【レビュー】バランタイン・バレルスムース|100点満点評価・おすすめの飲み方|ウイスキーラウンドアップ

記事の概要

管理人によるボトルのレビューを通して、皆様にその魅力を伝える記事です。

今回は…
バランタイン・バレルスムース」を徹底レビュー

当記事では,このボトルについて

などなど詳しく解説していきます!!

\\執筆者情報//

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初谷(はつがい)

ウイスキーに関わるあらゆる情報をまとめ,「ウイスキーを知りながらより深く楽しめる記事」を発信しています。
【Shop】The whisky shop Drinkable books
【経歴】東京都立大卒|元公務員・ネット酒屋開業
【資格】JWRC公認ウイスキーエキスパート|ウイスキー検定2級
【その他】バンド「Candid moment」のドラマー

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「バランタイン」ってなに?

バランタインの解説

 バランタインは1800年代半ばから続く,スコットランドにおける超名門のブレンデッドウイスキーブランドになります。その名声は既に世界に知れ渡っており,現在では世界のウイスキー売上ランキングで第2位に輝く最高品質のブランドです。

 バランタインのボトルはどれも40種類を超えるスコットランドのモルト・グレーン原酒で構成されており,バランスが良く滑らかで柔和な味わいのウイスキーに仕上げられています。特に数多の原酒の中核に位置するキーモルトは「スキャパ・ミルトンダフ・グレンバーギ・グレントファース」の4種類とされています。

 ちなみに世間では,バランタインのキーモルトを「魔法の7本柱」と称し,「アードベッグ・グレンカダム・グレンバーギ・スキャパ・バルブレア・プルトニー・ミルトンダフ」であるとする論調が存在しますが,これは現在の公式情報とは異なるものです。


キーモルトについて

ここで,バランタインのキーモルトである4種類のモルトを簡単に解説しておきます。

  • ミルトンダフ(蒸留所の解説記事はこちら

ミルトンダフはスコットランドで最も良質な大麦の産地エリアに位置する蒸留所になります。ノンピートタイプの麦芽のみを原料とし,フルーティさと樽由来のスパイシー感を特徴とした甘みの強い原酒が作られています。

  • グレンバーギ(蒸留所の解説記事はこちら

グレンバーギ蒸留所は1810年創業の歴史の深い蒸留所です。生産量こそ非常に多いですが,作られる原酒のほとんどがバランタイン専用とされています。柑橘系のフルーティ感が特徴的です。

  • グレントファース(蒸留所の解説記事はこちら

グレントファース蒸留所はスペイサイドのキース周辺に位置しています。周囲にはとても清廉な湧水が豊富であり,そのウイスキーはスペイサイドモルトらしい華やかフルーティ&甘い系の味わいです。

  • スキャパ(蒸留所の解説記事はこちら

スキャパ蒸留所はスコットランド本島の北にあるオークニー諸島に位置しています。独特なローモンドスチルでの蒸留を行っており,軽やかでありながら複雑で広がりのあるフルーティさを持った味わいが特徴的です!

「バランタイン・バレルスムース」ボトルの特徴

\\ボトル外観//

\\ボトル諸元//

ボトル名バランタイン・バレルスムース
地域スコットランド
種類ブレンデッドウイスキー
原料モルト・グレーン
容量700ml
度数40%
キーモルトスキャパ・グレンバーギ
グレントファース・ミルトンダフ

\\製法と特徴//

  • 独自のチャーリングを施した樽で熟成
    ▶︎樽材由来のバニラやキャラメルのようなスムースな甘さが育まれている
  • V字のシェブロンシェイプラベル
    ▶︎紋章学で「保護」と「信頼できる建築家」の意味を持つ形状であり,ウイスキーにも高貴な印象を付与する

バランタイン・バレルスムース徹底レビュー!

まずレビューの項目について説明しておきます!

レビュー項目

  • 色味

ウイスキーをグラスに注ぎ、目視にて色の濃さを5段階評価します

  • 香り

香りについて私が感じ取った内容をまとめていきます

  • 味わい

味わいについても私が感じ取った内容をまとめます

  • 余韻

余韻の長さを5段階で評価します

さてさて、それでは早速「バランタイン・バレルスムース」をテイスティングレビューしていきます!

色味

 色味はノンエイジとしては比較的濃く感じ,僅かに琥珀みがかった金色といった印象です。しかし大量生産のブレンデッドウイスキーである以上,着色がなされている可能性があり,樽由来の天然のものかは定かではありません。

 とはいえ独自のチャーを施した原酒にフィーチャーした「バレルスムース」というタイトルがしっくりとくる,いかにも美味しそうな色味であることに間違いはありませんね。

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香り

 香りの第一印象には,キャラメルのような濃密な甘さと,香ばしいオークのウッディ感とそれに融合したピートスモークを色濃く感じることができます。
 そのほかに感じられる要素としては,バニラ系のクリーミーな甘さ,青りんごのフルーティ感,穀物のモルティな甘さ,ウェアハウスの情景が浮かぶ木の甘さ,ビターなチョコを挟んだウエハース,そしてほのかに香るシナモンスパイスなどが挙げられます。

