記事の概要
管理人によるボトルのレビューを通して、皆様にその魅力を伝える記事です!
「ロイヤルブラックラ12年」は王家御用達のロイヤルの称号を得たエレガントな美酒です。
そんなボトルについて…
- 「ロイヤルブラックラ」ってなに?
- 「ロイヤルブラックラ12年」ボトルの特徴
- 「ロイヤルブラックラ12年」を徹底レビュー
- 「ロイヤルブラックラ12年」飲み方について
などなど詳しく解説していきます!!
Youtubeでも紹介しています!
\\執筆者情報//
初谷(はつがい)
ウイスキーに関わるあらゆる情報をまとめ,「ウイスキーを知りながらより深く楽しめる記事」を発信しています。
【Shop】ウイスキー専門店『Drinkable books』
【経歴】東京都立大卒|元公務員・ネット酒屋開業
【資格】JWRC公認ウイスキーエキスパート|ウイスキー検定2級
【その他】バンド「Candid moment」のドラマー
各種SNSも運用中!
「ロイヤルブラックラ」ってなに?
ロイヤルブラックラの解説
ロイヤルブラックラはスコットランドの北ハイランド位置するロイヤルブラックラ蒸留所が作るシングルモルトのブランドになります。
当蒸留所は1835年に当時の国王ウィリアム4世より王家御用達の勅許を賜ったことにより,スコットランドで初めて「ロイヤル」を名乗ることが認められた蒸留所であり,以降「王のためのウイスキー」を作る蒸留所として稼働しています。
公式ラインナップには今回紹介する12年の他に,18年(2019年以前は16年)と21年がありますが,日本では流通量が少ないため,唯一入手しやすいのが12年のボトルになります。
使用される原酒はノンピート麦芽を原料とし,シェリー樽で熟成されたものが中心とされているため,華やかでエレガント,そして甘みの強い飲みやすいテイストが表現されています。
ボトラーリリースもほとんどないので,ロイヤルブラックラを飲んでみたい人はこの「ロイヤルブラックラ12年」をスタート地点に設定すると良いでしょう。
ちなみに2022年の11月22日にボトルデザインが一新されているため,今回評価したボトルは旧ボトルとなります。原酒構成の記載は同じシェリー樽フィニッシュ原酒とされているため大きな味わいの変化はないものと思いますが,僅かな変化は生じているはずなのでご留意ください。
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蒸留所の解説
紹介動画
「ロイヤルブラックラ12年」ボトルの特徴
ボトル外観
諸元
ボトル名 | ロイヤルブラックラ12年 |
地域 | スコットランド,北ハイランド |
種類 | シングルモルト |
原料 | モルト |
容量 | 700ml |
度数 | 40% |
参考小売価格 | 7,700円(税抜き) |
製法と特徴
- ノンピートタイプのモルトを使用
▶スモーキーさ等のクセが少なく、ピュアでフルーティな風味が得られます - 72〜120時間にも及ぶ長時間発酵
▶通常2日程度の発酵が多い中、発酵に長時間をかけることでより多くの華やかな香味成分が発生します - ストレート型のポットスチルで蒸留
▶内容液がスチルの銅と触れる面積が大きいため、銅を触媒として不快な香味成分が除去される反応が進行します - シェリー樽で熟成
▶︎レーズンやドライフルーツを思わせる強い甘味が生じています
「ロイヤルブラックラ12年」徹底レビュー!
まずレビューの項目について説明しておきます!
レビュー項目
- 色味
ウイスキーをグラスに注ぎ、目視にて色の濃さを5段階評価します
- 香り
香りについて私が感じ取った内容をまとめていきます
- 味わい
味わいについても私が感じ取った内容をまとめます
- 余韻
余韻の長さを5段階で評価します
- 総評(100点満点)
ボトルのポジティブな風味とネガティブな風味を10段階で評価し、レーダーチャートで表現し,ポジティブで獲得した点数からネガティブの点数を引くことにより、ボトルを100点満点で評価します
また最後に総評を文章にて取りまとめていきます!
さてさて、それでは早速「ロイヤルブラックラ12年」をテイスティングレビューしていきます!
