ウイスキーエキスパートとは…?合格するための勉強方法を伝授|ウイスキーラウンドアップ

記事の概要

【ご報告】

管理人のはつがいですが
無事
ウイスキーエキスパート試験2022合格しました!

今回はその旨のご報告と併せまして,次回以降の合格を目指される方々に向けて私の勉強方法を書き残しておきます。

勉強のやり方は人それぞれですが,今回紹介する勉強方法で私自身が実際に8割以上を得点できたので,参考までにご紹介します…!

\\執筆者情報//

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初谷(はつがい)

ウイスキーに関わるあらゆる情報をまとめ,「ウイスキーを知りながらより深く楽しめる記事」を発信しています。
【Shop】The whisky shop Drinkable books
【経歴】東京都立大卒|元公務員・ネット酒屋開業
【資格】JWRC公認ウイスキーエキスパート|ウイスキー検定2級
【その他】バンド「Candid moment」のドラマー

各種SNSも運用中!

ウイスキーエキスパートとは…?

ウイスキーエキスパートとは,2001年に発足したウイスキー文化研究所が,2004年より主催している資格制度の「ウイスキーコニサー試験」において,3段階あるランクのうち第1段階目にあたる資格のことであり,上位にウイスキープロフェッショナル,最高位にマスターオブウイスキーという体系になっています。

ウイスキーコニサー試験は「鑑定家」を意味するコニサーの名が付くだけに,ウイスキーに関するあらゆる知識や鑑定能力が問われる資格試験であり,第1段階のエキスパートでは筆記試験が,第2段階のプロフェッショナルでは筆記+テイスティング試験が,最終段階のマスターではそれに加えて論文試験が課されています。

ちなみにウイスキーエキスパート試験は100点満点の選択式の試験ですが,合格に必要な点数は明記されていません。しかし公表されている過去の受験者データを見るに,平均点が60点前後で受験者の約50%が合格とのことなので,7割程度が得点できるようになっていれば合格が固いでしょう。

ウイスキー文化研究所とは?

ウイスキー文化研究所は日本を代表するウイスキー評論家の土屋守氏が代表を務める愛好家団体として国内外のウイスキーを深く探求し,資格制度やイベントを通してウイスキー文化を普及する役目を担っています。

検定試験やコニサー受験希望の方はもちろん,ウイスキーに興味がある人は皆研究所の会員となることができ,特典として隔月出版の専門誌「ウイスキーガロア」を受け取ることができたり,イベントの優先チケットや会員限定ウイスキーの購入ができたりと,多数の魅力があります。

入会方法はこちら

試験問題の構成

エキスパート試験の大問は大きく「各種世界5大ウイスキーについて・その他・製造」と分かれています。過去の試験において大まかな出題数の傾向があり,100点満点のうちウイスキーの製法とスコッチウイスキーが占める割合が6〜7割程度となっています。

アイリッシュとジャパニーズについては2021年の時点で出題数が倍増していますが,反対にカナディアンウイスキーやその他のワールドウイスキーに関する内容は,どの年度でも合計で10問に満たない程度のケースが多くなっています。

ちなみに本番の試験は複数の選択肢の中から答えを選んで回答する形式の問題であり,マークシートではなく,専用の解答用紙に答えを記入していくスタイルでした。私自身マークシートだと思い込んでいてちょっとビックリしたので注意してください…

問題項目201620172018201920202021
スコッチ474745375544
アイリッシュ5699612
アメリカ13131015711
カナダ343423
日本4669610
その他124432
製造272223222120

合格するために必要なこと

ここからが本題ですね。私が2022年度のウイスキーエキスパート試験に合格した経験から,実際に試験に合格するために必要な要素をまとめていきたいと思います。

教科書・過去問はほぼ必須

運営公式の教本として「ウイスキーコニサー資格認定試験教本」というのがあり,上中下の計3巻が販売されています。上巻(最新2018年版)はウイスキーの製法などの基礎知識が,中巻(最新2020年版)はスコッチウイスキーや英国のウイスキーに関する内容が,下巻(最新2021年版)にはその他のウイスキーに関する内容がまとめられています。

これらの教科書は試験合格に必要な情報が網羅されているだけでなく,ウイスキーを深く探究しながら楽しみたい人の学習にも最適な情報量がしっかりと確保されているため,文字通り「ウイスキーの教科書」として購入してみるのも良いでしょう。

