記事の概要
管理人によるボトルのレビューを通して、皆様にその魅力を伝える記事です。
今回は…
「フロム・ザ・バレル」
当記事では,このボトルについて
などなど詳しく解説していきます!!
\\執筆者情報//
初谷(はつがい)
ウイスキーに関わるあらゆる情報をまとめ,「ウイスキーを知りながらより深く楽しめる記事」を発信しています。
【Shop】ウイスキー専門店『Drinkable books』
【経歴】東京都立大卒|元公務員・ネット酒屋開業
【資格】JWRC公認ウイスキーエキスパート|ウイスキー検定2級
【その他】バンド「Candid moment」のドラマー
各種SNSも運用中!
「フロム・ザ・バレル」ってなに?
フロム・ザ・バレルの解説
- ブランドの概要と構成
ニッカウイスキー『フロム・ザ・バレル』は,1985年に発売されて以来,世界的なコンペティションでも高評価を獲得するなど,多くの人から根強い人気を集め続けている日本のブレンデッドウイスキーブランドになります。
印象的な四角いボトルデザインは発売当初から続くものであり,グラフィックデザイナーの佐藤卓氏が手掛けたもの。
強くて濃いウイスキーというコンセプトから連想されたものが”小さな塊”であり,通常よりも小さな容量,そしてネックの短いずんぐりとした形状に至ったそうです。
原酒の一部には海外のものも活用されていますが,キーとなるのはニッカウイスキー社が運営する「宮城峡蒸留所」と「余市蒸留所」のモルト原酒。宮城峡は華やかでライトなフルーティネスを,余市は力強く濃厚な印象的な個性をこのフロム・ザ・バレルに付与しています。
ブレンドに大部分を形成するグレーン原酒も宮城峡で作られているものが多く使用されており,旧型のカフェ式連続式蒸留器で蒸留されたグレーンは,原料由来の複雑な香味を多く残すことで知られています。
そして集められた原酒はブレンドされたのちにマリッジ(再度熟成させること)され,馴染みよくまとまった段階で『フロム・ザ・バレル』の完成となります。
ここで通常のブレンデッドであればボトリングに際して加水を行い,度数を40%程度まで落とす場合が多いのですが,このボトルに関しては加水は最低限とされており,51%というハイプルーフでのボトリングが為されています。
よって最終的なウイスキーはボトルデザインのコンセプトに違わず,”強くて濃い”骨太な味わいとなっています。
「フロム・ザ・バレル」ボトルの特徴
\\ボトル外観//
\\ボトル諸元//
ボトル名 | ニッカウイスキー フロム・ザ・バレル |
地域 | 日本 |
種類 | ブレンデッドウイスキー ※海外原酒含む |
原料 | モルト・グレーン |
容量 | 500ml |
度数 | 51% |
受賞歴 | WWA2009 『ベスト・ジャパニーズ・ブレンデッドウイスキー』 ISC2015 最高賞『トロフィー』 |
\\製法と特徴//
- 度数51%のハイプルーフ仕様
▶︎樽で培われた原酒本来の力強い個性をダイレクトに感じることができる - 宮城峡と余市のモルト原酒を使用
▶︎華やかさと力強さを持つ2種類の原酒を混合することにより,類稀なバランス感の良さが育まれている - ブレンド後に実施されるマリッジ
▶︎原酒をブレンド後に後塾させるひと手間により,よく馴染んだまとまりの良いテイストが得られる
「フロム・ザ・バレル」テイスティングレビュー
さてさて、それでは早速「フロム・ザ・バレル」をテイスティングレビューしていきます!
色味
『フロム・ザ・バレル』の色味については,比較的濃いように見え,ゴールドというよりは琥珀色に近いような印象を受けます。
客観的な指標としてwhiskys.co.ukの色見本に準えて評価すると,"Tawny"くらいであると言えるでしょう。
▼
香り
- 第一印象
ミルクチョコのようなマイルドな甘さ,強くビターなウッディネス,ほのかに漂うピートスモーク
油断して吸い込むと飛び起きるようなアルコール刺激
- 経時変化で見える要素
キャラメル感,どことなく林檎,コーヒー,溶剤系のエステリー感,僅かにモルティ
筆者の一言
こいつ最大の魅力は高い度数に由来するパンチのある強力な香り。
アルコールの刺激も残るものの,魅力の裏返しなだけで許せてしまう可愛さ。
スイート&ビター&スモーキーのどの軸に対しても譲らない確固たる芯の強さを感じる!
