記事の概要
管理人によるボトルのレビューを通して、皆様にその魅力を伝える記事です。
今回は…
「ニッカシングルカフェグレーン・ウッディ&メロウ」
当記事では,このボトルについて
などなど詳しく解説していきます!!
\\執筆者情報//
初谷(はつがい)
ウイスキーに関わるあらゆる情報をまとめ,「ウイスキーを知りながらより深く楽しめる記事」を発信しています。
【Shop】ウイスキー専門店『Drinkable books』
【経歴】東京都立大卒|元公務員・ネット酒屋開業
【資格】JWRC公認ウイスキーエキスパート|ウイスキー検定2級
【その他】バンド「Candid moment」のドラマー
各種SNSも運用中!
「ニッカカフェグレーン」ってなに?
ニッカカフェグレーンの解説
ニッカウイスキー社(アサヒビール傘下)が所有する宮城峡蒸留所には,カフェ式連続式蒸留器が設置されています。
このカフェスチルは1830年にスコットランドでイーニアス・コフィー氏が発明した代物でしたが,ニッカ社がこれを導入したのはそこから1世紀以上後の1960年代のことで,当時はすでに旧式という扱いでした。
しかし旧式であるが故に,新型が生み出すタンパクで主張の少ないグレーンウイスキーとは異なり,穀物の甘い香りやクリーミーな香味の元となる雑味成分を残すことができ,その可能性に目をつけたニッカ社は敢えてこれを採用していました。
ニッカのカフェグレーンは,カフェスチルの生産効率の悪さ,操作に必要な複雑な技術等の壁を乗り越えて生み出され,「香味が豊かなグレーン原酒」として普段は同社のブレンデッドウイスキーを支える重要な役目を果たしています。
「ウッディ&メロウ」ボトルの特徴
\\ボトル外観//
\\ボトル諸元//
ボトル名 | ニッカシングルカフェグレーン ウッディ&メロウ |
地域 | 日本,仙台 |
蒸留所 | 宮城峡蒸留所 |
種類 | シングルカフェグレーン |
原料 | グレーン,モルト |
容量 | 180ml,500ml |
度数 | 55% |
\\製法と特徴//
- モルト以外の穀物を主原料としたグレーンウイスキー
▶︎穀物様の甘さやバーボンに近いエステリーな風味が得られる - 旧型カフェスチルで蒸留
▶︎最新設備よりも非効率だが,多彩な香味の元となる成分を多く残留させることができる
「ウッディ&メロウ」徹底レビュー!
まずレビューの項目について説明しておきます!
レビュー項目
- 色味
ウイスキーをグラスに注ぎ、目視にて色の濃さを5段階評価します
- 香り
香りについて私が感じ取った内容をまとめていきます
- 味わい
味わいについても私が感じ取った内容をまとめます
- 余韻
余韻の長さを5段階で評価します
さてさて、それでは早速「ニッカシングルカフェグレーン・ウッディ&メロウ」をテイスティングレビューしていきます!
色味
色味は比較的薄めであり,淡い金色といった感じです。ウッディ(木)&メロウ(円熟)というタイトルに対しては薄めの色味であるように思いますが,味わいに期待ですね。
薄
1 2 3 4 5
濃
▼
香り
香りの第一印象は,香ばしく甘い圧巻の穀物感と,バニラやカスタードクリームのような濃厚なクリーミー系の甘さでした。これら2つの要素の一段下に,溶剤系のエステリーな華やかさが感じられますね。
やはりアルコール度数が55%と高めのため,刺激的なアルコール感もツンと来てしまう点が若干ネガティブです。
その他に感じられる要素としては,ジャックダニエルに近いメロン系のフルーティ感,蜂蜜から派生してメープルシロップの甘さ,ウッディ感とバニラから香ばしいウエハースなどが挙げられます。
個人的にシングルグレーンが好きなのもありますが,穀物様の甘さを主体とした軽やかな香りが最高です。
↓感じ取れる香り↓
香ばしい穀物感|バニラ|カスタード|エステリー|メロン|メープルシロップ|ウッディ|ウエハース
▼
味わい
味わいの第一印象は,メープルシロップのようなギュッと詰まった濃い甘さと,キャラメルやカスタードクリームのようなクリーミー系の甘さでした。思っていたよりもアルコールの刺激が強くなく,甘さダイレクトのド直球な美味しさです。
その他に感じられる要素としては,やはりジャックダニエル系のメロンフルーツ感,円熟したマイルドなウッディネス,ウエハース,胡椒系のヒリつくスパイシー,エステリーな溶剤感などが挙げられます。
どちらかと言えばクリーミー系の甘さに特化していながら,風紀を乱す要素がほとんどないため,バランスは非常に良いように思います。単純にこれはめっちゃ好みでした。
↓感じ取れる風味↓
メープルシロップ|キャラメル|カスタードクリーム|メロン|ウッディ|ウエハース|スパイシー|エステリー
▼
余韻
余韻に残る要素は大きく3つ感じられ,キャラメルのような甘さ,ウッディな香ばしいビター感,そして溶剤系のエステリー感でした。その長さは中程度ですが,ビター&スイートのバランスが非常に心地よかったです。
短
1 2 3 4 5
長
「ウッディ&メロウ」飲み方について
さて、ここまではストレートにてボトルのレビューをしてきました。
そこで「ニッカシングルカフェグレーン・ウッディ&メロウ」はどの飲み方が一番美味しいのでしょうか。王道の飲み方である「トゥワイスアップ・ロック・ハイボール」の3種類で比較してみましょう!
