記事の概要
管理人によるボトルのレビューを通して、皆様にその魅力を伝える記事です!
「ボウモア12年」は”海のシングルモルト”や”アイラの女王”と称されるボウモア蒸留所の最もスタンダードなボトルになります。
またボウモア蒸留所はアイラ島最古の蒸留所でもあり、深い歴史を持つ素晴らしい蒸留所にです!
そんな深い歴史や唯一の個性を誇るの「ボウモア12年」について…
- 「ボウモア」について
- 「ボウモア12年」の特徴
- 「ボウモア12年」を徹底レビュー
などなど詳しく解説していきます!!・

ボウモアについて
ボウモアの解説
ボウモアはスコットランドのアイラ島、その中心に位置するボウモア蒸留所で作られるウイスキーになります。
ボウモア蒸留所はアイラ島最古の蒸留所であり、スコットランド全体でも1、2を争う長い歴史を誇る蒸留所です。創業以来、自社でのフロアモルティングを続けており、ピートも自社のピートボグ(採掘場)から採取したものを使用しています。
この採掘場はアイラ島南岸の蒸留所と比較して標高の高い場所にあるため、ボウモアはヨード香がさほど強くならず、どことなく乾いた上品なスモーキーさが特徴となります。
また最大の特徴は、創業時より使われ続けている海抜0m地帯に建てられたダンネージ式の第1貯蔵庫です。ここは満潮時には水面化1mに沈むという非常に独特な環境であり、そこで時を刻む原酒たちに他にはない唯一の個性を与えています。伝説級のボトルであるブラックボウモアもここで熟成されていました。
上品なスモーキーさや熟成環境に由来する潮感からボウモアは「海のシングルモルト」や「アイラの女王」とも呼ばれています!
ボウモア蒸留所
ボウモア蒸留所の概要
項目 | 内容 |
---|---|
創業年 | 1779年 |
所有会社 | ビームサントリー社 |
地域分類 | スコットランド アイラ島 |
糖化槽 | ステンレス製セミロイタータン |
発酵槽 | オレゴンパイン製6基 |
ポットスチル | 初留2基・再留2基 |
仕込み水 | ラーガン川 |
ボウモア蒸留所の歴史概要
西暦年 | 内容 |
---|---|
1779年 | ジョン・シンプソンによってボウモア蒸留所が創設される(諸説あり) |
1837年 | 蒸留所がグラスゴーの双子、ウィリアムとジェームズのムター兄弟によって買収される |
1880年頃 | 現存する最古のボトルの一つであるムターボトルの発売時期 |
1980年 | 女王エリザベス2世がボウモア蒸留所を訪問する |
1989年 | 日本のサントリー社が蒸留所の株式を一部購入する |
1994年 | サントリー社が蒸留所の運営権を持つ |
1993年 | 初代ブラックボウモアが発売される |
1994年 | 2代目ブラックボウモアが発売される |
1995年 | 3代目ブラックボウモアが発売される |
2007年 | 827本限定でブラックボウモアが発売される |
2014年 | ビームサントリー社がモリソンボウモアディスティラーズ社を買収する |
2016年 | ブラックボウモア50年ファイナルカスクが発売される |
2020年 | アストンマーティンとのコラボでブラックボウモアが限定発売される |
↓蒸留所の解説記事はこちら↓

【ボウモア12年】ボトルの特徴
ボトル概要
ボウモア12年はボウモア蒸留所のオフィシャルボトルのうち最もスタンダードなボトルです!
まさにアイラの女王らしい上品なスモーキーさが前面に出ており、その優しくも強い個性を秘めた味わいからアイラモルトの入門にピッタリな一本でしょう。
ウイスキーを好きになったならば確実に通らざるを得ません。まだ飲んでいない方は絶対に飲んでおきましょう!!
ボトル外観

諸元
ボトル名 | ボウモア12年 |
地域 | スコットランド アイラ島 |
種類 | シングルモルトウイスキー |
原料 | モルト |
容量 | 700ml (今回は350mlのボトル) |
度数 | 40% |
入手価格 | 約4000円 |
製法と特徴
- 自社にてフロアモルティングを行なっている
▶ボウモアの長い歴史の中で培われた製麦時のこだわりは、間違いなく変わらぬ最高の個性を育む大きな要因となっているでしょう。
- 自社で採取したピートを使用
▶ボウモアのピートボグは比較的高地にあります。そのため海沿いのモルトと比べてヨード感の少ないドライなスモーキーさが特徴となります。
- 創業時から使われるダンネージ式の第1貯蔵庫
▶ボウモアの第1貯蔵庫は創業時から使われており、海抜0mという稀有な環境で熟成されるウイスキーは圧倒的な個性を持ちます。この環境に由来する潮の香りはまさしく「海のシングルモルト」です。
- バーボン樽65%・シェリー樽35%
▶︎バーボン樽由来ののクリーミーな甘さとシェリー樽由来のしっかりとした甘さがバランス良く感じられます。

