インチガワー蒸留所(inchgower)|立地・歴史・製法・オフィシャルボトル|ウイスキーラウンドアップ

記事の概要

世界中の蒸留所図鑑完成を目標としたシリーズです。

今回はスコットランドより「インチガワー蒸留所」になります!

Points!「立地・歴史・伝統的な製法・オフィシャルボトルの簡単な解説」

キーワード

ベルのキーモルト/花と動物シリーズ/トーヒニール蒸留所

インチガワーの特徴

スパイシー/モルティ/ナッティ/バランスが良い/力強い/リッチ

インチガワー蒸留所

インチガワー蒸留所の立地・歴史・製法についてまとめていきます。

蒸留所の概要

創業年1871年
所有会社ディアジオ社
地域分類スコットランド
スペイサイド バッキー地区
発酵槽オレゴンパイン製6基
ポットスチル初留2基・再留2基
仕込み水メンダフヒルズの泉
ブレンド先ベルなど

「インチガワー蒸留所」蒸留所の立地

立地について

インチガワー蒸留所はスコットランドのスペイサイド、スペイ川の河口から約8キロ程度にある港町バッキーを見下ろせる高台に建っています。海を見渡せる環境でありながら、蒸留所の周囲は大麦畑に囲まれています。また港町バッキーはかつてニシン漁で有名となった町でした。

インチガワーという単語はゲール語の意味を持っており、インチは「川のそばの草地」、ガワーは「山羊」を指しています。このことからインチガワーは「川のそばの山羊の放牧地」を意味しているとされています。だからといって蒸留所が山羊と関係があるという訳ではないようですね。

「インチガワー蒸留所」蒸留所の歴史

インチガワー蒸留所の歴史を下表のとおり整理しました!

西暦年内容
1825年ジョン・ウィルソンによって、インチガワー蒸留所の前身にあたるトーヒニール蒸留所が創業される
1832年蒸留所がアレクサンダー・ウィルソンに引き継がれる
1860年頃トーヒニール蒸留所は水不足の影響により休業を余儀なくされる
1871年トーヒニール蒸留所が閉鎖される
アレクサンダー・ウィルソン&Co社によってインチガワー蒸留所が創業される
1936年アレクサンダー・ウィルソン&Co社が倒産する
蒸留所はバッキー町議会によって買収される
1938年蒸留所が3,000£でアーサー・ベル&サンズ社へと売却される
以降インチガワーは同社のブレンデッドウイスキーであるベルのキーモルトとなる
1966年ポットスチルが2基増設されて4基体制となる
1985年アーサー・ベル&サンズ社がギネスグループ社に買収される
1987年ギネスグループがDCL社を買収してUD社が形成される
1997年会社合併によりディアジオ社が所有者となる
2006年蒸留所の改修に伴い、1年間の閉鎖期間が設けられる

トーヒニール▶︎インチガワー

トーヒニール蒸留所は1960年ごろより、水不足の影響から休業が続いていました。そのような状況の中で蒸留所所有者のアレクサンダー・ウィルソンは土地の貸借料のことで地主と揉めてしまいました。

そこで思い切って当初の土地でウイスキーの生産を継続することを諦め、生産設備を移設して、新たな場所にてインチガワー蒸留所として創業することを決定しました。

こうして現在の場所にインチガワー蒸留所が建てられることとなりました。

ベルのキーモルト

インチガワーは1938年の買収以降、ベルのキーモルトとして活躍しています。

そのためシングルモルトとしてのリリースは僅かであり、原酒ほとんどがブレンデッドを念頭において作られています。

ベルを作る観点からは、インチガワーにナッティかつスパイシーな風味が求められています。これを実現するために伝統的なスペイサイドモルトとは対照的な嗜好で作られているのが特徴的です。

「インチガワー蒸留所」製法の特徴

製麦

インチガワー蒸留所では自社でのフロアモルティングが行われていた時期がありましたが、現在はモルトをディアジオ所有のモルティング施設から調達しています。モルトはノンピートタイプになります。

調達したモルトをモルトミルにて粉砕してグリストとしたのち、糖化の工程へと進みます!


糖化

インチガワー蒸留所では仕込み水としてバッキー町の南にあるメンダフヒルズの泉の水を採用しています。マッシュタンは1バッチあたり8.4トンのグリスト容量を誇るセミロイタータンになります。

マッシュタンにグリストを投入したのち、加熱した仕込み水を複数回に分けて注ぐことで糖化が進められます。糖化が完了すると糖分を多分に含んだウォートを得ることができます。

ウォートに残存する浮遊物は沈殿んさせて除去することも可能ですが、曇った状態のまま発酵の工程に進めることで、敢えてどっしりとしたスパイシーで複雑な風味を生み出しています。

次の工程は発酵になります!


