ロックランザ蒸留所(lochranza)|場所・歴史・製法・ボトル|ウイスキーラウンドアップ

記事の概要

世界中の蒸留所図鑑完成を目標としたシリーズです。

今回はスコットランドより「ロックランザ蒸留所」になります!

Points!「立地・歴史・伝統的な製法・オフィシャルボトルの簡単な解説」

キーワード

ロックランザ/ラグ/2蒸留所体制/クラフト蒸留所のパイオニア/アイル・オブ・アラン蒸留所⇨ロックランザ蒸留所

アランの特徴

甘い・フルーティ・フローラルのアランモルト/スモーキー・個性派のマクリームーア

ロックランザ蒸留所

ロックランザ蒸留所の立地・歴史・製法についてまとめていきます。

蒸留所の概要

創業年1995年
所有会社アラン・ディスティラーズ社
地域分類アイランズ アラン島
発酵槽オレゴンパイン製6基
ポットスチル初留2基・再留2基
仕込み水イーサン・ビオラック川
ブレンド先ロバートバーンズ

ロックランザ蒸留所の立地

立地について

ロックランザ蒸留所アラン島に所在する蒸留所になります。

島の北(ロックランザ)と南(ラグ)に蒸留所を持っており、蒸留拠点を2つ持っている珍しい蒸留所でもあります。

今回の記事ではロックランザの蒸留所をメインに取り上げています。

アラン島は比較的温暖な気候で、温かい海流が生み出す海風と澄みわたった山の風が入り交じっており、ウイスキーの熟成には最適な環境が整っています。

ロックランザ蒸留所の歴史

ロックランザ蒸留所の歴史を年表形式でまとめていきます!

西暦年内容
1825年(余談)当時アラン島で政府公認を得ているのはラグ蒸留所のみであった
1840年(余談)ラグ蒸留所の閉鎖を持ってアラン島の蒸留所が完全に淘汰される
背景にはスコットランド本島においてウイスキー需要が増大したことで、質よりも量が重視されるようになったことがある
1993年ハロルドカリーらによってアラン島のロックランザに蒸留所を建設する計画が生み出される
1994年アイルオブアラン蒸留所(旧名)の建設が完了する
1995年6月29日午後2時29分に最初の蒸留が行われてニューポットが生み出される
8月17日に蒸留所が正式にオープンされる
1997年エリザベス女王の立ち合いのもとでビジターセンターがオープンされる
1998年俳優のユアンマクレガーらによって初めて3年熟成を終えたシングルモルトの試飲会が開かれる
2006年初のオフィシャルボトルとしてアランモルト10年が発売される
2007年蒸留所が新たなマネージャーを求めたところボウモア蒸留所を引退したばかりのゴードンミッチェルが採用される
2010年ライトリーピーテッドタイプの公式ブランドとしてマクリームーアがリリースされる
2015年過去最高益を記録したことを受けてポットスチルの増設が計画される
2017年ポットスチルが2基増設される
2018年ヘビリーピーテッドタイプの原酒生産に向けてアラン島南部のラグに第2蒸留所を建設する
2019年ラグの蒸留所で生産が開始される
蒸留所名がロックランザ蒸留所に改められる
併せてボトルデザインもシンプルなものに変更される

蒸留所建設時の逸話

ロックランザ蒸留所を創設したハロルドカリーですが、建設計画の段階では資金繰りに難儀していた背景があります。この資金問題をどのように乗り切ったかというと、カリーの息子らが提案したクラウドファンディングを活用したのです。

このクラウドファンディングの内容は資金を提供する代わりに、出資者に対して完成したウイスキーを届けるというものでした。

もしも今このような投資の機会があったら是非支援してみたいものです。

またこのようにして資金難を乗り越えたカリーらでしたが、建設時にも小さなハプニングがありました。その内容は建設地予定地にワシが巣作りを始めたことで作業が一時中断してしまったというものでした。想定外の事態ではありましたが、カリーらはこの小休止を有効活用してさらなる追加投資を募りました。

なんやかんやあって1994年ついに蒸留所が完成、翌年には初めての蒸留が行われて蒸留所が正式にオープンされました。この時行われた開会式では偶然にも2匹のワシが舞い降りたとのことで、この2匹のワシは現在もアランの象徴とされています!


