記事の概要
管理人によるボトルのレビューを通して、皆様にその魅力を伝える記事です。
今回は…
「オルトモア12年」
当記事では,このボトルについて
などなど詳しく解説していきます!!
\\執筆者情報//
初谷(はつがい)
ウイスキーに関わるあらゆる情報をまとめ,「ウイスキーを知りながらより深く楽しめる記事」を発信しています。
【Shop】ウイスキー専門店『Drinkable books』
【経歴】東京都立大卒|元公務員・ネット酒屋開業
【資格】JWRC公認ウイスキーエキスパート|ウイスキー検定2級
【その他】バンド「Candid moment」のドラマー
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「オルトモア」ってなに?
オルトモアの解説
- オルトモア蒸留所とその特色
『オルトモア蒸留所』は,スコットランドのスペイサイド地方キースの街に所在する,バカルディ社傘下の蒸留所になります。同蒸留所の立つ地域は,霧が深い湿地という意味を込めて”フォギーモス”とも呼ばれる特有の立地。豊富な水源と湿潤な気候から,古くよりウイスキー作りが反映してきた場所の一つになります。
なお「オルトモア」という名称はゲール語に語源を有しており,日本語では”大きな川”という意味を持っています。実際に蒸留所の近傍には,オーヒンデラン川という川が流れており,一説にはこの川のことを指しているとも言われています。
またオルトモアは,所有者であるバカルディ社のブレンデッドブランド”デュワーズ”のキーモルトも務めており,ブレンド需要を満たすためべく,ノンピートタイプの華やかなスペイサイドスタイルの原酒が年間約320万リットル生産されるという,スコットランドの中でも比較的大規模な運営がなされています。
蒸留所の詳細な解説は「蒸留所解説 オルトモア蒸留所」へ。
「オルトモア12年」ボトルの特徴
\\ボトル外観//
\\ボトル諸元//
ボトル名 | オルトモア12年 |
地域 | スコットランド,スペイサイド |
種類 | シングルモルト |
容量 | 700ml |
度数 | 46% |
原酒諸元 | ー |
「オルトモア12年」テイスティングレビュー
さてさて、それでは早速「オルトモア12年」をテイスティングレビューしていきます!
色味
『オルトモア12年』の色味については,中程度よりも多少薄い程度に見え,やや温かみを感じるゴールドといった印象です。客観的な指標としてwhiskys.co.ukの色見本に準えて評価すると,"Deep Gold"くらいであると言えるでしょう。
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香り
- 第一印象
モルティな穀物系の甘み,ハーブや草原のようなフレッシュな印象,滑らかなバニラ系の甘み
アルコールの刺激は少ない|万人受けする華やかさスタイル
- 経時変化で見える要素
青リンゴ系の果実感,爽やかな柑橘果実,ほのかに香ばしいナッツ,自然な蜂蜜の甘み
筆者の一言
香りは非常にクセが少なく,穏やかな優しさに溢れていた印象。しかしながらその内にはしっかりとしたボディと存在感があり,決して無個性ではない大衆向けの香りといった感じですね!
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味わい
- 第一印象
モルティ&ナッティな香ばしさ,柑橘と青リンゴの果実感,草原のような明るい印象
アルコール感は少ない|煙たさは皆無で飲みやすい
- 経時変化で見える要素
トロピカルフルーツの酸味,自然な蜂蜜の甘さ,軽やかなハーブ感
- 余韻に残る要素
ドライな土っぽさ,すっきりシトラス感,ほのかにスパイシー
筆者の一言
味わいでは非常に飲みやすい優しいボディの上に,柑橘系のフレッシュな甘みを感じることができる,華やかさ特化型の銘柄であった印象です。ややドライな後味を持ちながら爽快感が抜群であるため,ハイボールとの相性が抜群に良いです!
「オルトモア12年」総評
最後に総評に入りたいと思います!まずは風味の各要素をグラフ化してみてみましょう!
さてさて、気になる点数は…
点数の理由と評価
- 香り:4/5|味わい:4/5
まず『オルトモア12年』の香りと味わいについては,スペイサイドモルトらしいノンピートタイプの華やかな風味を主軸にし,柑橘や青リンゴ,そして草原のようなフレッシュな情景が脳裏に浮かんでくる点が非常に魅力的でした。
アルコールの刺激や煙たさ等の個性的な要素はほとんどなく,万人に愛される華やかさに特化している。けれども決して薄さや弱さは感じさせない,足腰のしっかりとした力強い存在感を発見することができました。流石デュワーズのキーモルト!
- 初心者向け度:5/5
続いて初心者向けかどうかという観点で『オルトモア12年』を見てみると,最適であると言えます。
というのもレビューでも触れているように,「刺激なし・煙たさなし・華やかさアリ」という風味の構成は,初心者に最適な特徴であるといって間違い無いでしょう。しかしながら決してパワフルではない風味は,裏を返すと,ウイスキーらしい味やアルコール感に既に苦手意識がある人には適さない可能性があります。そのような人は意外と味の濃い銘柄が向いているかもしれません。
- 入手性:3/5|コスパ:2/5
最後に『オルトモア12年』の入手性とコスパについては,入手性は普通・コスパはちょっと悪いと言えます。
まず入手性については,オルトモア自体が比較的最近になってからオフィシャルシングルモルト化したこともあり,かなりウイスキーに特化した専門店か通販でないと入手が難しいように感じています。ただ人気故の品薄などではないため,手段を選ばなければ入手自体は困難ではありません。
そしてコスパに関しては,Amazonや酒屋さん店頭の価格は概ね7,000円台後半程度となっており,コスパを考えると少々購入を躊躇してしまうかもしれません。というのも味わいは割と軽快であり,家飲みハイボールのような用途に適しているのですが,家飲み用にしてはちょっと割高ですよね。よって頑張っている自分へのご褒美が欲しい時に購入してみると良いかもしれません!