発酵

インチガワー蒸留所にはオレゴンパイン製で容量約40000リットルのウォッシュバックが6基設置されています。

糖化によって得られたウォートは冷却したのちに、ペースト状の酵母とともにウォッシュバックへと投入することで発酵が進んでいきます。

発酵にかける時間は48〜53時間と短めであり、スパイシーな風味を狙って、華やかな香味成分が錬成される前に発酵を終えていることがわかります。

発酵が完了するとアルコール度数約8%程度のもろみが完成し、次の蒸留所の工程へと進みます!


蒸留

インチガワー蒸留所には容量12500リットルのウォッシュスチルが2基、容量8000リットルのスピリットスチルが2基設置されています。形状はどれもストレート型であり、加熱方式は蒸気による間接加熱方式、冷却方式はシェル&チューブ方式が採用されています。

再留後のミドルカットに特徴があり、70%〜55%の間でカットを行なっています。低めにミドルカットを設けることで純度の高いクリーンでフルーティなアルコール蒸気を故意に避け、ブレンデッドウイスキーに貢献する工夫が為されています。

出典:whisky.com

熟成

インチガワー蒸留所の敷地内にはダンネージ式及びラック式の大きなウェアハウスが計13棟あり、合計60000樽を収容することが出来ます。

熟成に使用される樽はシェリー樽を中心としていますが、アメリカンオーク樽なども使用されています。

実は大規模なウェアハウスの中には近隣の他の蒸留所のウイスキーも含まれており、これはスコットランド国内ではかなり珍しいと言えるでしょう。

出典:whisky.com

オフィシャルボトル一覧

インチガワー蒸留所のオフィシャルボトルを紹介していきます!

インチガワー14年 花と動物

ポイント

インチガワーの原酒のほとんどはベルをはじめとしたブレンデッドウイスキーに使用されるており、シングルモルトとしてリリースされるのは1%程度とも言われてます。

そんなインチガワーが出す唯一のオフィシャルボトルがこの花と動物シリーズのボトルになります。

スペイサイドモルトながら華やか系ではなくブリニーさやスパイシーさが目立つ個性的なモルト、間違いなくいい経験になるボトルですね!

ー特徴ー

価格帯

Amazon:10800円/楽天市場:9928円(送料込み)

※2022年6月現在

香り

ソフト/モルティな甘さ/ナシ/バナナ/はちみつ/ブリニー/オイリー

味わい

リッチ/濃厚/モルティ/スパイシー/ナッティ/バランス感良し

余韻

モルティな甘みが長く続く

ボトラーズボトル紹介

インチガワーのオフィシャルボトルは上記1本のみであり、シングルモルトはボトラーズリリースが中心となっています。

そのため現在購入できるボトラーズボトルを一部紹介します!

カーンモア インチガワー 2011 9年

ポイント

シェリーバットで9年間熟成された原酒のみで構成されており、世界672本限定発売の日本入荷数は90本のみです!

価格帯もあまり高くないかつ限定品なので購入しやすいインチガワーだと思います!

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ー特徴ー

価格帯

Amazon:8,500円

※2022年6月現在

香り

スイカズラ/ペッパー系スパイシー/モルティ/はちみつ/ブリニー

味わい

強スパイシー/キャラメル/バニラ/モルティ/ブリニー

余韻

甘さとスパイシーのバランスが良く、長く続く余韻

シグナトリー インチガワー 2007 10年

ポイント

ボトラーズ大手のシグナトリー社のアンチルフィルタードシリーズから出されたインチガワーです。

破格の値段でインチガワーを楽しめます!!

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ー特徴ー

価格帯

武川蒸留酒販売:5250円

※2022年6月現在

香り

リッチな甘さ/強い潮の香り/スパイシー/モルティ/チョコレート

味わい

ドライ/ブリニー/モルティ/スパイシー

余韻

ドライでありながらスパイシーな余韻が長く続く

インチガワー 1997 23年 シグナトリー

ポイント

シグナトリーのカスクストレングスコレクションからリリースされたインチガワー。

加水することなくまさにインチガワー本来の力強い味わいを感じることが出来ます!

バーボンホグスヘッドで熟成したのち、シェリーバットで34ヶ月間の後熟が行われています。

ー特徴ー

価格帯

Amazon:22800円/楽天市場:21750円(送料込み)

※202年6月現在

参考サイト:whisky.com / scotchwhisky.com