色味
色味は濃いめの琥珀色といった感じです。
その濃い色味からシェリー樽原酒が使用されていることが一目でわかりますね。シェリー樽熟成のウイスキーは見た目さけでも美味しそうに見えてしまいます…
薄
1 2 3 4 5
濃
▼
香り
香りの第一印象は濃厚なレーズンの甘さとミルクキャラメルのようなクリーミーで濃厚な甘さでした。度数40%ということもあり,12年熟成ながらアルコールの刺激は柔和であり,ネガティブな印象を感じることは皆無でしょう。
続いて芳醇で華やかなフローラル感,多彩な果物で構成されるフルーツバスケット,暖かいハーブ園,香ばしいモルティ感,ウッディなビター感,シナモン系スパイスなどが感じられます。
フレッシュな華やかさを持ちながら,円熟感も持ち合わせており,落ち着いて時間を演出することのできるエレガントで大人っぽい印象の香りでした。控えめにいっても最高に好き…
↓感じ取れる香り↓
濃いレーズン/ミルクキャラメル/フローラル/フルーツバスケット/ハーブ園/モルティ/木のビター/シナモン
▼
味わい
味わいの第一印象は砂糖をまぶしたドライフルーツの濃密な甘さとヘーゼルナッツのようなナッティな香ばしさでした。やはりアルコールの刺激はほとんどなく,甘くフルーティで飲みやすいテイストです。
続いてりんごと桃が中心のフルーティ感,甘いシナモンシュガー,はちみつとバニラ,バラ園のような華やかな情景が浮かぶフローラル感,ぶどうの甘さと渋み,ビターチョコレート,ジンジャー感などが感じられました。
12年熟成であることが信じられないほどに風味の多様性に優れ,なおかつ円熟感とフレッシュさが共存しており,既に長熟スコッチと肩を並べるほどに完成されているようにも感じます。個人的にはグレンリベット18年を初めて飲んだ時に等しい感動を味わうことができました。
↓感じ取れる風味↓
砂糖漬けドライフルーツ/ヘーゼルナッツ/りんごと桃/シナモンシュガー/はちみつとバニラ/フローラル/ぶどう/ビターチョコ/ジンジャー感
▼
余韻
華やかで上品なフルーティ感が非常に長く続きます。またどこかスパイシーな印象も微かに残り,飽きの来ない満足感のある余韻ですね。
短
1 2 3 4 5
長
「ロイヤルブラックラ12年」飲み方について
さて、ここまではストレートにてボトルのレビューをしてきました。
そこで「ロイヤルブラックラ12年」はどの飲み方が一番美味しいのでしょうか。王道の飲み方である「トゥワイスアップ・ロック・ハイボール」の3種類で比較してみましょう!
飲み方について深く掘り下げた記事も書いているのでご参考までにリンクを貼っておきます!
トゥワイスアップでは?
ポイント
加水をするとストレートの時から強力であった華やかな印象が全体的により一層強調された反面,味わいではミネラル系の無機質感やレーズンの渋み等も強化されています。
12年熟成ながら度数が40%というのもあって,元よりアルコール刺激が強い訳ではありませんでしたが,トゥワイスアップでは口当たりはよりマイルドとなり,とても飲みやすくなりました。
ストレートがキツく感じた人は少量の加水から試してみると,最も美味しいポイントを発見できるでしょう。
▼
ロックでは?
ポイント
ロックでは砂糖漬けのドライフルーツやレーズンっぽい甘さがかなり強調されるのですが,併せてウッディさやビターチョコのようなビター感もかなり表面に出てきます。
全体を通して花系のフローラル感やふわふわとしたフルーティ感が比較的抑えられており,甘さとビター感の適度なバランスが保たれたスッキリとした印象に変貌しています。
夜に食べる甘すぎないデザートとしてはロックが最高にフィットするのではないでしょうか。
▼
ハイボールでは?
ポイント
ハイボールでは比較的大人だった各種のテイストがやや若さを取り戻し,フレッシュな柑橘感やぶどうのような酸味を伴う甘さが主体的となりました。
炭酸の泡と共にフローラル感や多彩なフルーツ香も弾けてくるため,元来強めの華やかエレガント系の印象が際立ってエンハンスされているように感じましたね。
第一印象でハイボール向きだとは思っていなかったのですが,意外とアリかもしれませんね。
おすすめの飲み方は…?
「ロイヤルブラックラ12年」のおすすめの飲み方は「ストレート」です!
このボトルはロイヤルの名がついているだけあり,ストレートの時点で甘さやフルーティさ,そしてビター感などの多彩な要素のバランス感が非常に優れていました。
どの飲み方でも美味しいのはもちろんなのですが,やはり度数が下限の40%ということもあり,またアルコール刺激などのネガテイブな印象も控えめなので,ストレートで飲むのが最適と言えるでしょう。
ストレートが苦手な方はロックか少量づつの加水をすると,このボトルのポテンシャルを最大限に楽しむことができると思います。
「ロイヤルブラックラ12年」総評
最後に総評に入りたいと思います!まずはレーダーチャートから!
ポジティブ
ネガティブ
さてさて、気になる点数は…
点数の理由と評価
まずさすがに「ロイヤル」の名を冠しているだけあり,ロイヤルブラックラ12年は華やかでフルーティ,そして極甘という超王道のテイストを有していました。甘い系のウイスキーが苦手という方を除けば,このボトルに対してネガティブな印象を抱く人はいないのではないでしょうか。
12年熟成のボトルとしては比較的高価な部類に入ってしまいますが,その美味しさに目を向ければ十分に良好なコスパを誇っており,個人的にウイスキー初心者にはこんな飲みやすいボトルからシングルモルトの世界に入ってほしいなぁ,と思ってしまいます。
唯一の懸念点としてはその入手性であり,日本では流通量があまり多くありません。通販等では参考小売価格より高めの市場価格となってしまっているため,運よく酒屋さんで適正な価格で見つけた時に買っておきたいボトルですね。
僕のイチオシの北ハイランドモルトだけに,出来るだけ多くの人に届いてほしい…
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レビューに使用した道具たち
グラス:グレンケアン
ジガーカップ:JOYONEというメーカーのものをAmazonで購入して使っています。
正直計りたい分量が計れるものであれば何でもいいと思います!