エキスパート試験合格に向けて,これらの教科書の購入は必要条件ではありませんが,効率的に勉強するためには必須のアイテムとなります。私の経験上他の書籍で勉強していた時期もありましたが,情報量については雲泥の差で公式の教科書に軍盃が上がります。

また教科書の他にも,2冊の過去問題集が公式から販売されています。エキスパート試験の出題傾向にはややクセがあるため,確実な合格を狙うのであればほぼ100%過去問を繰り返し解く必要が出てきます。

実際に私も2冊(計6回分)の過去問を全て9割正解できるようにしてから試験に臨みましたが,「ほとんど同じor非常に似ている」問題がかなり多く出ていた印象があり,当日も安心して問題を解き進めることができました。

教科書及び過去問を活用した実際の勉強方法としては,次のような流れをお勧めします。

  • 後述の学習必須ポイント(以下「要所」と記載)を教科書で覚える
  • どの年度でも良いので一旦1年分の過去問を解き,要所の定着度や問題自体の難易度を把握
    ※2018年だけは異常に難しかったので避けてください。
  • 要所は暗記とアウトプットを繰り返し,②で解いた問題の難易度に対応できるように定着させる
    ※わからないところは無理に追わなくてOK
  • 解いた年度の問題で要所をしっかりと抑えたら,次の1年分に進む
  • 2年分の問題の共通点を探り,似ている問題に関する内容から教科書で確実に抑えていく
    ※問題で名前の出た蒸留所に関連するストーリーも深く調べると尚良い。
  • 要所+似ている問題を抑えたら,次の1年分に進み,②〜⑤を繰り返す

\\教科書と過去問//

ここだけは抑えておくべき!

エキスパート試験では「ここを覚えておけば,5割程度の点数を安定して取ることができるようになる」というポイントがいくつかあります。ここではそんな合格に向けて学習必須の要所とも言える重要なポイントをいくつか挙げていきます。

これらの要所をベースに,過去問に適合する形で知識を横方向に広げていくのが最も効率的な勉強方法と言えるでしょう。

※基本的には全ての内容が重要で,エキスパートになるためには必要な知識なのですが,ここではあくまで問題に対応するための要所をまとめています。

  • ウイスキーの製法
    ▶︎製法関連の問題は毎回20問以上出題されていますが,その年度でも比較的似ている問題が多く,覚えておけば磐石な得点源となります。
    (特に発酵モデル図,マスバランス,ポットスチルの構造は頻出)
  • スコットランドの蒸留所の地域分類と所有会社
    ▶︎これも毎回10問以上出題されていますが,覚えておけばほぼ確実な得点源となるので学習必須です。
  • 5大ウイスキーに纏わる大まかな歴史
    ▶︎特にスコッチ・アメリカン・日本の歴史について,年表形式で複数問出題されている年度が多いながら,内容にあまり多様性がないので覚えやすいポイントです

ここは最低限の確認でOK!

前述の過去問の出題傾向から例年出題数が限られており,ガッツリ勉強せずとも得点できる。あるいは本番でしくじってもダメージが少ない項目がいくつかありますので,ご紹介します。

  • カナディアンウイスキー
    ▶︎例年出題数が5問程度と少なく,出題される問題も割と限られています。よって過去問に登場する問題の部分だけを抑えるのが最善策でしょう。
  • その他(ワールドウイスキーやカクテルなど…)
    ▶︎こちらも出題数が例年3問程度と少ないです。比較的名の知れている台湾のカバランやインドのウイスキーを抑えておく程度に留めておいて大丈夫でしょう。
  • 蒸留所や都市の地図上の場所
    ▶︎スコッチ・アイリッシュ・アメリカンを中心に例年10問程度出題されているのがこの問題なのですが,難易度のばらつきが激しい印象です。無理なものは絶対に無理なので諦め,逆に過去問に登場する有名な蒸留所や地名だけをしっかり抑えておけば確実な得点源となります。

私の記事も参考になりそう

当てつけが過ぎる教え方かもしれませんが,僕の勉強の副産物として生まれたいくつかの記事は,受験時の参考となる可能性が高いです。体感としても本試験・過去問を通して,「記事で書いたなぁ」という問題が割と多く出てきました。

特に具体的には著名な蒸留所に纏わるストーリーや製法についてはキッチリとまとめていますので,時間のある時に暇つぶしがてら読んでみると,試験対策にもなるのではないかと思います。

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