【特集】リンクウッド蒸留所|場所・歴史・製法・ボトルの種類と味わい|ウイスキーラウンドアップ

記事の概要

世界中の蒸留所図鑑完成を目標としたシリーズです。

今回は「リンクウッド蒸留所」になります!

Points!
「立地・歴史・伝統的な製法・オフィシャルボトルの簡単な解説」

キーワード

花と動物|白鳥|ディアジオ|ジョニーウォーカー

リンクウッドの特徴

ノンピート&ピーテッド|甘くフルーティ|弱サルファリー|蜂蜜とバニラ

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リンクウッド
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初谷(はつがい)

ウイスキーに関わるあらゆる情報をまとめ,「ウイスキーを知りながらより深く楽しめる記事」を発信しています。
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【経歴】東京都立大卒|元公務員・ネット酒屋開業
【資格】JWRC公認ウイスキーエキスパート|ウイスキー検定2級
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リンクウッド蒸留所

リンクウッド蒸留所の立地と概要・歴史・製法についてまとめていきます。

蒸留所諸元

創業年1821年
所有会社ディアジオ社
地域分類スコットランド
スペイサイド,エルギン地区
年間生産量560万リットル
発酵槽カラ松製11基
ポットスチル初留3基・再留3基
仕込み水ミルビュイズ湖近くの泉
ブレンド先ジョニーウォーカー,ホワイトホースなど

「リンクウッド蒸留所」蒸留所の立地と概要

出典:whisky.com

ポイント

 リンクウッド蒸留所はスコットランドのスペイサイド地方,エルギン地区に所在しています。
 蒸留所の建つエルギンの街はスペイ川の河口部から西に約10kmの距離にあり,歴史上からウイスキー作りや羊毛産業で発展してきた街。そして今なお10以上の蒸留所がウイスキーの生産を行うウイスキー激戦区になります。

 リンクウッド蒸留所の創業は1821年とされており,かなり歴史の長い蒸留所ですが,創業当初の蒸留棟は既に使用されておらず,現在稼働しているのは1971年の改修工事で建てられた新たな蒸留棟となっています。
 そして生産されるウイスキーは,主にジョニーウォーカーなどのディアジオ社のブレンデッドウイスキー用とされており,シングルモルトの公式リリースは”花と動物シリーズ”の1本のみになります。

 ちなみにリンクウッドという名称は,現在の蒸留所付近にかつて存在していた貴族の邸宅の名前から命名されたと言われています。

「リンクウッド蒸留所」蒸留所の歴史

リンクウッド蒸留所の歴史を下表のとおり整理しました!

西暦年内容
1821年ピーター・ブラウン氏によってリンクウッド蒸留所が創業される
1824年ウイスキーの生産が開始される
1868年ピーター氏が亡くなる
蒸留所は子息のウィリアム氏に引き継がれる
1874年当初の蒸留所が取り壊され,新たに再建される
1897年蒸留所の管理を執り行うために,リンクウッド・グレンリベットディスティラリー社が創設される
1932年蒸留所がスコティッシュ・モルト・ディスティラリーSMD社に引き継がれる
1936年SMD社が合併によってDCL社となる
1972年蒸留所の大改修工事が実施される
それに伴って古い蒸留所(リンクウッドA)の向かい側に新たな蒸留所(リンクウッドB)が建設される
1985年リンクウッドAが閉鎖される
1986年DCL社が合併によってUD社となる
1990年リンクウッドAでの生産が僅かながらも再開される
1996年リンクウッドAが完全に閉鎖される
1997年UD社が合併によってディアジオ社となる
2012年蒸留所のアップグレードが実施される
新たな2基のポットスチル,6つの新しいウォッシュバックが追加されている

リンクウッドに纏わるストーリー

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「リンクウッド蒸留所」製法の特徴

  • 年間生産量
    560万リットル
  • 仕込み水
    ミルビュイズ湖近くの泉
  • モルトスター
    ディアジオ社内
  • ピーテッドレベル
    ピーテッド・ノンピート
  • マッシュタン材質
    ステンレス製フルロイター
  • マッシュタン容量
    1バッチ12.5トン
  • ウォッシュバック
    カラ松製11基
  • 酵母
    クリーム状
  • ウォッシュバック容量
    57,000L
  • 発酵時間
    75時間
  • スチル加熱方式
    蒸気間接加熱
  • ポットスチル(初留)
    ストレート型3基
  • ウォッシュスチル容量
    15,000L
  • ポットスチル(再留)
    ストレート型3基
  • スピリッツスチル容量
    17,000L
  • コンデンサー
    シェル&チューブ
  • 本留の度数
    65〜68%
  • ウェアハウス形式
    ダンネージ式,ラック式

製麦について

出典:whisky.com

ポイント

 リンクウッド蒸留所では,現在自社製麦が行われておらず,原料の大麦は製麦を専門に営むディアジオ社内の製麦部門から仕入れています。

 またピーテッドレベルについては,スペイサイドらしいノンピートタイプのものと,用途に合わせたピーテッドタイプのものまで,柔軟な設定が設けられています。

 用意された原料のモルトはポルテウス社製のローラー式モルトミルで粉砕し,グリストとされます。
 一般的にグリストはその粒径によってハスク(粗)・グリッツ(中)・フラワー(細)に分類され,それぞれの構成比は通常「2:7:1」程度とされます。

次の工程は糖化になります!

