる方や,軽やかかつフルーティで飲みやすいウイスキーを探している人には,かなりお勧めしやすい銘柄であると言えます。

  • 初心者向け度:/5

 続いて初心者に向いているかどうかという観点で『バランタイン12年』を見てみると,比較的向いていると言えるでしょう。

 というのも若干のピート香は感じられるものの,軽やかかつフルーティな飲みやすさには目を見張るものがあり,これは初心者の方々が飲んでも全く問題ないと考えられます。流石にストレートで飲むのを手放しでお勧めすることは難しいですが,ハイボールやロックでは,ウイスキー好きかどうかを不問として,場面を選ばず気軽に飲むことができるでしょう。

  • 入手性:-/5|コスパ:/5

 最後に『バランタイン12年』の入手性とコスパについては,入手性は評価不能,コスパは割と良好と評することができるでしょう。

 まず入手性については,昨年12月ごろに終売の発表があり,一応販売自体は2024年5月ごろまで継続されはするものの,時間の経過とともに徐々に入手が困難となる可能性が考えられます。よって断定的な評価は不能とさせていただきました。

 そしてコスパは,価格帯が概ね2,000円台後半程度(プレ値除く)ということで,ちょっと良い常飲酒的なボトルとして捉えれば,割と良好なコスパであると言えるでしょう。ボディの厚さや濃さの様な魅力は期待出来ませんが,バランスが良い香味の構成はハイボールなどには最適となるため,割って気軽に飲めるウイスキーとしては強い魅力のあるボトルであると言えそうです。

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