記事の概要
管理人によるボトルのレビューを通して、皆様にその魅力を伝える記事です!
「バランタイン17年」は,そのスコッチウイスキーを代表するような味わいから”The Scotch”とも呼ばれるボトルです。
そんな世界中で人気を博するバランタイン17年について…
- 「バランタイン」ってなに?
- 「バランタイン17年」ボトルの特徴
- 「バランタイン17年」を徹底レビュー
- 「バランタイン17年」飲み方について
などなど詳しく解説していきます!!
\\動画でも紹介しています//
\\執筆者情報//
初谷(はつがい)
ウイスキーに関わるあらゆる情報をまとめ,「ウイスキーを知りながらより深く楽しめる記事」を発信しています。
【Shop】ウイスキー専門店『Drinkable books』
【経歴】東京都立大卒|元公務員・ネット酒屋開業
【資格】JWRC公認ウイスキーエキスパート|ウイスキー検定2級
【その他】バンド「Candid moment」のドラマー
各種SNSも運用中!
「バランタイン」ってなに?
バランタインの解説
バランタインは世界販売量ランキングでジョニーウォーカーに次いで第2位に輝く,超名門のブレンデッドウイスキーブランドになります。
その歴史は1800年代半ばごろまで遡り,当時より積み上げられた豊富な経験値のもとで作られるブレンデッドウイスキーはまさに最高級品質と言えるでしょう。
バランタインシリーズは全て40種類を超えるモルト・グレーン原酒がブレンドされて形作られており,非常に滑らかで柔和な味わいを特徴としています。
元々キーモルトには”魔法の7本柱”と呼ばれていた「アードベッグ」「グレンカダム」「グレンバーギー」「スキャパ」「バルブレア」「プルトニー」「ミルトンダフ」が使用されていると言われていました。
しかしながら魔法の7本柱は主に日本で浸透した呼び名であり,実際に発売時から現在まで実際にキーモルトとされている確証はなく,懐疑的な意見もありますね。
一説には1950年頃にバランタイン17年が初めて日本で発売された際,ハイラムウォーカー社のルーツにある7つの蒸留所として紹介されたものを,かつての日本人が曲解してしまったなんてことも考えられるそうです。
現在の公式サイトに出ている情報では「スキャパ」「ミルトンダフ」「グレンバーギ」「グレントファース」の4種類がキーモルトということで間違いないようです!
バランタインの歴史
西暦年 | 内容 |
---|---|
1827年 | ジョージ・バランタイン氏がジョージバランタイン&サン社を創設し,エジンバラのカウゲートに小さな食料品店と酒屋を開業する |
1853年 | アンドリューアッシャーが世界初のブレンデッドウイスキーを発明する |
1869年 | 店舗をエジンバラからグラスゴーに移す バランタイン氏がブレンデッドウイスキーの製造に取り組み始める |
1891年 | ジョージ・バランタイン氏が死去する |
1895年 | ビクトリア女王によってバランタインが王家御用達の称号を付与される |
1919年 | 事業がジェームズ・バークレイ氏とRAマッキンリー氏に買収される |
1935年 | ジョージバランタイン&サン社がハイラムウォーカー社に買収される |
1937年 | マスターブレンダーのジョージロバートソン氏の指揮のもと,バランタイン17年が作られる |
1986年 | バランタインの世界売上がTOP3に上り詰める |
1987年 | ハイラムウォーカー社がアライドドメク社に買収される |
2005年 | ペルノリカール社がアライドドメク社を買収し,バランタインの所有権を手にする 事業自体は同社のウイスキー部門にあたるシーバスブラザーズ社によって執り行われる |
キーモルト
バランタイン17年のキーモルトとされている4つのモルト原酒を簡単に説明します!
