記事の概要
管理人によるボトルのレビューを通して、皆様にその魅力を伝える記事です!
「ザ・グレンリベット12年」は政府公認第1号となったザ・グレンリベット蒸留所の代表作であり,シングルモルトの原点として万人から愛されているボトルになります。
そんなボトルについて…
- 「グレンリベット」ってなに?
- 「ザ・グレンリベット12年」の特徴
- 「ザ・グレンリベット12年」の徹底レビュー
- 「ザ・グレンリベット12年」飲み方について
などなど詳しく解説し,最後にその個性を色彩で表現します!
\\執筆者情報//
初谷(はつがい)
ウイスキーに関わるあらゆる情報をまとめ,「ウイスキーを知りながらより深く楽しめる記事」を発信しています。
【経歴】東京都立大卒|24歳
【資格】JWRC公認ウイスキーエキスパート|ウイスキー検定2級
【その他】バンド「Candid moment」でドラムを叩く人
各種SNSも運用中!
「グレンリベット」ってなに?
グレンリベットの解説
グレンリベットはスコットランドのスペイサイド、リベット地区に位置するザ・グレンリベット蒸留所で作られるウイスキーになります。
スコットランドでは1823年の酒税法改正前まではウイスキーにかかる税金が非常に大きく、密造が横行していました。もちろんグレンリベットも例に漏れず当時は密造を行なっていました。
そんなご時勢柄でしたが1824年、グレンリベットは当時の国王のジョージ4世に愛飲されていたことから、政府の公認を受けることとなりました。これはスコットランド初であったため、グレンリベットが政府公認第1号の蒸留所ということになります!
その後も継続して質の高いウイスキーを作り、名声を得ていましたが、1880年ごろにはそこに付け入って勝手にグレンリベットを名乗る輩が出てきてしまいます。もちろん当時の所有者のスミス家はたまらず訴訟を起こし、1884年に無事勝訴したこときっかけに定冠詞の「THE」をつけることが許されました。
このように非常に深い歴史のあるザ・グレンリベット蒸留所ですが、その現行オフィシャルボトルのうち最もスタンダードな「ザ・グレンリベット12年」を今回紹介していきます!
「ザ・グレンリベット12年」ボトルの特徴
\\ボトル//
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\\ボトル諸元//
ボトル名 | ザ・グレンリベット12年 |
地域 | スコットランド スペイサイド リベット地区 |
種類 | シングルモルトウイスキー |
容量 | 700ml |
度数 | 40% |
樽 | アメリカンオーク ヨーロピアンオーク |
\\製法と特徴//
- 麦芽はノンピート
⇨スモーキーさのないクリーンな味わい - ジョシーズ・ウェルの泉のミネラルを含んだ硬水を仕込み水に使用
⇨硬水を使用すると一般的には複雑かつ個性的な風味 - オレゴンパイン製のウォッシュバック
⇨森林のような自然のアロマ - 背が高く細いランタン型のポットスチルを使用
⇨クリーンでライトかつフルーティなアルコール分が厳選される - 熟成にアメリカンオーク樽を使用
⇨バニラ感が付与される
「ザ・グレンリベット12年」徹底レビュー!
まずレビューの項目について説明しておきます!
レビュー項目
- 色味
ウイスキーをグラスに注ぎ、目視にて色の濃さを5段階評価します
- 香り
香りについて私が感じ取った内容をまとめていきます
- 味わい
味わいについても私が感じ取った内容をまとめます
- 余韻
余韻の長さを5段階で評価します
- 総評(100点満点)
ボトルのポジティブな風味とネガティブな風味を10段階で評価し、レーダーチャートで表現し,ポジティブで獲得した点数からネガティブの点数を引くことにより、ボトルを100点満点で評価します
また最後に総評を文章にて取りまとめていきます!
さてさて、それでは早速「ザ・グレンリベット12年」をテイスティングレビューしていきます!
