記事の概要
管理人によるボトルのレビューを通して、皆様にその魅力を伝える記事です!
「ラガヴーリン16年」はアイラモルトの代表格であるラガヴーリン蒸留所の代表作になります。
そんなボトルについて…
- 「ラガヴーリン」ってなに?
- 「ラガヴーリン16年」ボトルの特徴
- 「ラガヴーリン16年」を徹底レビュー
- 「ラガヴーリン16年」飲み方について
などなど詳しく解説していきます!!
↓Youtube↓
【ラガヴーリン16年のレビュー】
「ラガヴーリン」ってなに?
ラガヴーリンの解説
ラガヴーリンはアイラ島の南岸に位置するラガヴーリン蒸留所で作られるウイスキーになります。
ラガヴーリン蒸留所は同じくアイラ島南岸にある「アードベッグ」と「ラフロイグ」と並んでキルダルトン3兄弟の一角を担う蒸留所になります。
アイラモルトらしい強いピート感や薬品系のヨード感はもちろん、リッチで濃厚な口当たりがラガヴーリンの特徴です。
その販売量は年間220万本を超えており、ここ数年でボウモアを抜いてアイラモルトの中ではラフロイグに次ぐ第2位にまで上り詰めました!
また長らくオフィシャルボトルは代表作とも言える16年のみでしたが、近年8年や12年等がラインナップに加わっています。
ホワイトホースとの関係
ラガヴーリンはシングルモルトとして販売されるだけでなく、ブレンデッドウイスキーのホワイトホースのキーモルトも担っています。
このホワイトホースは過去1899年よりラガヴーリンの運営に携わっていた「ピーター・マッキー」によって作られたブランドになります。
ピーターは非常にエネルギッシュな仕事人であり、無休で働く様から「レストレスピーター」と蒸留所の職人らから恐れられるほどの人物でした。
当時よりホワイトホースのキーモルトにはラガヴーリンが使用され続けています!
関連記事等
ラガヴーリン蒸留所の解説
ラガヴーリン16年のレビュー動画
「ラガヴーリン16年」ボトルの特徴
ボトル外観
諸元
ボトル名 | ラガヴーリン16年 |
地域 | スコットランド アイラ島 |
種類 | シングルモルト |
原料 | モルト |
容量 | 700ml |
度数 | 43% |
希望小売価格 | 10,681円 |
概要
ラガヴーリン16年は,長らくラガヴーリン蒸留所唯一のオフィシャルボトルとして販売されてきた代表作的ボトルです。
アイラモルトらしいスモーキーな個性をもちながら,エレガントで深みのあるフルーティさを有しており,コアな固定ファンを多く抱えています。
またあまりに強い個性から初心者には不向きとされているので,興味を持って飲みたいと思えるまでは手を出さないほうが無難と言えます。
製法と特徴
- ポートエレン社製のヘビリーピーテッドモルトを使用
▶使用される原料のモルトはフェノール値34〜38ppmに及ぶヘビリーピーテッドタイプになります。
- ストレート型のポットスチル
▶膨らみのない滑らかな形状のスチルでは蒸留時に蒸気があまり還流しないため、重く複雑な酒質のニューポットが得られます!
- スチル容量をギリギリまで使用した蒸留
▶アルコール蒸気がスチルの銅に触れる面積が少なくなるため、原酒本来のオイリーさが強調されることとなります!
- 全量の60〜70%に及ぶミドルカット
▶︎ミドルカットを長く取ることで、スモーキーさやオイリーさなどの成分が余すことなく回収されています!
- バーボン樽・シェリー樽原酒を使用
▶︎バーボン樽原酒とシェリー樽原酒をバランスよくブレンドし、バニラ感やレーズンのような甘さが共存しています!
「ラガヴーリン16年」徹底レビュー!
まずレビューの項目について説明しておきます!
レビュー項目
- 色味
ウイスキーをグラスに注ぎ、目視にて色の濃さを5段階評価します!
- 香り
香りについて私が感じ取った内容をまとめていきます!
- 味わい
味わいについても私が感じ取った内容をまとめます!
- 余韻
余韻の長さを5段階で評価します!!
- 総評(100点満点)
ボトルのポジティブな風味とネガティブな風味を10段階で評価し、レーダーチャートで表現します!
ポジティブで獲得した点数からネガティブの点数を引くことにより、ボトルを100点満点で評価します!!
また総評を文章にて取りまとめていきます!
さてさて、それでは早速「ラガヴーリン16年」をテイスティングレビューしていきます!
色味
色味は非常に濃い琥珀色になります!
16年という長い熟成期間、そしてシェリー樽原酒が使われていることが一目見てわかる色合いですね。
見た目だけでも既に美味しそうでたまりません…
薄
1 2 3 4 5
濃
▼
香り
まず香りの第一印象としては強力な薬品系のヨード感とピートスモークが感じられます。
しかしただ煙たいだけでなく、オレンジ系の柑橘感や濃厚な甘い香りもはっきりと存在します!
