ローズアイル蒸留所(Roseisle)|場所・歴史・製法・ボトル|ウイスキーラウンドアップ

記事の概要

世界中の蒸留所図鑑完成を目標としたシリーズです。

今回は「ローズアイル蒸留所」になります!

Points!
「立地・歴史・伝統的な製法・オフィシャルボトルの簡単な解説」

キーワード

ディアジオ社最大規模/エネルギー効率重視/生産自動化/製麦所併設

ローズアイルの特徴

100%ブレンデッド用のため現状シングルモルトリリース無し/テイストは不明

ローズアイル蒸留所

ローズアイル蒸留所の立地・歴史・製法についてまとめていきます。

蒸留所の概要

創業年2009年
所有会社ディアジオ社
地域分類スコットランド
スペイサイド エルギン地区
発酵槽ステンレス製14基
ポットスチル初留7基・再留7基
仕込み水蒸留所の井戸水
ブレンド先不明

「ローズアイル蒸留所」蒸留所の立地

出典:google map

ポイント

ローズアイル蒸留所はスコットランドのスペイサイドに位置しています。具体的にはエルギンの街の西のはずれかつ,マレイ湾の海岸に程近い場所に建っています。スペイサイドの蒸留所密集地帯からは少しだけ離れており,蒸留所の周囲は大麦畑に囲まれています。

敷地内では,同じくディアジオ社が所有するローズアイル製麦所が1979年から稼働しており,2009年にウイスキーの生産設備を併設する形でローズアイル蒸留所が成立しました。また蒸留所の近くにあるバーグヘッド製麦所もディアジオの所有であり,パイプを通して熱エネルギーがシェアされています。

年間生産量が1250万リットルとディアジオ社内で最大規模の蒸留所であり,外観もバイオプラントのようなスケールの大きさを感じさせる造り。生産工程におけるエネルギー効率を重視しており,必要エネルギーの85%が再生可能エネルギーとなっています。

「ローズアイル蒸留所」蒸留所の歴史

ローズアイル蒸留所の歴史を下表のとおり整理しました!

西暦年内容
2006年ディアジオ社によってローズアイル製麦場に新蒸留所を併設する計画が発表される
2007年蒸留所の建設が本格的に始動する
2009年ローズアイル蒸留所が完成し,試験生産が開始される
2010年同年10月に正式にオープンが発表される

ローズアイルに纏わるストーリー

「ローズアイル蒸留所」製法の特徴

  • 年間生産量
    1,250万L
  • 仕込み水
    井戸水
  • モルトスター
    ローズアイル製麦所
  • ピーテッドレベル
    ノンピート
  • マッシュタン材質
    ステンレス製フルロイター
  • マッシュタン容量
    2基,13トン
  • ウォッシュバック
    ステンレス製14基
  • ウォッシュバック容量
    16万L
    (張込み11.4万L)
  • 酵母
    クリーム状
  • 発酵時間
    最低75時間
  • スチル加熱方式
    蒸気間接加熱
  • ポットスチル(初留)
    ストレート型7基
  • 初留釜容量
    16,000L
  • ポットスチル(再留)
    ストレート型7基
  • 再留釜容量
    10,000L
  • コンデンサー
    シェル&チューブ
    (ステンレスと銅)
  • 本留の度数
    70%

製麦について

ポイント

ローズアイル蒸留所は元々ディアジオの製麦所として稼働している場所に併設される形で創業されたため,製麦はロースアイル製麦所をはじめとしたディアジオ社の製麦部門にて行われています。ピーテッドレベルはノンピートとされています。

ちなみに蒸留所の3キロほど北には,同じくディアジオが所有するバーグヘッド製麦所がありますが,ロースアイルにおけるウイスキー作りで発生した熱はがパイプを介してバーグヘッドへ送られ,モルトの乾燥に転用されているとのことです。

原料のモルトはモルトミルで粉砕されてグリストとしたのち,糖化の工程へと進みます!

↓工程の詳細な解説↓

糖化について

ポイント

ローズアイル蒸留所では仕込み水として近辺の井戸水を採用しています。マッシュタンは1バッチあたり13トンのグリスト容量を誇るステンレス製のフルロイタータンになります。

マッシュタンの容量が非常に大きいため,蒸留所の建設時には2分割にして運び込んでから組み立てられたらしく,上から見ると部品の境目が見れるとか。

製麦によって得られたグリストは,1回目のお湯と混合されたのちにマッシュタンへと投入され,2,3回目のお湯を温度を上げながらスパージングすることで糖化が進められます。この糖化手法はワンステップ・インフュージョン法と呼ばれています。

各回のお湯との接触ごとに,糖類を多く含んだウォートという溶液が抽出されており,通常は糖類を多く含有する1,2回目のウォートが発酵に廻され,3回目のウォートは次回の糖化バッチにてお湯と混合して注がれることになります。

ローズアイルにおいて得られるウォートは非常に透き通った色味をしており,1バッチにつき合計114,000リットルと莫大な分量となります。

次の工程は発酵になります!

