「ロイヤルサルート21年」という名称は，1953年の英国女王エリザベスⅡ世の戴冠式の際に放たれた21回の皇礼砲”ロイヤルサルート”を由来としており，21年以上の長期熟成を経た希少な原酒を糧とした最高級のブレンデッドスコッチウイスキーになります。

　ブランドを手がけるのは業界大手のペルノリカール社傘下のシーバスリーガル社であり，キーモルトはストラスアイラを始めとした同社所有のグレンキースやグレンリベットなど，スペイサイドで作られる華やかなシングルモルトを贅沢にも採用しています。

　ロイヤルサルート最大の特徴である陶製容器は，18世紀後半頃に高価な酒を入れる容器として広く採用されていた”フラゴン”と呼ばれるものであり，英国のウェイドセラミック社製の優れもの。ボトルに描かれた騎士の紋様は，14世紀に勃発したバノックバーンの戦いでイングランドを打ち負かした「ロバート・ブルース」を表しているとのこと。

　数あるブレンデッドウイスキーの中でも類稀な存在感を誇るラグジュアリーながら飲みやすいテイスト，そして豪華絢爛な化粧箱とボトル。間違いなくギフトとしても最高クラスに鎮座する逸品です。

こんな人におすすめ！
ウイスキーのライトユーザー｜好みが不鮮明｜外れない安牌を選びたい｜甘い・フルーティが好き｜ちょっと年上

「ジャックダニエル・ゴールド」に使用される原酒は，ジャックダニエルもといテネシーウイスキーの特徴である”チャコールメロウイング製法”を2回施し，通常のホワイトオーク樽での熟成の後にシュガーメイプルウッドの樽で2度目の熟成を経ることで完成しています。

　これらは端的に言うと，通常のジャックダニエル・ブラックと比較して2倍の手間をかけて製造されていることを表しており，ブラックのラベルには”Old No.7”と書かれているのに対し，ゴールドには”Old No.27”と記載されています。

　もちろん味わいもブラックから正統な進化を重ねており，ジャックダニエルらしさは損なわずとも，製造の手間に比例するように，味わいはより滑らかに飲みやすく，そしてより一層深い濃密な甘みが獲得されています。

　テイストの完成度の高さも去ることながら，ボトルはジャックダニエルらしいスクエア感と，すらりとした背の高さからくる存在感を両立し，ゴールドに輝く化粧箱とラベルが醸し出すオーラは明らかに只者ではありません。間違いなく贈答品として必要なすべての要素を兼ね備えた魅力的な選択肢です。

こんな人におすすめ！
よくロックで飲む人｜音楽好き｜ワイルド｜個性的｜活発

「グレンモーレンジ18年」はスコットランドの北ハイランドに所在するグレンモーレンジ蒸留所が手がける，オフィシャルシングルモルトのひとつであり，その美味しさから”完璧すぎるウイスキー”とも呼ばれる高貴なボトルになります。

　その原酒はおよそ7割がバーボン樽で18年以上熟成されたもの，そして3割はバーボン樽で15年の熟成ののち，オロロソシェリー樽で3年間フィニッシュされたものによって構成されており，エキゾチックながらもバランスの良いゴージャスなテイストを誇っています。

　プレゼントという視点で見ても，流麗な曲線美を持つボトルデザインに，シンプルなダークブラウンの大きな化粧箱は十分すぎる高級感があり，貰って驚かない人はまず居ないでしょう。（おまけにこいつは”ルイヴィトン”のウイスキーです。）

こんな人におすすめ！
スコッチウイスキー好き｜甘い・華やか系が好き｜オシャレ｜気品がある｜安定志向

「ラガヴーリン16年」はスコットランドのアイラ島に所在するラガヴーリン蒸留所がリリースするオフィシャルシングルモルトのひとつであり，リッチな口当たりと強烈なピートスモーク，薬品のようなヨード香に長けた，個性派の極みに立つウイスキーになります。

　アイラ島南岸に立つアードベッグ・ラフロイグと近所であることから，3蒸留所を合わせて”キルダルトン3兄弟”と呼ばれ，しばしば比較されますが，販売量ベースで考えるとアイラ島の中ではボウモアに次ぎ，ラガヴーリンは第2位に輝いています。

　販売量の伸びとともに2022年にメーカー希望小売価格が引き上げられたこともあり，今や誰もが入手を切望する貴重なボトル。ボトル&化粧箱のシンプルなデザイン故の高級感があり，贈答品としてはピッタリのため，個性派ウイスキーを好む方にはこれを選ぶと良いでしょう。

こんな人におすすめ！
ウイスキーファン｜強いスモーキーテイストが好き｜大人っぽい｜個性的｜クール

「ベンロマック15年」は，大手ボトラー企業のゴードン&マクファイル社が運営に奔走する，スペイサイド（フォレス地区）のベンロマック蒸留所がリリースするオフィシャルシングルモルトのひとつになります。

　その生産に際しては，古き時代のスペイサイドモルトが今とは異なるライトリーピーテッドスタイルであったことに準えて，8〜12ppm程度のライトピート麦芽を原料としており，複雑かつ奥深く，多様なテイストを魅力としています。

　このボトル最大の名声は，2018年のWWAにて”ベスト・スコッチ・スペイサイド・シングルモルト”に輝いたという経歴であり，今では異例のピーティスタイルをもって，スペイサイドの頂点をもぎ取った実力派と言えるでしょう。

　比較的マイナーゆえに贈答品としては王道から少し逸れているものの，圧巻のフレーバーはまさに唯一のもの。元来ウイスキー好きの人や，新たな刺激を求める人に対しては最適なプレゼントとなるでしょう。

こんな人におすすめ！
ウイスキーファン｜軽くスモーキー耐性がある｜冒険心がある｜お茶目｜好奇心旺盛