また感覚的ですが、非常にオイリーで分厚い印象があります。
強い個性がありながらもリッチでエレガントという言葉が似合うウイスキーです!
↓感じ取れる香り↓
薬品のようなヨード/干草/ピートスモーク/オレンジ/濃い甘さ/分厚さ/スパイシー/バニラのようなクリーミー感
▼
味わい
味わいの第一印象は若干行きすぎた香ばしさのある薬品感と干草のようなスモーキーさでした!
あまりにも濃い風味に、まるで醤油を口にしているかのような感覚にすらなります。
非常に強いスパイシーさにアイラモルトらしい塩気も強く感じます。
言葉で表現するならば「海風を感じる秋の寂しい枯れかけの草原」がとてもしっくりきます!
間違いなく初心者にはオススメできませんが、この強力な個性はいずれ避けては通れないでしょう。
↓感じ取れる風味↓
強烈な薬品臭/干草のようなスモーキー/醤油/スパイシー/塩/熟した柑橘類/ダークチョコ/超濃厚
▼
余韻
余韻は非常にビターな印象が強く、カカオ95%のチョコくらいの感覚です。
スモーキーさやヨード感は主張が弱まり、非常に香ばしくて美味しいの一言!
時間が経つほど甘味が湧き出てきますね!
短
1 2 3 4 5
長
「ラガヴーリン16年」飲み方について
さて、ここまではストレートにてボトルのレビューをしてきました。
そこで「ラガヴーリン16年」はどの飲み方が一番美味しいのでしょうか。王道の飲み方である「トゥワイスアップ・ロック・ハイボール」の3種類で比較してみましょう!
飲み方について深く掘り下げた記事も書いているのでご参考までにリンクを貼っておきます!
トゥワイスアップでは?
ポイント
加水すると,本来のスモーキーフレーバーやフルーティな要素がより多様に幅広く広がっていきます。
強力なピートスモークやヨード香は衰えること知りませんが,水との接触によってオレンジやドライフルーツなどのフルーティな要素の主張が強められています。
また余韻にかけては樽のビター感やスパイス香,ドライなピートスモークが卓越してくる印象があり,タンパクな印象となります。
▼
ロックでは?
ポイント
ロックにすると,冷やされることで幅方向に広がる多様なテイストがカットされ,濃縮感のある芯の部分を強く感じることができます。
しかしながらスモーキーさは衰えることを知らずに強力で美味。甘さの類は砂糖の様なわかりやすい強力な部分が色濃く舌を刺激してきます。
▼
ハイボールでは?
ポイント
ハイボールでは炭酸の泡に乗じてピートスモークとドライな干草,薬品系ヨード香が舞い上がってきます。
言語化するならば,ラガヴーリンの風味が濃縮された香水を垂らした炭酸水といった感じ。炭酸で割ってもなお色褪せぬ個性は,以下に奥深く旨味の凝縮されたモルトであるかを分からせてくれます。
おすすめの飲み方は…?
「ラガヴーリン16年」のおすすめの飲み方は「ストレート」です!
ラガヴーリンは甘さやフルーティさから,クセあり系で強烈な個性を発するピートスモークまで,多様なテイストで構成される銘酒です。
どの飲み方においても美味しさを感じることができるのは間違いありませんが,やはり原型が完成され過ぎている様にも感じてしまいました。
またストレートにおいてもアルコールの刺激がダイレクトに来ることはないため,完成した風味を感じるならばストレートが最適と判断しました。ストレートがキツそうならば少量加水から試してみると良いと思います!
「ラガヴーリン16年」総評
最後に総評に入りたいと思います!まずはレーダーチャートから!
ポジティブ
ネガティブ
さてさて、気になる点数は…
点数の理由と評価
まずやはりラガヴーリン16年はスモーキーな個性を極めながらも,奥深くリッチなフルーティさを持っている完成された銘酒でしたね。
第一印象として非常に強力な薬品系のヨード感とピートスモークが感じられますが、時間経過と共に広がる複雑かつ分厚い甘味とフルーティさからはエレガントな魅力を感じました!
ただ圧倒的に個性派であることに変わりないので,無碍に初心者におすすめはしないほうが無難です。しかしもし興味を持って飲みたいと思う初心者の方がいたら,止めないほうが良いでしょう。
その際のアドバイスとして,実際に飲む時には他人のレビューを見ながら,その人が感じている要素を探る様に飲んでみると良いと思います。感じるべき指標が定まるので気持ち的にラクになりますし,私もそのようにして慣れてきた経験があります。
改めてこのボトルはアイラ島が誇る銘酒のひとつなので,経験としても一度は飲んでおきたいですね!
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レビューに使用した道具たち
グラス:グレンケアン
ジガーカップ:JOYONEというメーカーのものをAmazonで購入して使っています。
正直計りたい分量が計れるものであれば何でもいいと思います!