色味
色味はやや薄めでクリアなゴールドといった感じですが,やや温かみが感じられます。特定の樽の個性が強く出ているといった感じではないでしょう。
薄
1 2 3 4 5
濃
▼
香り
香りの第一印象は”これぞスペイサイドモルト”といった印象で,ノンピート麦芽らしい柑橘系のフルーティな要素にバニラのようなクリーミーな甘さ,そしてナッティな香ばしさを感じることができます。
また,どこかパイナップルのような南国系の風味も感じることができ,個人的には”爽やかでどこか懐かしい夏の草原”のような情景が頭に浮かんできました。
世界中で愛されているボトルだけあり,アルコールの刺激等のネガティブな印象はうまく抑えられており,まさに万人に好まれる香りと言えるでしょう。
↓感じ取れる香り↓
クリーミーなバニラ/香ばしいナッツ/南国パイナップル/フレッシュなオレンジ/爽やかでどこか懐かしい夏
▼
味わい
味わいの香りで感じられた印象と大きな差異はなく,華やかなスペイサイドモルトの典型といった印象。柑橘や南国フルーツの華やかな風味を主体とし,バニラ系のクリーミーな甘さと見事にマッチしています。
また樽由来のウッディなビター感や香ばしいナッツ感なども感じられ,甘さとの相性が非常に良く感じられます。特にウッディ感についてはバニラの甘さと融合してウエハースやチョコのようにも思えてきますね。
やはり世界一のシングルモルト。卓越したバランス感の中で幅広いテイストが活かされていて美味。嘘偽りなく誰が飲んでも美味しシングルモルトでしょう。
↓感じ取れる風味↓
オレンジピール/トロピカルフルーツ/バニラ/ウッディなビター感/ナッツの香ばしさ/チョコレート/ミネラル感
▼
余韻
柔らかく優しいウッディ感が非常に長く続き,夏の明るい草原のような華やかな情景が浮かびます。
短
1 2 3 4 5
長
「ザ・グレンリベット12年」ボトルを色彩化すると…?
この「ボトルの色彩化」では,ネットの記事を通してでは共有することのできない,味覚や嗅覚を通して得られた感動を「色彩」として視覚化することを目的としています。本来直接伝えることができないような,”ウイスキーから得られた感動を五感に直接訴えかけられるように”という思いを込めたコーナーです。
さて,「グレンリベット12年」の色彩をお楽しみください。
「ザ・グレンリベット12年」飲み方について
さて、ここまではストレートにてボトルのレビューをしてきました。
そこで「ザ・グレンリベット12年」はどの飲み方が一番美味しいのでしょうか。王道の飲み方である「トゥワイスアップ・ロック・ハイボール」の3種類で比較してみましょう!
飲み方について深く掘り下げた記事も書いているのでご参考までにリンクを貼っておきます!
トゥワイスアップでは?
ポイント
加水をすると香りでは圧倒的なオレンジ系の甘さとモルティな甘みが全面に出てきました。同時にバニラとオークの甘さもかなりがっつりと感じられます。
味わいではキャラメルやバニラ系の強い甘さと、優しいオレンジ系の柑橘のフルーティさがしっかりと出ています。甘さと共にビターさも強く出てきていて、さながらダークチョコのような要素を感じます。加水しても崩れることなく素晴らしいバランスの良さが感じられるのはさすがグレンリベットといった感じです。
おすすめ度
1 2 3 4 5
▼
ロックでは?
ポイント
ロックでは香りの甘さが若干弱まり、スパイシーな印象が出てきました。全体的に引き締まった感覚があり、甘みはよりシャープに、ビターやスパイシーが前面に出てくる,といった感じに変化しています。
味わいでは甘味の重心が全体的に下がり、柑橘とオークの甘さが中心的です。ビターなニュアンスも出てきており、ビターチョコのように苦味と甘みが共存しているような感覚です。
余韻には芳醇な樽香とフローラル感が長く残り,ロックにしてもなお余韻が損なわれないのはとても魅力的ですね。
おすすめ度
1 2 3 4 5
▼
ハイボールでは?
ポイント
ハイボールで感じられる香りは樽に由来する圧倒的に香ばしく甘いオーク香でした。また味わいにおいても同様に強い樽香が感じられ,柑橘系のフレッシュな甘さも相まって炭酸との相性は抜群に良く感じます。
ストレートでも感じられていた草原のような印象が,ハイボールでは大きくプラスに働いており,類稀な爽快感が付与されています。ザ・グレンリベット12年はハイボールに適していますね。
おすすめ度
1 2 3 4 5
「ザ・グレンリベット12年」総評
最後に総評に入りたいと思います!まずはレーダーチャートから!
ポジティブ
ネガティブ
さてさて、気になる点数・色彩は…
総評
実際に飲んでまず思うことは完璧すぎるといったところでしょうか。素晴らしいまでのフルーティさと味わいの深みはシングルモルトの原点の称号に相応しく,まさしくスコッチの代表格と言えるでしょう。
単純に飲みやすく,多彩な飲み方でおいしさを発揮してくれるという点はもちろんですが,初めて英国政府の公認を獲得した蒸留所が手がける代表作ということもあり,あらゆる面から”飲んでおく価値のあるボトル”だと思います。というかまだ飲んだことがないならば必飲です。
あまりに飲みやすすぎるが故に,ウイスキーをよく飲まれている方だとやや物足りなさを感じる場合があるかもしれませんが,家に常備したいシングルモルトとして,ザ・グレンリベット12年の右に出るものはいないでしょう。安心感があります。
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レビューに使用した道具たち
グラス:グレンケアン
ジガーカップ:JOYONEというメーカーのものをAmazonで購入して使っています。
正直計りたい分量が計れるものであれば何でもいいと思います!