↓工程の詳細な解説↓

発酵について

出典:google map

ポイント

ローズアイル蒸留所には容量160,000リットル(張込み114,000リットル)と巨大なでステンレス製のウォッシュバックが14基設置されています。使用される酵母はクリーム状のディスティラーズ酵母です。

糖化によって得られたウォートは熱交換器を介して20℃前後まで冷却されたのち,酵母と混合してウォッシュバックに投入することで発酵が始まります。

発酵にかける時間は最低で75時間以上と,比較的長めに設定されており,求める酒質に合わせて調整することができます。

発酵が完了するとアルコール度数約7〜9%程度となったウォッシュを得ることができます。このウォッシュは蒸留までの間はウォッシュチャージャーというタンクに一時貯蔵されますが,蒸留器に送る前に熱効率を高めるべく予熱されます。

次の工程は蒸留になります!

↓工程の詳細な解説↓

蒸留について

出典:google map

ポイント

ローズアイル蒸留所にはストレート型で容量16,000リットルのウォッシュスチルが7基,同じくストレート型で容量10,000リットルのスピリッツスチルが7基設置されています。

スチルの製造はアロアのアバクロンビーに所在するディアジオの銅細工師が手がけており,形状は全て同じでラインアームは少しだけ下向きに垂れ下がっています。加熱方式は蒸気による間接加熱方式,コンデンサーはシェル&チューブ方式が採用されています。

スチル7組のうち6組はコンデンサーについて,銅製かステンレス製かを切り替えることができ,軽やかな酒質を求める場合は銅製,ヘビーな酒質を求める場合はステンレス製が使用されます。

−初留−

発酵によって得られたウォッシュはウォッシュスチルへと投入され,初留が行われます。ウォッシュはスチルに投入される前に予熱されているため,最低限のエネルギーで蒸留を行うことができます。

初留ではウォッシュに含まれるアルコールの全量が抽出され,アルコール度数が20%強程度となったローワインを得ることができます。

−再留・ミドルカット−

続いてローワインは,前回蒸留時にカットされた前留・後留と共にスピリッツスチルへと投入され,再留が行われます。

再留によって得られるニューポットはスピリッツセイフと呼ばれる箱を経由し,その中でアルコール度数や含有成分の好ましくない蒸留初期・終期の蒸留液(前留・後留と言う)がカットされ,性質の優れた中間の本留のみが確保されます。

この作業はミドルカットと言い,後留のアルコール度数が1%となるまで継続されます。ローズアイルにおいて最終的に得られる本留はアルコール度数が約70%程度となり,樽詰めされるまではスピリッツレシーバーという容器に一時貯蔵されます。

次の工程は熟成になります!

↓工程の詳細な解説↓

熟成について

ポイント

ローズアイル蒸留所の熟成に関する情報はほとんど発見できませんでした。

現状シングルモルトのリリースがなく,全ての原酒がブレンデッドウイスキー専用とされていることから,スコットランド各地にあるディアジオの集中熟成庫にて熟成を行っているものと推察されます。

創業から10年以上が経過しているため,今後熟成の進捗の芳しい原酒が増加してきたタイミングでシングルモルトのリリースが始まる可能性が高いと思われ,そのブランディングの一環で熟成場所も公表される可能性があります。

↓工程の詳細な解説↓

ボトル一覧

ローズアイル蒸留所のモルトウイスキーが使用されたボトルを入手することは現状ほぼ不可能でしょう。
2017年にディアジオ傘下の蒸留所のモルトのみで構成されたブレンデッドモルトがリリースされていますが,その一部としては使用されていたようですね。

Collectivum XXVIII

出典:the whisky hub

ポイント

2017年にディアジオ傘下で稼働中の28蒸留所のモルト原酒がブレンドされたブレンデッドモルトになります。多数の個性的なモルト原酒が織りなす複雑かつ濃厚なフレーバーが魅力的なボトルです。

おそらくボトルで購入することは困難だと思いますので,バーなどで見かけた際には逃さずに飲んでおきましょう。

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参考資料

参考サイト:whisky.com / scotchwhisky.com / scotchwhisky.net / slowdrink.de / foodprocessing-technology.com