【特集】ダルユーイン蒸留所(dailuaine)|場所・歴史・製法・味と種類|ウイスキーラウンドアップ

記事の概要

世界中の蒸留所図鑑完成を目標としたシリーズです。

今回はスコットランドより「ダルユーイン蒸留所」になります!

Points!「立地・歴史・伝統的な製法・オフィシャルボトルの簡単な解説」

キーワード

緑の谷間/ジョニーウォーカー/ストラススペイ鉄道/ディアジオ社/花と動物シリーズ

ダルユーインの特徴

ノンピート/フルーティ/甘み/ビター

ダルユーイン蒸留所

蒸留所の立地・歴史・製法についてまとめていきます。

蒸留所の概要

創業年1852年
所有会社デイアジオ社
地域分類スペイサイド
スペイ川中流域
発酵槽ダグラスファー8基
ステンレス2基
ポットスチル初留3基・再留3基
仕込み水バリームーリック川
ブレンド先ジョニーウォーカー

ダルユーイン蒸留所の立地

立地について

ダルユーイン蒸留所はスペイサイドを流れるスペイ川の右岸側を流れる支流、キャロン川を跨ぐように建てられています。

蒸留所近傍にはキャロンの森があり、豊かな自然に囲まれていることがわかります。

スペイ川の中流域は10を超える蒸留所が密集する地域で、ウイスキー作りに最適の土地です。

ちなみにダルユーインはゲール語で「緑の谷間」を意味しています。


ダルユーイン蒸留所の歴史

ダルユーイン蒸留所の歴史を年表形式でまとめていきます!

西暦年内容
1852年ウィリアムマッキンゼーによってダルユーイン蒸留所が創業される
1863年ストラススペイ鉄道が開通したことにより輸送面で大きな利点を得る
1865年マッケンジーが亡くなる
未亡人のジェーンがアベラワーの銀行員であるジェームズ・フレミングに蒸留所を貸し出す
1879年マッキンゼーの息子であるトーマスがフレミングと共にマッキンゼー&Co社を設立する
1884年トーマスらによって蒸留所の拡張が開始される
この際チャールズドイグが設計したパゴダ屋根を導入した初めての蒸留所となる
1898年タリスカー蒸留所と合併してダルユーイン・タリスカーディスティラーズ社が設立される
1915年トーマス・マッキンゼーが亡くなる
蒸留所の所有者がジョンデュワー&サンズ社・ジョンウォーカー&サンズ・ジェイムズブキャナン&Co社となる
1917年蒸留所が火災に見舞われ、パゴダ屋根もろとも崩れ去る
復旧の間は操業停止となる
1920年火災の復旧が完了し、生産が再開される
1925年蒸留所がDCL社によって買収される
1959年再び蒸留所が火災に見舞われる
1960年火災復旧に乗じて蒸留所が拡張される
ポットスチルは4基から6基に増設される
フロアモルティングが廃止され、サラディンボックスが導入される
1965年スチルの加熱方式が蒸気よる間接加熱方式へと変換される
1970年ストラススペイ鉄道が廃線となる
1983年自社でのモルティングが廃止される
1991年16年熟成のボトルが花と動物シリーズとして公式リリースされる
1998年会社合併により所有者がディアジオ社となる
2012年蒸留所の拡張により、生産能力が25%増大される

メモ書き【所有者の変遷】
1851-1884:マッキンゼーファミリー
1884-1898:Dailuaine-Glenlivet Distillers Ltd
1898-1915:Dailuaine-Talisker Distillers Ltd
1915-1925:ジェームズ・ブキャナン&Co/ジョン・ウォーカー&サンズ/ジョンデュワー&サンズ
1925-1986:Distillers Company Limited
1986-1997:United Distillers
1997-現在:Diageo


ダルユーイン蒸留所 製法の特徴

製麦

1960年以前はフロアモルティング、1960〜1983年まではサラディンボックスを使用したモルティングを自社にて行っていました。

1983年に自社モルティングを廃止してからは、製麦業者よりノンピートのモルトを購入しています。

仕入れたモルトはモルトミルにより粉砕し、グリストとした後に糖化の工程へと進みます。

モルトミル 出典:whisky.com

糖化

ダルユーイン蒸留所では仕込み水にバリームーリック川の水を使用しています。

1バッチあたり11.25トンのグリストをステンレス製のフルロイタータン(マッシュタンの一種)へと投入し、糖化が進められます。

完成する麦汁は透明度の高いクリアな色味をしているのが特徴です。

発酵

蒸留所には容量56000リットルのダグラスファー製ウォッシュバックが8基、ステンレス製ウォッシュバックが2基設置されています。

酵母はペースト状のものを使用し、発酵にかける時間は75時間とやや長めです。

ステンレス製のウォッシュバックは屋外に設置されているのが特徴的です。

蒸留

蒸留所には容量18700リットルのウォッシュスチルが3基、容量20500リットルのスピリットスチルが3基設置されています。

形状についてはランタンヘッド型ストレートヘッド型の両方があります。

1960年〜2015年まではポットスチルのうちいくつかがステンレス製であったが、2015年に全て銅製へと変更されています。

加熱方式は蒸気による間接加熱方式を採用しています。

スチル 出典:whisky.com

熟成

ウイスキーの熟成にはバーボン樽を中心に使用しています。

蒸留所内には8棟のウェアハウスがありますが、現在は使われていません。

ウイスキーを詰めた樽は、所外にあるディアジオのウェアハウスへと運ばれて安置されています。

ウェアハウス外観 出典:whisky.com

オフィシャルボトル

ダルユーイン蒸留所のオフィシャルボトルを紹介します!

ダルユーイン16年 花と動物

ポイント

1991年にリリースされて以来、ダルユーイン唯一のオフィシャルボトルです!限定品な感じが漂いますが普通に入手できます!

リッチな甘みとビターさが共存するゴージャスなウイスキーになります。寄り道がてら普段飲まないウイスキーとして楽しむと良いのではないでしょうか!

ー特徴ー

価格帯

Amazon:14900円/楽天市場:14010円(送料込み)

※2022円6月現在

香り

黄桃/クリーム/パフューム系/甘い

味わい

シェリーの甘み/エステリー/若干のビター感

余韻

ビターだが紅茶のような華やかな余韻が長く続く

参考資料

サムネイル画像:google map

参考サイト:MALTS.com scotchwhisky.com whisky.com