【レビュー】ジ・オブザーバトリー20年シングルグレーン|100点満点評価・おすすめの飲み方|ウイスキーラウンドアップ

記事の概要

管理人によるボトルのレビューを通して、皆様にその魅力を伝える記事です。

今回は…
ジ・オブザーバトリー20年シングルグレーン

当記事では,このボトルについて

などなど詳しく解説していきます!!

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サケネット
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\\執筆者情報//

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初谷(はつがい)

ウイスキーに関わるあらゆる情報をまとめ,「ウイスキーを知りながらより深く楽しめる記事」を発信しています。
【Shop】The whisky shop Drinkable books
【経歴】東京都立大卒|元公務員・ネット酒屋開業
【資格】JWRC公認ウイスキーエキスパート|ウイスキー検定2級
【その他】バンド「Candid moment」のドラマー

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「ジ・オブザーバトリー20年」ボトルの特徴

ボトルの解説

ジ・オブザーバトリー20年」は,スコットランドで生産された20年以上の熟成を経たグレーン原酒がボトリングされているシングルグレーンウイスキーになります。

 ネットに見られるこのボトルの情報は,国内外問わずかなり希薄ですが,バーボン樽で20年以上熟成されたマクダフ蒸留所の原酒を,デュワーズが誇る7代目マスターブレンダー「ステファニー・マクラウド女史」が手がけたという内容が散見されました。

 中身のウイスキーについて,ラベル及び化粧箱から読み取れる情報として確実なのは「20年熟成のシングルグレーン|ステファニー氏の作品|2018年ボトリング」であるということのみですね。

 またこの「Observatory signature series(天文台シグネチャーシリーズ)」では,スコットランドの海岸線に多く見られ,各々が各々のミステリーを持った灯台や天文台をタイトルに掲げ,特別に熟成されたウイスキーをマクラウド女史が明らかにするというテーマ性を有しています。

\\ボトル外観//

\\ボトル諸元//

ボトル名ジ・オブザーバトリー20年
地域スコットランド
種類シングルグレーン
原料グレーン・モルト
容量700ml
度数40%

\\製法と特徴//

  • バーボン樽原酒を使用
    ▶︎バニラやはちみつのようなクリーミーな甘さを多く獲得している
  • 20年という長期の熟成期間を経験
    ▶︎ウイスキーが穏やかかつ滑らかな円熟感を獲得し,類い稀な飲みやすさを誇る
  • マクラウド女史がブレンド
    ▶︎世界的人気ブランド「デュワーズ」のマスターブレンダーの確かな実力が惜しみなく振るわれた一本である

「ジ・オブザーバトリー20年」徹底レビュー!

まずレビューの項目について説明しておきます!

レビュー項目

  • 色味

ウイスキーをグラスに注ぎ、目視にて色の濃さを5段階評価します

  • 香り

香りについて私が感じ取った内容をまとめていきます

  • 味わい

味わいについても私が感じ取った内容をまとめます

  • 余韻

余韻の長さを5段階で評価します

さてさて、それでは早速「ジ・オブザーバトリー20年」をテイスティングレビューしていきます!

色味

 色味はほのかに濃さを感じる鮮やかなゴールドといった感じですね。バーボン樽で20年熟成というスペックと照らし合わせてもしっくり来ます。また粘っこさもあまり感じないことから,おとなしいテイストが予想されますね。楽しみです。

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香り

 香りの第一印象は,グレーンらしい溶剤系のエステリー感と,トーストを思わせる穀物系のモルティな甘さが感じられます。20年熟成だけあって,アルコールの刺激はあまり感じられず,甘くマイルドな優しい印象が先行しています。

 その他に感じられる要素としては,ホワイトチョコレート,レモンの効いたチーズケーキ,マシュマロ,ややスパイシー,バニラと蜂蜜などが挙げられます。

 グレーンウイスキーは主張の少ないお酒という意味でサイレントスピリッツと呼ばれることもありますが,このボトルはグレーンらしさと華やかな香り高さを持ち合わせています。とてもいい香りでした。

↓感じ取れる香り↓

溶剤エステリー|トースト|モルティ|ホワイトチョコ|レモンチーズケーキ|マシュマロ|スパイシー|バニラ|蜂蜜

味わい

 味わいは驚くほどに軽やかで,アルコールの刺激もほとんどないことから,第一印象はまるで香りのついた水のようでした。
 しかし喉を過ぎる頃から徐々に多彩なテイストを感じることができ,フレッシュなオーク,ダークチョコレート,焼いたパンの香ばしい甘さ,エステリーな華やかさ,クリーミーで繊細なバニラ,シトラスの柑橘感など多層的です。

