【レビュー】クライヌリッシュ14年|香り・味わい・100点満点評価|ウイスキーラウンドアップ

記事の概要

管理人によるボトルのレビューを通して、皆様にその魅力を伝える記事です。

今回は…
クライヌリッシュ14年

当記事では,このボトルについて

などなど詳しく解説していきます!!

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Clynelish(クライヌリッシュ)
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\\執筆者情報//

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初谷(はつがい)

ウイスキーに関わるあらゆる情報をまとめ,「ウイスキーを知りながらより深く楽しめる記事」を発信しています。
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【経歴】東京都立大卒|元公務員・ネット酒屋開業
【資格】JWRC公認ウイスキーエキスパート|ウイスキー検定2級
【その他】バンド「Candid moment」のドラマー

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「クライヌリッシュ」ってなに?

クライヌリッシュの解説

  • 蒸留所の概要

クライヌリッシュ』は,スコットランドの北ハイランド地方,ブローラの街に所在するクライヌリッシュ蒸留所が手がける,シングルモルトウイスキーの名称になります。

 蒸留所の周辺環境は起伏に富んだ地形,そして海に程近いことが知られており,そこで生み出されるクライヌリッシュのウイスキーも力強い沿岸の個性を持っている点を特徴としています。

 このクライヌリッシュ蒸留所は1819年創業とされていますが,創業当初の建物は1969年に「クライヌリッシュB→ブローラ」と順々に改名されており,1983年に閉鎖。そして2021年に再びブローラとして稼働をはじめたことで話題を呼びました。
 対する現在のクライヌリッシュ蒸留所の建物は,1967年に創業当初の蒸留所の横に新しく建てられたものであり,そこから現在までは継続的にウイスキーの生産がなされています。

 ちなみに蒸留所の創業に携わったのは”サザーランド家”というハイランド地方の貴族の家系の人物でしたが,現在のボトルラベルにはサザーランド家の副紋章であるヤマネコが描かれています。

  • ウイスキーの製造

 クライヌリッシュ蒸留所の製法についても簡単に言及しておくと,原料はスコットランド有数の大麦産地ブラックアイルで取れたロリエット種を中心に採用し,ピーテッドレベルはノンピートタイプ
 仕込み水はクラインミルトン川で,酵母はケリー社製でリキッドタイプのディスティラーズ酵母とされています。

 ポットスチルは比較的大きめなバルジ型のもので,初留よりも再留の方が大きい点が特徴的。
 また再留時に取り除かれたヘッドとテールは,独自のタンクに送られて貯蔵・再利用されており,貯蔵時に生じる沈殿物の影響によってクライヌリッシュの独特なワクシー感が得られていると考えられています。

「クラインリッシュ14年」ボトルの特徴

\\ボトル外観//

\\ボトル諸元//

ボトル名クライヌリッシュ14年
地域スコットランド,北ハイランド
種類シングルモルトウイスキー
原料モルト
容量700ml
度数46%

\\製法と特徴//

  • ハイランドの沿岸沿いで作られている
    ▶︎ほのかな煙たさや,潮風のような荒さが原酒に付与されている
  • 蒸留に際して,再留の廃液を貯蔵・再利用している
    ▶︎沈殿物を含んだ廃液を再度蒸留することにより,独特なワックス様のテクスチャが得られている
  • ノンピート麦芽を原料としている
    ▶︎個性的なテイストは環境要因によるもので,その根本的なテイストは甘く華やかでフルーティなものである

「クライヌリッシュ14年」テイスティングレビュー

さてさて、それでは早速「クライヌリッシュ14年」をテイスティングレビューしていきます!

色味

 『クライヌリッシュ14年』の色味については,わりかし濃い目に見え,暖かい暖色を感じさせる,あっさりとした琥珀色といった印象を受けます。
 客観的な指標としてwhiskys.co.ukの色見本に準えて評価すると,”Chestnutploroso Sherry”から”Russetmuscat”くらいであると言えるでしょう。

香り

  • 第一印象

潮×モルティ,濃密な柑橘エキス,ほのかなスモーク感
アルコールの刺激は度数相応程度で目立たない

  • 経時変化で見える要素

クリーミーな塩バニラ,フローラルな蜂蜜,ドライフルーツ,僅かにスパイシー

筆者の一言

香りはノンピート麦芽らしい甘さや華やかさ+環境由来の沿岸の個性といった感じ。
ダイレクトな潮風感が非常に心地よく,個性的ながらも引き込まれるような魅力を感じます…!

味わい

  • 第一印象

吹き荒ぶ潮風とスモーク,マイルドなモルティ,滑らかな柑橘感
アルコール感は丸みを帯びていてあまり目立たない

  • 経時変化で見える要素

フルーティなキャラメル,フローラルな蜂蜜,レーズン,胡椒スパイス

  • 余韻に残る要素

ほのかに潮っぽいスモーク感,バニラの様な舌に残る甘さ

筆者の一言

味わいは沿岸らしい潮風とほのかなスモーク感が個性的ながら美味。
深く探れば数多の華やかさが感じられ,どこか紅葉の終わりかけのような哀愁漂う雰囲気を連想させる。
間違いなく唯一無二の魅惑的な味わいでした!

「クライヌリッシュ14年」総評

最後に総評に入りたいと思います!まずはレーダーチャートから!

さてさて、気になる点数は…

点数の理由と評価

  • 香り:/5|味わい:/5

クライヌリッシュ14年』の香りと味わいについては,ノンピートスタイルの北ハイランドモルトらしい華やかかつフルーティな印象に加えて,蒸留所の立地に由来した沿岸らしい潮風とスモーク感を持った,唯一無二の個性派といった感じでした。

 第一印象には比較的強めの潮風&スモークを感じますが,背景には多彩な華やかさが見受けられ,飲めば飲むほど深く引き摺り込まれる底なし沼のようなウイスキーですね。

 アルコールの刺激がうまく処理されていることから,まずはストレートで飲むことを是非ともオススメしたいですが,ロックやハイボールにするとまた違った一面をが感じられるので,総じて幅広い楽しみ方をすることができる満足感の高いウイスキーと評することができるでしょう。

  • 初心者向け度:/5

 続いて初心者向けか否かという観点で『クライヌリッシュ14年』を見ると,決して最適ではないと言えてしまうでしょう。

 というのも第一印象に来る潮風やスモーキー感が比較的強いため,初心者の段階でこれを飲んでしまうと,背景の甘さやフルーティさなどとのコントラストを感じる前にネガティブなイメージを抱いてしまう可能性が考えられます。
 とはいえ非常にメジャーかつコアな人気を誇る至高の銘柄であることは間違いないので,ある程度ウイスキーに慣れていれば十分に飲んでみる価値があるものと思います。

  • 入手性:/5|コスパ:/5

 最後に『クライヌリッシュ14年』のコスパと入手性については,どちらもかなり優れていると言うことができるでしょう。

 クライヌリッシュ蒸留所が生産するウイスキーはその多くがブレンド用とされていますが,シングルモルトのラインナップはこの1本のみであるため,生産本数が少ないと言うわけでは無いように思われます。
 よって店頭・通販ともに継続的に見つけることができるため,入手性に難儀することはあまりないでしょう。

 また価格帯についても,14年熟成としては相応の設定となっているため,個性的な唯一無二の味わいを感じることができるウイスキーをこの価格帯で買うことができると考えれば,かなりコスパに優れていると評価できるでしょう。

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レビューに使用した道具たち

グラス:グレンケアン

ジガーカップ:JOYONEというメーカーのものをAmazonで購入して使っています。
正直計りたい分量が計れるものであれば何でもいいと思います!