記事の概要
管理人によるボトルのレビューを通して、皆様にその魅力を伝える記事です。
今回は,宮城峡蒸留所限定の”構成原酒”シリーズから…
「宮城峡モルティ&ソフト」
当記事では,このボトルについて
などなど詳しく解説していきます!!
\\執筆者情報//
初谷(はつがい)
ウイスキーに関わるあらゆる情報をまとめ,「ウイスキーを知りながらより深く楽しめる記事」を発信しています。
【Shop】ウイスキー専門店『Drinkable books』
【経歴】東京都立大卒|元公務員・ネット酒屋開業
【資格】JWRC公認ウイスキーエキスパート|ウイスキー検定2級
【その他】バンド「Candid moment」のドラマー
各種SNSも運用中!
「構成原酒シリーズ」ってなに?
構成原酒シリーズの解説
『宮城峡構成原酒シリーズ』は宮城峡蒸留所のショップで限定販売されている,スタンダードなシングルモルト宮城峡を構成する,3タイプの個性的な原酒がボトリングされたシリーズになります。
この構成原酒シリーズは,かつては12年の年数が表記されたボトルとして販売されていましたが,現在は原酒不足の影響によってノンエイジとされています。
ラインナップの3種類は具体的に「シェリー&スイート」「フルーティ&リッチ」「モルティ&ソフト」と名付けられており,それぞれが同じ宮城峡でありながら,異なるベクトルの個性を発揮しているのが特徴です。
また,3本とも55%という高いアルコール度数でボトリングされていることから,それぞれの個性を力強くダイレクトに感じることができ,価格に負けない満足感をしっかりと付与してくれます。
ちなみに同じニッカウイスキー社の「余市蒸留所」からも同様のシリーズが販売されており,そちらは「シェリー&スイート」「ピーティ&ソルティ」「ウッディ&バニラ」の3種類のボトルがラインナップされています。
「宮城峡モルティ&ソフト」ボトルの特徴
\\ボトル外観//
\\ボトル諸元//
ボトル名 | 宮城峡モルティ&ソフト |
地域 | 日本,宮城県 |
種類 | シングルモルト |
原料 | モルト |
容量 | 180ml,500ml |
価格 | 2,500円,6,800円 |
度数 | 55% |
\\製法と特徴//
- 原料の大麦麦芽に由来した,ビスケットのような香ばしい穀物感を強く呈する原酒が使用されている
- 樽由来のウッディ感は控えめな原酒が選定されている
- アルコール度数55%のハイプルーフでボトリングされている
「宮城峡モルティ&ソフト」徹底レビュー!
まずレビューの項目について説明しておきます!
レビュー項目
- 色味
ウイスキーをグラスに注ぎ、目視にて色の濃さを5段階評価します
- 香り
香りについて私が感じ取った内容をまとめていきます
- 味わい
味わいについても私が感じ取った内容をまとめます
- 余韻
余韻の長さを5段階で評価します
さてさて、それでは早速「宮城峡モルティ&ソフト」をテイスティングレビューしていきます!
色味
色味は比較的薄めに見え,淡く輝くゴールドといったところでしょうか。
この色味に加えて,モルティ&ソフトというタイトルの通りに,控えめな樽感で原料穀物の風味が生かされているのであれば,熟成樽はリフィルバーボンなどでしょうか。
薄
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濃
▼
香り
香りの第一印象は「非常に爽やか」といった感じであり,青リンゴのようなライトなフルーティさや,青空の下に広がる草原のようなフレッシュさが強く感じられました。
その他にもタイトルの通りのモルティな麦系の香ばしさ,土気の混じった色鮮やかな花畑,僅かにスパイシー,うっすらとバニラやはちみつの甘さ,といった要素が感じられました。
アルコール度数が55%と非常に高めですが,香りにおいては若干の刺激が残る程度に抑えられており,宮城峡らしい華やかさをしっかりと感じることができました。個人的には構成原酒シリーズの中では一番好みですね。
↓感じ取れる香り↓
青リンゴ|青空|草原|土気|花畑|弱スパイシー|バニラ|はちみつ
▼
味わい
味わいの第一印象は「甘さ」であり,その要素はざらっとした感覚を覚えるモルティな穀物の甘みと,りんごに近い瑞々しいフルーティな甘さに感じられました。
しかし度数55%の力は伊達ではなく,許容できる範疇ではありましたが,甘さが通り過ぎると即座に荒々しい若さが出てきてしまいました。
高い度数に伴う刺激は多くの要素を隠し持っている裏付けでもあるため,その他に感じられる要素を探ると,穀倉のような土っぽさ,乾いた木のようなビター感,爽やかなハーブ感,ドライアプリコット,ショウガスパイスなどが感じられます。
↓感じ取れる風味↓
モルティ|りんご|穀倉の土気|乾いた木|ビター|爽やかハーブ|ドライアプリコット|ショウガスパイス
▼
余韻
余韻は比較的長めであり,喉を過ぎた直後は木のようなビター感やハーブのような香草感の主張が強く感じられますが,最終的にはドライアップルのような濃い甘さに収束していきました。
短
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長
「宮城峡モルティ&ソフト」飲み方について
さて、ここまではストレートにてボトルのレビューをしてきました。
そこで「宮城峡モルティ&ソフト」はどの飲み方が一番美味しいのでしょうか。王道の飲み方である「トゥワイスアップ・ロック・ハイボール」の3種類で比較してみましょう!