ラグの第2蒸留所

第2蒸留所は2018年にピーテッドタイプのウイスキーの生産を目的としてアラン島南部のラグに建設されました。

第2蒸留所が出来るまでは、ロックランザの蒸留所においてライトピート(20ppm)とヘビリーピート(50ppm)のウイスキーが生産されていました。これらのうち、ライトピートのウイスキーはマクリームーア用としてロックランザで継続に生産され、ヘビリーピートのウイスキーを今後ラグで生産する運びとなります。

ラグで生まれたウイスキーが販売されるのが楽しみですね!!

ロックランザ蒸留所 製法の特徴

製麦

ロックランザ蒸留所は1993年の創設と比較的歴史の浅い蒸留所であるため、フロアモルティングの設備等は備えていません。

原料の大麦はコンチェルト種でノンピートライトリーピーテッド(20ppm)・ヘビリーピーテッド(50ppm)の3種類を製麦業者から仕入れています。

前述の通りロックランザ蒸留所は島の北と南に蒸留拠点があり、北ではノンピートとライトピート、南ではヘビーピートの大麦を原料としてウイスキーが作られています。

仕入れた大麦はモルトミルで粉砕してグリストとした後、糖化の工程へと進みます。

モルトミル 出典:whisky.com

糖化

北部の蒸留所では仕込み水として、イーサンビオラック川の水を使用しています。

この川は蒸留所の南にある「Loch na Davie」という湖から流れてきた、ゲール語で「鋭い滝」とも言われる急流で、純度の高い水を採取することができます。

マッシュタンはステンレス製セミロイタータンで、1バッチあたり2.5トンのグリストと仕込水を投入して糖化が進められます。。

こうしてクリアな色味のウォートはを得て、発酵の工程へと進みます。

マッシュタン 出典:whisky.com
糖化の様子 出典:アラン公式

発酵

ロックランザ蒸留所にはオレゴンパイン製ウォッシュバックが6基あります。

この中に糖化で得られたウォート酵母を投入することで発酵が進められます。

発酵にかける時間は65時間と比較的長めです。

発酵が完了するとアルコール度数約8%もろみが得られ、蒸留所工程へと進みます。

ウォッシュバック 出典:whisky.com

蒸留

ロックランザ蒸留所には容量6500リットルのウォッシュスチルが2基、容量13000リットルのスピリットスチルが2基あります。

ポットスチルはネックの長いストレート型で、蒸気による間接加熱方式です。

蒸留で生じたアルコールを含む蒸気は、シェル&チューブ式のコンデンサーで冷却することで液体に戻されます。

初留で得られるローワインは度数約23%、再留後のハイワインは68%程度となります。

2回の蒸留、ミドルカットを経て熟成に回すことのできるニューポットが出来上がります。

ポットスチル・コンデンサー・スピリッツセイフ
出典:whisky.com

熟成

ロックランザ蒸留所では熟成に使う樽として、シェリー樽バーボン樽を使い分けています。

多様なワイン樽を活用した後熟の技術にも長けており、それぞれの特徴を生かしたボトルも発売されています。

原酒を詰めた樽はダンネージ式ラック式のウェアハウスにて安置されます。

また熟成を終えたウイスキーは通常冷却濾過を施し、カラメル色素による色味の調整が行われますが、ロックランザのウイスキーはどちらも行われていません。

ボトリングする際のアルコール度数についても46%に調整したものか、カスクストレングスのものしか出さないという強いこだわりがあります。

ダンネージ式ウェアハウス 出典:アラン公式
ラック式ウェアハウス 出典:whisky.com

オフィシャルボトル一覧

ロックランザ蒸留所のオフィシャルボトルを紹介していきます!

アランモルト10年

ポイント

バーボン樽原酒をメインにシェリー樽原酒をヴァッティングしたロックランザ蒸留所を代表するボトルです!