飲み方について深く掘り下げた記事も書いているのでご参考までにリンクを貼っておきます!
トゥワイスアップでは?
ポイント
「トゥワイスアップ」の香りにおいては,溶剤っぽいエステリーな甘さと,香ばしいクッキーの甘さ,そして僅かに柑橘系のフレッシュな爽快さを感じることができました。
続いて味わいでは舌先に触れた瞬間から圧巻の甘さを感じることができ,モルティ&ウッディな香ばしい系の甘さを経由し,まさにミルクキャラメルとしか形容し難い濃厚な甘さに到達しました。
加水によって潜在していた甘さが全て引き出された様な印象があり,アルコール刺激も柔和になっていることから,このトゥワイスアップを多くの人におすすめしたいところですね。
おすすめ度
1 2 3 4 5
▼
ロックでは?
ポイント
「ロック」では香りにおいて,ジャックダニエルを思わせるメロン系のフルーティ感や,メープルシロップのような蜜系の濃い甘さを感じることができました。穀物系の要素は収まり,エステリー感は僅かに残っています。
続いて味わいは非常に柔らかく,どこか力が抜ける様な安心感があります。香りで感じられた要素は味わいでも健在ですが,さらにまろやかなホワイトチョコレートのような甘さと,円熟感を孕んだウッディなビターさがプラスで感じられます。
ややアルコール感も感じられましたが,ロックでは総じてアメリカンウイスキーに近い印象があり,バーボンを好む方には最もおすすめな飲み方と言えそうです。
おすすめ度
1 2 3 4 5
▼
ハイボールでは?
ポイント
「ハイボール」では,香りにおいて穀物系のモルティな甘さと,ビターなウッディ感が炭酸とともに漂ってきました。グレーンではありますが炭酸に埋もれてしまっているような印象はありませんね。カフェスチルの力でしょうか。
次に味わいでは,溶剤系のエステリー感が比較的強く,それに準じてクリーミーで柔和なバニラ感,柑橘の皮のようなビターさなども感じられます。クリーミー感がやや爽快感を損なっている気もしますが,味わいが大きくは崩れていないので,十分に満足感を得ることができそうです。
おすすめ度
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「ウッディ&メロウ」総評
最後に総評に入りたいと思います!早速レーダーチャートと点数の発表です!
点数の理由と評価
まず「ニッカシングルカフェグレーン・ウッディ&メロウ」の香りと味わいについては,普通のグレーンウイスキー+αといった印象が強く,グレーンらしい飲みやすい穀物様のテイストからバニラやキャラメルのような分かりやすい甘さなどまで多彩な要素を感じることができました。
また飲み方によってはバーボンウイスキーやテネシーのジャックダニエルのような風味も感じることができ,その点においては,普段からアメリカンウイスキーを好む人にとっても受け入れられやすい強みになりそうだと感じていました。
初心者向けかどうかという観点では,蒸留所限定ボトルというのが際どいところですが,決して飲みづらいテイストというわけではないので,ニッカ系のウイスキーに興味を持っている方であれば経験として挑戦する価値が多いにあると思います。
最後にコスパと入手性については,先述の通り蒸留所限定販売のボトルのため,現地に行けばほぼ確実に適正価格で入手ができるでしょう。価格については容量に対して割高である様に感じられますが,お土産&ハイプルーフというところを見れば,十分にコスパ良好であると思いますね。
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レビューに使用した道具たち
グラス:グレンケアン
ジガーカップ:JOYONEというメーカーのものをAmazonで購入して使っています。
正直計りたい分量が計れるものであれば何でもいいと思います!