【ボウモア12年】徹底レビュー!
まずレビューの項目について説明しておきます!
レビュー項目
- 色味
ウイスキーをグラスに注ぎ、目視にて色の濃さを5段階評価します!
- 香り
香りについて私が感じ取った内容をまとめたのち、「フルーティ・スモーキー・モルティ・ウッディネス・フローラル・アルコール感」の6項目についてレーダーチャートで表現します。
- 味わい
味わいについても私が感じ取った内容をまとめたのちに、「甘み・苦み・酸味・塩味・厚み・アルコール感」の6項目についてレーダーチャートで表現します。
- 余韻
余韻の長さを5段階で評価します!!
- 総評(100点満点)
最後にボトルを100点満点で評価し、総評を行います!!
さてさて、それでは早速「ボウモア12年」をテイスティングレビューしていきます!
色味
色味は多少濃いめのゴールドといったところでしょうか!
比較的濃い色合いから、バーボン樽だけではなくシェリー樽原酒が含まれていることが伝わってきます。
短
1 2 3 4 5
長
香り
グラスに注いで遠くから感じる香りは非常にフルーティです!系統はオレンジ系の柑橘であり、モルティな甘さも感じ取れます。
近くで感じる香りはしっかりとしたスモーキーさが前面に出ています。一概にスモーキーといえどアードベッグのような薬品系のヨード感とは大きく異なり、ドライな土のような煙たさが特徴的です!
土感があるのに不思議なのですが、うっすらと夏を思い出すような潮の香りが漂っています。
煙たさや潮感の間からは花のようなフローラルで明るい香りが顔を覗かせています。
これは確かにアイラの女王であり潮のシングルモルトです!!
↓感じ取れる香り↓
ドライなスモーキー/オレンジ/モルティ/潮の香り/フローラル/スパイシー/木の甘み/ウェハース/バニラ

味わい
味わいの第一印象はとても香ばしく乾いたスモーキーさとビターチョコのような甘苦さです!
続いてしょっぱさが引き立てる甘いプリンとキャラメルといった感じの味わいがします。これらのクリーミーな甘さと共に濃厚なオレンジを思わせる柑橘系の味わいが主張してきます。
どっしりとした煙たさがあるにも関わらず甘さやフルーティーさは軽やかに飛び回っているのが不思議でなりません。樽の配合や熟成環境などスコッチ最長級の歴史を誇るボウモアの貫禄をあらためて思い知らされます!
↓感じ取れる風味↓
香ばしいスモーキー/オレンジ/プリン/キャラメル/潮のニュアンス/樽の渋み/スパイシー/重さと軽さの共存

余韻
余韻には香ばしく軽いスモーキーさが残っており、土や醤油のような感覚さえあります。
それらに負けじと甘苦さとスパイシーさもうっすらと生きています。
主体はスモーキーさであり、最後まで程よい煙たさがしっかりと残ります。比較的長い余韻だと思います!
短
1 2 3 4 5
長

総評
最後に総評に入りたいと思います!
早速ですが、気になる点数は…
ー88点ー
点数の理由についてまとめていきます!
まずボウモアにつく異名である「アイラの女王」と「海のシングルモルト」。ボウモア12年の特徴からは確かにこれらの名がついた意味を感じ取ることができます!
アイラモルトらしい煙たさはもちろん、女王を思わせる柑橘系フルーティ感やプリンのような甘さがあります。個性派の中では飲みやすくアイラモルトはこのボトルから飲み始めるべきでしょう。かくいう私も最初に飲んだアイラはボウモア12年でした!
また煙たさや甘さの裏側からはしっかりとした潮感が支えています。主張が強いわけではなくスイカにかける塩のように、本来の味わいを引き立てる役目を果たしています!
多くのウイスキーが持つ特徴を幅広く感じることができ、かつ全体としてはバランスが良いという非常に素晴らしいボトルでした。まだ飲んだことがない方は飲まなきゃ樽ですよ!!
レビューに使用した道具たち
グラス:グレンケアン
ジガーカップ:JOYONEというメーカーのものをAmazonで購入して使っています。
正直計りたい分量が計れるものであれば何でもいいと思います!