記事の概要
管理人によるボトルのレビューを通して、皆様にその魅力を伝える記事です。
今回は…
「エデンミル フュージョン」
当記事では,このボトルについて
などなど詳しく解説していきます!!
\\執筆者情報//
初谷(はつがい)
ウイスキーに関わるあらゆる情報をまとめ,「ウイスキーを知りながらより深く楽しめる記事」を発信しています。
【Shop】ウイスキー専門店『Drinkable books』
【経歴】東京都立大卒|元公務員・ネット酒屋開業
【資格】JWRC公認ウイスキーエキスパート|ウイスキー検定2級
【その他】バンド「Candid moment」のドラマー
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「エデンミル」ってなに?
エデンミルの解説
蒸留所とブランド
『エデンミル』はスコットランドのローランド地方,ゴルフの聖地としても知られるセントアンドリュースに所在するエデンミル蒸留所が手がけるスコッチウイスキー及びジン等のブランドになります。
エデンミル蒸留所は元々2012年にビールの醸造所として創業し,ジンやウイスキーの生産は2014年に開始。
特にウイスキーの初蒸留は,スコットランドの守護聖人を讃える”セント・アンドリューの日”とされている11月30日に実施されており,これは蒸留所がセント・アンドリューズに建てられたことを意識したものでした。
ちなみにビール醸造所とジン・ウイスキーの生産設備を兼ね備えた施設はスコットランドで初めてになるとのことです。
またモルトファンとしては注目したい新興蒸留所ですが,ウイスキーの製造は少量に抑えられており,その生産量は週に8樽程度と,ごく少量に留められています。
ウイスキーの製造
エデンミル蒸留所がウイスキー作りの原料とするモルトの諸元については,基本的に地元ファイフ産のゴールデンプロミス種を中心とし,ピーテッドレベルはローランドらしくノンピートタイプとされています。
麦芽はワンバッチ0.85トンで,ウォート収量は3,300リットル。発酵にかける時間は概ね4日程度とかなり長く設定されています。
蒸留は特徴的な形をしたホヤ社製のアランビックスチルによって実施されており,合計3基あるスチルのうち1基はジンの製造用とされています。
熟成はファーストフィルのバーボン樽やバージンオーク樽を中心に使用しつつ,特殊なリリースに向けてラム,マデイラ,ポートなどの様々なタイプのカスクも併用されています。
「エデンミル フュージョン」ボトルの特徴
\\ボトル外観//
\\ボトル諸元//
ボトル名 | エデンミル フュージョン |
地域 | ローランド&日本 |
種類 | ブレンデッドモルトウイスキー |
原料 | モルト |
容量 | 700ml |
度数 | 46% |
ボトルの概要
『エデンミル フュージョン』は日本のサッカー選手”古橋亨梧、前田大然、旗手怜央、井手口陽介”ら4名が,スコットランドの名門サッカーチームの”セルティックFC”に加入したことを記念して作られたウイスキーになります。
製作はローランドのエデンミル蒸留所の原酒をベースとし,日本産のモルト原酒をブレンドするとこにより執り行われています。
\\製法と特徴//
- バーボン樽・オロロソシェリー樽熟成
▶︎バーボン樽は原酒に柑橘感やクリーミーな甘さを,シェリー樽はリッチな華やかを付与する。 - オーストラリア産赤ワイン樽フィニッシュ
▶︎赤ワイン樽は原酒にワインらしいタンニン感やスパイシー感を付与する - エデンミル蒸留所のモルト原酒に日本産モルト原酒をブレンド
▶︎軽やかさが特徴のローランドモルト,そして飲みやすさが特徴の日本産モルトをブレンドすることで,ライトボディの飲みやすいテイストに仕上がっている
「エデンミル フュージョン」テイスティングレビュー
さてさて、それでは早速「エデンミル フュージョン」をテイスティングレビューしていきます!
色味
『エデンミル フュージョン』の色味については,比較的薄いように見え,透き通った金色と形容できそうです。
客観的な指標としてwhiskys.co.ukの色見本に準えて評価すると,”Jonquiripe Corn”くらいであると言えるでしょう。
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香り
- 第一印象
フレッシュな柑橘,ウエハースのような香ばしさ,モルティな甘み
- 経時変化で見える要素
シトラスやハーブののスースー感,ペッパースパイス,バニラの甘み
筆者の一言
香り全体としては軽やかさがとても目立っており,柑橘やバニラなどの分かりやすい要素が主体であった印象です。
シェリー樽や赤ワイン樽の影響はさほど強くは捉えられませんが,ライトで飲み手を拒まないスッキリとした香りでしたね…!
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味わい
- 第一印象
土っぽい穀物感,爽快なシトラス,レモンの皮の苦味,弱くバニラ感
- 経時変化で見える要素
ほんのり優しいピートスモーク,濃いレモンケーキの甘さ,はちみつ
- 余韻に残る要素
強い柑橘のフレッシュ感,胡椒のスパイシーさ
筆者の一言
味わいは香りの印象とそう遠くないように思えますが,土っぽいドライ感や薄いピートスモークが追加で感じられた印象でした。
ボディは軽め,ライトな柑橘感が主体なテイストですが,前述の土やピートの要素がバランスを整えており,適度な飲み応えを感じました…!
「エデンミル フュージョン」総評
最後に総評に入りたいと思います!まずはレーダーチャートから!
さてさて、気になる点数は…
点数の理由と評価
- 香り:2/5|味わい:2/5
『エデンミル フュージョン』の香りと味わいについては,全体的に爽快な柑橘感や穀物の甘みが主体となっており,ライトな飲みやすさが目立っていた印象です。
軽快かつ華やかな要素が多く感じられることから,個人的にはハイボールでグビグビ飲むのに適しているように思いました。
ローランドらしい軽やかさを売りにしたエデンミル,そして蒸留所こそ不明ですがライト飲みやすいものの多い日本のモルト原酒のブレンドと言うこともあり,特に香りにおいてはボディの薄さが目立っており,感じられる要素の幅や深みには限りがある様にも感じられました。
よってストレートで飲むにはやや満足感に欠けてしまうため,「2」評価とさせていただきました。
- 初心者向け度:3/5
続いて初心者向けかどうかという観点で『エデンミル フュージョン』を見ると,味わいだけを見れば初心者向けであると言えるでしょう。
というのも風味の要素はどれも前述の通り飲みやすいものであり,クセらしいテイストがほとんどないため,初心者を退ける要素がほとんどありません。
しかしながら本数の限られた限定ボトルであることや,その価格帯を考慮すると決して手を出しやすい訳ではないため,他に多く存在する入手性やコスパに優れた身近なボトルから飲み進めていくべきと言えるでしょう。
- 入手性:1/5|コスパ:1/5
最後に『エデンミル フュージョン』の入手性とコスパについては,どちらも優れているとは言えないでしょう。
まずこのボトルは日本の有名なサッカー選手とのコラボにより,2022本限定でリリースされた限定商品であることから,今でこそ市場で見かけることが稀にありますが,ゆくゆくは入手不可能となるでしょう。
そして価格帯についても比較的高めに設定されており,若い原酒が使用されているだろう事実や,感じられたそのテイストと照らし合わせると,やや割高に感じられてしまいます。