↓工程の詳細な解説↓

糖化について

出典:whisky.com

ポイント

 リンクウッド蒸留所では仕込み水として,ミルビュイズ湖周辺の泉の水を採用しています。
 マッシュタンは1バッチあたり12.5トンのグリスト容量を誇る,巨大なステンレス製のフルロイタータンになります。

ここが特徴!

  • スパージングするお湯の温度は,68℃→76℃→86℃と徐々に上げながら注がれている

次の工程は発酵になります!

↓工程の詳細な解説↓

発酵について

出典:whisky.com

ポイント

 リンクウッド蒸留所には,容量57,000リットルでカラ松製のウォッシュバックが合計11基設置されています。
 ウォッシュバックの置かれているタンルームは,2013年の増築工事によって2部屋に分かれており,タンルームNo.1には5基,タンルームNo.2には6基のウォッシュバックが配置されています。

 発酵に使用される酵母はリキッド状のディスティラーズイーストであり,ウォッシュバック1基につき205リットルが添加されています。また発酵時間については75時間とやや長めに設定されています。

ここが特徴!

  • 木製ウォッシュバックでは常在細菌の影響が生じるため,維持管理性に乏しいが,その環境に特有な唯一の香味が養われる。
  • 長めの発酵時間ではウォッシュが乳酸発酵の影響を受けるため,リンクウッドのウイスキーには草や花のようなフローラルな香味が養われていると考えられます。

次の工程は蒸留になります!

↓工程の詳細な解説↓

蒸留について

出典:whisky.com

ポイント

 リンクウッド蒸留所には容量15,000リットルのウォッシュスチルが3基,容量17,000リットルのスピリッツスチルが3基設置されています。

 形状は全てストレート型であり,加熱方式は蒸気による間接加熱方式
 コンデンサーについては,現在の蒸留棟に元から置かれている2対4基はシェル&チューブ方式,2012年に新たに増設された1対2基は伝統的なワームタブ方式が採用されています。

ここが特徴!

  • ストレート型のポットスチルでは蒸気の環流が生じにくいため,比較的重く複雑な香味を呈する蒸気を多く確保しやすい。
  • シェル&チューブ式とワームタブ式では,後者の方が液化したニューポットが銅に触れる面積・時間が多いため,不快な香味の除去が進行しやすい。

次の工程は熟成になります!

↓工程の詳細な解説↓

熟成について

ポイント

 リンクウッド蒸留所の敷地内には,伝統的なダンネージ式のウェアハウスと,近代的で貯蔵容量に優れたラック式のウェアハウスが併設されています。

 熟成におもに使用される樽は,一般的なアメリカンオークのバーボン樽や,スペインのワイン生産者から仕入れたスパニッシュオークのシェリー樽とされています。

  蒸留によって得られたニューポットを加水によってアルコール度数63.5%に調整したのちに樽詰めされ,ウェアハウスにて長い時間を眠ることとなります。

↓工程の詳細な解説↓

オフィシャルボトル一覧

リンクウッド蒸留所のオフィシャルボトルを紹介していきます!

花と動物
リンクウッド12年

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リンクウッド
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ポイント

リンクウッド12年』は旧UD社の時代から続く,ディアジオの”花と動物シリーズ”からリリースされる,当蒸留所の最もスタンダードなオフィシャルシングルモルトになります。
 リンクウッドのウイスキーは,その生産量のほぼ全てがブレンド用とされているため,シングルモルトとして嗜むにはこのボトルを購入するか,ボトラーリリースを探す必要があります。

 同シリーズは各蒸留所に関連した動植物がラベルに描かれることで知られていますが,リンクウッドのラベルには,冷却用の水を湛える貯水池に毎年来訪する白鳥が描かれています。

 原酒の樽構成などは不明ですが,柑橘や若いりんごのようなフルーティ感をベースとし,ほのかにサルファリーやスモーキーが香る,美麗ながらも独特な個性をもったテイストが魅力の一本になります。

Tasting Note

  • 香り

サルファリー|バニラ|甘く華やかな柑橘|薄らとピートスモーク|無機質なフローラル感

  • 味わい

ドライフルーツの濃い甘み|バニラ|ホワイトチョコとオレンジ|ドライな穀物感|自然の蜂蜜|優しくピートスモーク

  • 余韻

土っぽさがある|ざらっとした穀物感|優しいピートスモーク

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参考資料

参考サイト:whisky.comscotchwhisky.comdistilando.commalt-whisky-madness.com