▼
味わい
- 第一印象
ドライな穀物感,カカオ95%のダークチョコ,ふわふわと掴みどころのない林檎とオレンジ
アルコール感もさることながら,舌先に強い甘みがこびりついて長く残る
- 経時変化で見える要素
キャラメルのかかった濃いバニラアイス,焦げ気味の強い樽香,ほのかにピート,鼻から抜けるエステリー
- 余韻に残る要素
ビターなコーヒー感,ぼんやりしたピート,舌先にカラメルソースが残る
筆者の一言
味わいを端的にいうならば,強いビターさの中に見え隠れする甘さといった感じ。
少し多めに口に含むとピートスモークが目立ってくるので,苦手な方はほんの少量ずつ飲むべきか。
度数の高さがしっかりと魅力に転化され,満足感の高い印象的な風味にまとめ上げられていました!
「フロム・ザ・バレル」飲み方について
さて、ここまではストレートにてボトルのレビューをしてきました。
そこで「フロム・ザ・バレル」はどの飲み方が一番美味しいのでしょうか。王道の飲み方である「トゥワイスアップ・ロック・ハイボール」の3種類で比較してみましょう!
また,飲み方について深く掘り下げた記事も書いているのでご参考までにリンクを貼っておきます!
ハイボール
おすすめ度 ▶︎ 5/5
ロック
おすすめ度 ▶︎ 5/5
トゥワイスアップ
おすすめ度 ▶︎ 2/5
「フロム・ザ・バレル」総評
最後に総評に入りたいと思います!まずはレーダーチャートから!
さてさて、気になる点数は…
点数の理由と評価
- 香り:4/5|味わい:4/5
『フロム・ザ・バレル』の香りと味わいについては,アルコール度数の高さを武器にした強力かつ刺激的なテイストを最大の魅力としていたように思います。
わかりやすく言うと,強力なチョコやキャラメルのような甘さがある反面,ビターさも強力といった感じ。決して飲みやすくは無く,どちらかと言えば満足感を求めて飲むようなボトルと言えるでしょう。
当たり前にアルコールの刺激も強く感じられてしまうため,MAX評価は付けられませんが,満足感とパンチの強さなら同価格帯のジャパニーズウイスキーで右に出るものはいないでしょう。
あ,ウイスキーの味わいとは全く関係ありませんが,ボトルが非常に注ぎにくい形状のため,飲む時はこぼさないように注意が必要です(笑)
- 初心者向け度:2/5
続いて初心者向けかどうかと言う観点で『フロム・ザ・バレル』を見ると,手放しでオススメするのがちょっと怖いように感じてしまいます。
というのも前述の通りアルコール度数が非常に高く,相応の刺激を感じてしまうと言うのが最大の懸念であり,これらは初心者にとってややネガティブに働いてしまう危険性が十分に考えられます。
またビター感の中にしっかりとしたピートスモークも感じられるため,やはり初心者にとってはややハードルが高く思えてしまいました。
半端じゃ無い人気や,可愛らしいボトルデザインに油断しすぎないように気をつけておきましょう。
- 入手性:2/5|コスパ:5/5
最後にコスパと入手性については,”入手性はかなり難アリだがもし買えればコスパ最強”といった感じと言えるでしょう。
やはり『フロム・ザ・バレル』は受賞歴含め客観的な評価の高さをよく耳にするボトルであるため,市場に出た際にはすぐに売り切れてしまう印象がとても強いです。
よってそもそも目にする機会がほとんどないことから,入手性にはかなり問題を抱えているボトルと言えてしまいます。
しかしもしも希望小売価格ベースで購入することができるならば,価格以上のパフォーマンスを発揮してくれること間違いなしなので,コスパは最強です。絶対に見逃さないようにしてくださいね。
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レビューに使用した道具たち
グラス:グレンケアン
ジガーカップ:JOYONEというメーカーのものをAmazonで購入して使っています。
正直計りたい分量が計れるものであれば何でもいいと思います!