 もちろん数あるモルトウイスキーと比較すると,個性的な主張やインパクトは弱めですが,甘さ主体の飲みやすさには目を見張るものがあり,ネガティブな要素はほぼありません。

 加水に耐えうるボディは持ち合わせていなそうですが,ストレートやロックで気軽に飲めるデザート的なボトルを求めている方には最適な選択肢の一つになりうるでしょう。

↓感じ取れる風味↓

フレッシュなオーク|ダークチョコ|焼いたパン|香ばしいモルティ|エステリー|バニラ|シトラス

余韻

余韻に残る要素は,華やかなエステリー系の溶剤感と,焦がしたオークの香ばしいビターさでした。キレは比較的早く,すっきりとしたドライな余韻でした。

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「ジ・オブザーバトリー20年」飲み方について

さて、ここまではストレートにてボトルのレビューをしてきました。

そこで「ジ・オブザーバトリー20年」はどの飲み方が一番美味しいのでしょうか。王道の飲み方である「トゥワイスアップ・ロック・ハイボール」の3種類で比較してみましょう!

飲み方について深く掘り下げた記事も書いているのでご参考までにリンクを貼っておきます!

トゥワイスアップでは?

ポイント

 加水では,まず香りにおいてエステリーな溶剤系のテイスト柑橘系のフルーティ感が前面に強く出てきました。
 また味わいでは,ストレートの時点から水っぽい舌触りであったこともあり,よりすっきりとした印象が強化されています。しかし喉を通った後に返ってくる香味が比較的強く,これはバニラのようなクリーミーで濃厚な甘さに感じられます。

 当たり前に余韻のキレはかなり早いですが,甘くフルーティで飲みやすいテイストが助長されているので,気軽さという点ではトゥワイスアップもいいですね。

おすすめ度

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ロックでは?

ポイント

 ロックでは蜂蜜系のナチュラルな甘さやほのかな胡椒っぽいスパイス感,そして新たにメロンのようなフルーティさが感じられるようになりました。
 喉を過ぎてから残る余韻はビター&スパイシーな印象が強く,よりキレを増したタンパクな感覚を覚えます。冷やしたことにより収まってしまった香味も多いので,ロックが最適とは言えなそうですね。

おすすめ度

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ハイボールでは?

ポイント

 ハイボールでは,香りにおいて柑橘系の酸味感と,ほのかな甘味を呈する香ばしいモルティ感が感じられます。
 味わいには柑橘感とウッディネス,そしてハーブの様なスッキリ感が感じられ,後味にはミルクキャラメル感が出てきます。

 40%のグレーンウイスキーというところからも,やや満足感に欠ける印象がありましたが,ドライな風味のハイボールとして意外な適正を見せてくれました。少し濃いめで作るととても美味しいでしょう。

おすすめ度

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「ジ・オブザーバトリー20年」総評

最後に総評に入りたいと思います!まずは点数とレーダーチャートから!

点数の理由と評価

 まず「ジ・オブザーバトリー20年」の香りと味わいについては,20年熟成のグレーンウイスキーということで「飲みやすさの塊」といった印象でした
 繊細な甘さを多彩に感じることができますが,どれも主張は強くなく,穏やかな気持ちでライトに飲める,さながらカロリーオフのデザートのようなウイスキーであると言えるでしょう。

 初心者向けかどうかという観点で見ると,飲みやすく軽やかで甘い味わいは初心者に適していると考えられますが,あまりにもマイナーなボトルというところが懸念点。ウイスキーを楽しむことを考えれば,メジャーなウイスキーをその背景とともに楽しんでいく方がいいような気がしてしまいました。

 最後にコスパと入手性については,いくらグレーンとはいっても20年熟成のウイスキーがこの価格で手に入るのはかなり嬉しいところ。味わいも十分に楽しめるものであったことからコスパは良いと言えるでしょう。
 入手性については現状通販でも十分に見つかりますが,通年販売されているボトルではないので,いずれは市場から姿を消してしまうものと考えられます。興味を持ったら買っておいた方がベターですね。

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レビューに使用した道具たち

グラス:グレンケアン

ジガーカップ:JOYONEというメーカーのものをAmazonで購入して使っています。
正直計りたい分量が計れるものであれば何でもいいと思います!