飲み方について深く掘り下げた記事も書いているのでご参考までにリンクを貼っておきます!
トゥワイスアップでは?
ポイント
「トゥワイスアップ」では,まず香りにおいては華やかさと甘さに強く特化し,ストレートで感じられた要素の良いところが掬い上げられたような印象があります。
次に味わいにおいては,感じられる要素に大きな変化は無いながらも,水との接触によってアルコールの刺激がかなり収まっているため,各要素を感じ取りやすくなりました。特に砂糖漬けドライアップルのような甘さは必見です。
トゥワイスアップであらためて感じたこのボトルの香味は,端的にいうとモルティ&フローラル&ハーブといった感じでしたね。せっかくの蒸留所限定のハイプルーフなボトルなので,まずストレートから徐々に加水をしつつ飲み進めていくと良いのでは無いでしょうか。
おすすめ度
1 2 3 4 5
▼
ロックでは?
ポイント
「ロック」では,香りにおいて不思議にも砂糖を塗したドライフルーツのような濃い甘みや,レーズンのような渋みが出てきました。モルティ感も僅かに残りますが,圧倒的にフルーティ系の甘さが主体の香りに変化しましたね。
次に味わいにおいては,第一にアルコールの刺激がかなり抑えられておりソフトな舌触りとなっています。感じられる要素の系統もやはり香りと同様で,モルティな影は残しつつも,ドライフルーツ系の濃い甘味が強く出てきています。
ストレートとは少しばかり印象を変えたように感じられましたが,これはこれでめっちゃ美味しいです。
おすすめ度
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▼
ハイボールでは?
ポイント
「ハイボール」では,香りにおいてラムネ菓子のような分かりやすい甘さや,ドライフルーツ系の華やかな甘さ,そして柑橘系のフレッシュさが感じられました。
次に味わいにおいては,ドライフルーツの甘さとレーズンの渋みが中心に感じられ,余韻にかけて強まる穀物とその倉庫の土っぽいドライな印象が前面に出てきます。
フレッシュな喉越しにドライな余韻,ハイボールとしては最高な2つの要素を併せ持っていましたが,ややビターさに偏っている様にも感じられますね。
おすすめ度
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「宮城峡モルティ&ソフト」総評
最後に総評に入りたいと思います!早速レーダーチャートと点数を発表します!
点数の理由と評価
「宮城峡モルティ&ソフト」の香りと味わいについては,タイトルの通りにモルティ系の穀物の印象を残しつつ,宮城峡らしいフルーティさも併せ持った華やかな印象でした。
高い度数とノンヴィンテージの若さからくる刺激感こそ,僅かにネガティブな要素となりましたが,ハイプルーフなボトルとして加水やロックでは圧巻の魅力を発揮してくれたと思います。
また他の構成原酒シリーズと比較をすると,このモルティ&ソフトが最もスタンダードなシングルモルト宮城峡との繋がりを感じさせてくれました。良くも悪くも宮城峡のベースといった感じです。
続いて初心者向けかどうかという視点でこのボトルを俯瞰してみると,決して適しているとは言えないように思います。なんといっても55%のハイプルーフ仕様は玄人には最高に嬉しいポイントですが,初心者にはいささか強烈でしょう。
とはいえ宮城峡の構成原酒シリーズの中では最もベースチックなテイストなので,お土産にはぴったり。加水やロックで少しづつ楽しむと良いでしょう。
最後に入手性とコスパについてですが,どちらについても蒸留所限定販売という点で特異的。蒸留所に行けばほぼ確実に入手できますが,その他に手に入れる標準的な術は無いでしょう。コスパについてもハイプルーフ×蒸留所限定のお土産ということを加味すれば全く問題ないと思います。
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レビューに使用した道具たち
グラス:グレンケアン
ジガーカップ:JOYONEというメーカーのものをAmazonで購入して使っています。
正直計りたい分量が計れるものであれば何でもいいと思います!