- ミルトンダフ
ミルトンダフはスコットランドで最も良質な大麦の産地エリアに位置する蒸留所になります。ノンピートタイプの麦芽のみを原料とし,フルーティさと樽由来のスパイシー感を特徴とした甘みの強い原酒が作られています。
- グレンバーギ
グレンバーギ蒸留所は1810年創業の歴史の深い蒸留所です。生産量こそ非常に多いですが,作られる原酒のほとんどがバランタイン専用とされています。柑橘系のフルーティ感が特徴的です。
- グレントファース
グレントファース蒸留所はスペイサイドのキース周辺に位置しています。周囲にはとても清廉な湧水が豊富であり,そのウイスキーはスペイサイドモルトらしい華やかフルーティ&甘い系の味わいです。
- スキャパ
スキャパ蒸留所はスコットランド本島の北にあるオークニー諸島に位置しています。独特なローモンドスチルでの蒸留を行っており,軽やかでありながら複雑で広がりのあるフルーティさを持った味わいが特徴的です!
「バランタイン17年」ボトルの特徴
ボトル外観
諸元
ボトル名 | バランタイン17年 |
地域 | スコットランド |
種類 | ブレンデッドウイスキー |
原料 | モルト・グレーン |
容量 | 700ml |
度数 | 40% |
価格 | Amazon:約6500円 |
概要
バランタイン17年は1937年の発売以来,世界中で人気を博しているボトルです。数々のコンペティションでの受賞歴もあるため,その味わいの素晴らしさには客観的なお墨付きがあるとも言えるでしょう。
非常に滑らかでクセのない味わいでありながら,スコッチウイスキーの味わいを代弁しているような王道の魅力から”The Scotch”の異名が付けられました。
ウイスキーに慣れた方が飲んでももちろん美味しく,初心者にとってはこれほど飲みやすいボトルは他にないでしょう。家に1本常備したくなる素晴らしいボトルです!
製法と特徴
- 40種類を超えるモルトとグレーンをブレンド
▶多様な原酒を混合することで,とてもバランスが良く,幅広く複雑な旨味が作り出されています。様々なスコッチウイスキーのいいところ取りです!
- 4種類のキーモルト
▶キャラ立ちの違うフルーティ&甘い系の4種類のモルトが,まるで波状攻撃のように,幾重にも重なり合うふくよかなハーモニーを形成しています。
- 17年以上の熟成
▶ウイスキーにとって17年というのは長熟と言って良いでしょう。アルコールの角は完全に丸くなり,クリーミーで滑らかな酒質となっています。
「バランタイン17年」徹底レビュー!
まずレビューの項目について説明しておきます!
レビュー項目
- 色味
ウイスキーをグラスに注ぎ、目視にて色の濃さを5段階評価します!
- 香り
香りについて私が感じ取った内容をまとめていきます!
- 味わい
味わいについても私が感じ取った内容をまとめます!
- 余韻
余韻の長さを5段階で評価します!!
- 総評(100点満点)
ボトルのポジティブな風味とネガティブな風味を10段階で評価し、レーダーチャートで表現します!
ポジティブで獲得した点数からネガティブの点数を引くことにより、ボトルを100点満点で評価します!!
また総評を文章にて取りまとめていきます!
さてさて、それでは早速「バランタイン17年」をテイスティングレビューしていきます!
色味
色味は比較的濃いめのアンバーといったところでしょうか。17年という長い熟成期間を感じさせる,リッチな色味です
薄
1 2 3 4 5
濃
香り
香りの第一印象は複雑な柑橘系の要素で,オレンジマーマレードのようなガッツリとした甘さと,レモンやライムのようなフレッシュ感が感じられました。
続いてりんごやナシのフルーティさ,香ばしくビターなウッディ感,フローラルなはちみつ,バニラやカスタードクリームのようなクリーミーな甘さなどが感じられ,全体の背景にバランスの良さを演出するオシャレなピートスモークがぼやっと存在しています。
なんとなく木の要素とバニラ感が合わさってウエハースのようにも感じるのが不思議なところ。流石に17年熟成のブレンデッドだけあって,完璧な優等生といった印象で,ネガティブな要素なしに濃厚で奥深く複雑な香りが完成されている様は確かに「ザ・スコッチ」です。
↓感じ取れる香り↓
甘い柑橘/オレンジ/フレッシュなレモン/ナシ/ビター/ウッディ/はちみつ/バニラ/微かなピートスモーク
味わい
味わいの第一印象は濃厚なオレンジマーマレードの甘さと洋梨のフルーティで瑞々しい甘さであり,心温まる印象です。
続いて色鮮やかな花畑で味わうはちみつの自然な甘さ,僅かに海辺を想像させる優しい潮風の香り,ホワイトチョコレート,コゲ感を伴う香ばしい木の甘さ,キャラメル,そして優しくバランスを整えるピートスモークといった要素が感じられました。
香りから余韻まで,途切れることなくその完成度に感服させられ,ただただ穏やかな時間が流れていきます。フルーティでもありスモーキーでもある,しかしバランスが良く端正に整えられている。やっぱこれこそがスコッチなんですよね。
↓感じ取れる風味↓
オレンジの甘さ/洋梨/バニラ感/キャラメル/花の蜜/シロップ/潮感/モルティ/はちみつ/焦がしたオークの香ばしさ/ビター
余韻
余韻にはフルーティな甘みとウッディ感,そして柔らかなピートスモークが長く残っています。
短
1 2 3 4 5
長
「バランタイン17年」飲み方について
さて、ここまではストレートにてボトルのレビューをしてきました。
そこで「バランタイン17年」はどの飲み方が一番美味しいのでしょうか。王道の飲み方である「トゥワイスアップ・ロック・ハイボール」の3種類で比較してみましょう!