蒸留所名変更の際に変えられたボトルデザインは、無印良品感のあるシンプルでかっこよいものになりました。

近年人気急上昇中かつ、間違いのない良質でフルーティな味わいのため、機会があれば是非購入を検討しましょう!

ー特徴ー

価格帯

Amazon:6050円/楽天市場:5950円(送料込み)

※2022年6月現在

香り

フローラル/シトラス/ウッディ/ナッツ/バニラ/オレンジピール

味わい

花畑のようなフローラルさ/レモン系柑橘/ウッディなナッツ/スパイシー

余韻

ウッディで柔らかい甘み/フローラル/クリーミー/バニラ

↓↓アランモルト10年はこちらの記事でも細かく解説をしています!!↓↓

アラン バレルリザーブ

ポイント

バレルリザーブはファーストフィルのバーボンバレルで7〜8年間熟成させた原酒のみで構成されたアランのエントリーモデルです!

アランの華やかな味わいはもちろん、バーボン樽由来のウッディな甘さやスパイシーな風味は必見です。

ー特徴ー

価格帯

Amazon:4600円/楽天市場:4180円(送料込み)

※2022年6月現在

香り

フローラル/レモン/オレンジ調の柑橘/青リンゴ

味わい

華やか/レモン系柑橘/シナモン/ウッディな甘さ/スパイシー

余韻

暖かいウッディさとスパイシーな余韻/キレが良い

アラン クオーターカスク

ポイント

アランクオーターカスクはバーボンバレルで7年間熟成したのちに要領125リットルの小型のクオーターカスクで2年間追加で熟成させた原酒が使用されています。また最大の特徴はカスクストレングスであることです!

サイズの小さな樽では木の成分の溶出が比較的短時間で進行するため、オーク感がより際立っています。

濃厚なアランを是非試してみてはいかがでしょう!

ー特徴ー

価格帯

Amazon:6580円/楽天市場:7500円(送料込み)

※2022年6月現在

香り

フローラル/レモンピール/砂糖/ココア/柑橘系

味わい

パイナップル/青リンゴ/花畑/バニラ/オークの甘さ/胡椒系スパイシー

余韻

柑橘系の甘味と濃厚な木の甘さが長く続く

アラン シェリーカスク

ポイント

アランシェリーカスクはその名の通り、熟成期間の全てにファーストフィルのシェリーホグスヘッドを使用した原酒を使用しています。シェリー樽由来のリッチな甘さとアランの旨味がしっかりと融合した素晴らしい一本です。

またこのボトルもカスクストレングスでボトリングされています。

近年シェリー樽熟成のウイスキーは人気が高騰しており、入手が難しいことが多いので、このボトルも見つけたタイミングで購入を検討するべきです!

ー特徴ー

価格帯

Amazon:9700円/楽天市場:9650円(送料込み)

※2022年6月現在

香り

フローラル/チョコ/レーズン/オレンジ/スパイシー/芳醇なフルーティ

味わい

イチジク/チェリー/ヘーゼルナッツ/香ばしいオークの甘さ/柑橘/花畑

余韻

濃厚なレーズン感とオークの甘さがとても長く続く

マクリームーア

ポイント

マクリームーアはフェノール値20ppmのライトリーピーテッドタイプの麦芽を使用した原酒が使用されています。

アラン島の西海岸にあるピート湿原「マクリームーア」には遺跡があり、伝説上の巨人がブランという名の愛犬を繋いでいたという穴が掘られた石が残されています。ボトルに描かれたワンチャンはこの伝説をイメージしたものになります!

こちらもなかなか入手困難ですが機会があれば、スモーキーなアランを是非堪能してみましょう!

ー特徴ー

価格帯

Amazon:8900円/楽天市場:11000円(送料込み)

※2022年6月現在

香り

トロピカル/フローラル/パイナップル/バニラ/ミント/潮感/薄いピート

味わい

シトラス/花畑/パイナップル/バニラ/はちみつ/ミント/心地よいピート

余韻

薄く香ばしいピート感とメープルシロップのような甘さが非常に長く続く

参考資料

参考サイト:whisky.com arranwhisky.com scotchwhisky.com