 グラスに注いだ時点では,思いの外スモーク感を感じましたが,時間経過とともに甘みや香ばしい樽香が助長され,私の主観では10分程度で非常に魅力的な香りとなりました。

 アルコール感も多少は残っていますが,ストレートでも十分に楽しめる,甘さの香るバランスの良いスムースなウイスキーであると言うことができるでしょう。

↓感じ取れる香り↓

キャラメル|ウッディ|ピートスモーク|バニラ|青リンゴ|モルティ|木の甘さ|シナモンスパイス

味わい

 味わいの第一印象としては,特に主張の強い要素がなく,スムースかつオイリーで舌触りの軽やかな呑みやすさにズバ抜けている印象でした。とはいえレビューとして最も強く感じられる要素を挙げておくと,「香ばしい木の要素」から派生したキャラメルやウエハースのようなお菓子系の甘さであると言えるでしょう。

 そのほかに感じられる要素としては,りんごとシナモンシュガー,ほのかなピートスモーク,ちょっと甘めに加工された蜂蜜,ビターな焦げ感,優しいバニラなどが挙げられます。

 味わいは総じて軽快ですが,スイート&ビターな印象であり,喉を過ぎてから帰ってくるウッディ感が非常に心地よく感じました。リーズナブルな価格帯の割に安っぽさは全くなく,バランタインらしさと力強い木の要素のバランスが良好ですね。

↓感じ取れる風味↓

香ばしい木|キャラメル|ウエハース|りんご|シナモンシュガー|ピート|はちみつ|ビター焦げ|バニラ

余韻

余韻はバニラの甘さとウッディなビター感を基調とし,ほのかにラムレーズンの要素が残っています。またキレるまでが比較的長く,十分な満足感を誇る余韻であると言えます。

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「バランタイン・バレルスムース」飲み方について

さて、ここまではストレートにてボトルのレビューをしてきました。

そこで「バランタイン・バレルスムース」はどの飲み方が一番美味しいのでしょうか。王道の飲み方である「トゥワイスアップ・ロック・ハイボール」の3種類で比較してみましょう!

飲み方について深く掘り下げた記事も書いているのでご参考までにリンクを貼っておきます!

トゥワイスアップでは?

ポイント

 加水では,ビター感や木の要素が若干主張を弱め,じわじわと沁みてくる濃厚な甘さと華やかな花畑のフローラル感が表面に出てきました。またほのかにオレンジのような柑橘系のフレッシュな酸味も感じられるようになりました。

 他のウイスキーと同じように水との接触によってアルコール感は和らぎ,隠されていた華やかな香味が解き放たれて呑みやすさに突き抜けた印象。甘いウイスキーが好きな方は是非トゥワイスアップで…!

おすすめ度

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ロックでは?

ポイント

 ロックにすると不思議と前面に砂糖漬けのドライフルーツのような甘さや,クッキーのようなモルティな甘み,そして木とチョコからなるウエハースのような甘さが全面に出てきました。

 しかし甘く華やかな第一印象とは裏腹に,余韻にかけては焦げたオークのようなビターな風味,コーヒーのような苦味,アーモンド系のナッティな香ばしさなどのビター系の印象が強化されていることがわかります。

 全体としてはスイート&ビターの調和が取れており,バランタインに見られるほのかなスモーキーテイストも活きていることから,最もこのボトルの魅力を強く感じることができる飲み方が「ロック」であると言えそうです。

おすすめ度

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ハイボールでは?

ポイント

 ハイボールでは,最初にりんごや柑橘系のフルーティ感,最後にほのかなピートスモークを感じることができます。その移ろいの過程ではメープルっぽい甘さや木の苦味などの要素は捉えられます。

 基本的には大衆がイメージするハイボールのイメージに相違なく,ややドライなウッディ感に長けていることから,喉越し抜群。少し濃い目に作ってみてもいいかもしれませんね。

おすすめ度

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「バランタイン・バレルスムース」総評

最後に総評に入りたいと思います!まずはレーダーチャートから!

レーダーチャート

さてさて、気になる点数は…

点数の理由と評価

 まずバランタイン・バレルスムースの香りは,アルコール感などネガテイブな要素も多少残ってはいるものの,スイート&ビターのバランスが非常に良く仕上げられていました。またバランタインらしいピートスモークも他のボトルよりもやや強く感じられたように思います。

 対して味わいでは,口に含んだ瞬間こそスムース過ぎて主張の弱さを感じてしまいましたが,余韻にかけてウッディ系のビター感を中心とした樽感を多分に感じることができました。公式コメントの所感と大きな差異はなく,プラスアルファでりんご系フルーティ感やシナモンシュガーの甘さが感じられた印象です。

 入手性と価格については,どちらも全く問題なし。非常にリーズナブルな価格帯であり,少しお酒の品揃えの良い近所のスーパーなどでも十分に入手することができるでしょう。
 手頃に程よいデザート感を味わうことができるボトルなので,興味を持った時に買ってみても良いでしょう。

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レビューに使用した道具たち

グラス:グレンケアン

ジガーカップ:JOYONEというメーカーのものをAmazonで購入して使っています。
正直計りたい分量が計れるものであれば何でもいいと思います!