飲み方について深く掘り下げた記事も書いているのでご参考までにリンクを貼っておきます!
トゥワイスアップでは?
ポイント
加水によってクリーミーさが引き出された印象があります。
また甘さやフルーティさなどのド王道のスコッチらしさが一層輝いたように感じます。舌に残る花の蜜のような要素は,ウイスキーとして信じがたいほどの甘さですね。
元々アルコールの刺激が少なめのウイスキーだったので,加水をするとより様々な風味を感じやすくなりました!
▼
ロックでは?
ポイント
ロックにすることで強調されたのはモルティな風味でした。また暖色系の花のような要素とミネラル感も新たに現れています。
ストレートでも感じられたオレンジとバニラの甘さも力強く存在しており,バニラ感から発展して非常にミルキーなキャラメルようにも感じられます。また煙たさを感じない程度に微弱ですが,ピートの要素もうっすらと感じられていて,これが非常に心地よいです。
▼
ハイボールでは?
ポイント
ハイボールでは蜜系の甘さとウッディ感が圧倒的ですね。舐めたことはないですが,カブトムシが止まる樹液のようなものが頭に浮かびました…
ほのかに漂うビター感とドライな口当たり,それらと炭酸の相性が非常に良いです。余韻に残る柑橘とバニラからは何故か夏祭りのようなノスタルジーを感じ,暑い夏の日にとても心地が良いでしょう。
おすすめの飲み方は…?
「バランタイン17年」のおすすめの飲み方は「ロック」です!
通常ウイスキーは冷やすと甘さが抑えられる印象がありましたが,バランタイン17年はそれでも甘さを保持し続けました。
オレンジとミルクキャラメルの要素はとても圧巻で,余韻に残るビター感と,とても弱いですがピート感が非常に香ばしく感じました!
「バランタイン17年」総評
最後に総評に入りたいと思います!まずはレーダーチャートから!
ポジティブ
ネガティブ
さてさて、気になる点数は…
ー92点ー
点数の理由と評価
まず最初に出てくる感想として,これほどまでに飲みやすいウイスキーがあるのかと思ってしまいますね。とても滑らかでアルコールの刺激がありません。
またバーボン樽系のバニラ感と柑橘系のフルーティ感はまさしく王道のスコッチウイスキーであり,”The Scotch”の異名の通りと言えるでしょう。
そして余韻に残るビターさと,ごく僅かに感じるピートスモークが非常に香ばしく,思わず身震いするような旨味でした。
加えてどの飲み方であってもネガティブな要素はほとんど出てこなかったため,飲み方を変えてバランタイン17年を様々な角度から楽しむことができるというのも強力な魅力のひとつと言えるでしょう!
初心者・熟練者問わず,全ての人を楽しませることができるボトルであると強く思います!是非1本飲んでみてください!
参考サイト:バランタイン公式ブランドサイト / サントリー公式
レビューに使用した道具たち
グラス:グレンケアン
ジガーカップ:JOYONEというメーカーのものをAmazonで購入して使っています。
正直計りたい分量が計れるものであれば何でもいいと思います!