記事の概要
管理人によるボトルのレビューを通して、皆様にその魅力を伝える記事です!
「デュワーズ イリーガルスムース8年」は2022年に発売されたデュワーズの限定ボトルです。
そんな限定品のデュワーズイリーガルスムース8年について…
- 「デュワーズ」ってなに?
- 「デュワーズ イリーガルスムース8年」の特徴
- 「デュワーズ イリーガルスムース8年」を徹底レビュー
などなど詳しく解説していきます!!
「デュワーズ」ってなに?
デュワーズの解説
デュワーズは世界的に名の知れた、スコッチウイスキーを代表するブレンデッドウイスキーのブランドになります。
その歴史は非常に深く、初めてガラス製のボトルを採用した企業であることや、一説にはハイボールの起源であるとも言われるほど、今のウイスキー文化の基礎を築いたブランドであると言えるでしょう。
デュワーズはブレンデッドウイスキーであるため、複数の蒸留所のモルトとグレーンがブレンドされています。キーモルトといわれる味わいの中核を担うモルト(後述します)は5種類あり、それらをベースに風味を整えるために、さらに数多くの原酒がバッティングされています。
デュワーズの最も特徴的な製法として「ダブルエイジ製法」があり、個々の樽で熟成された原酒をブレンドしたのちに再び樽で熟成させるという手順を取っています。これにより原酒の個性が滑らかに混ざり合い、非常にスムースな口当たりを実現しています!
キーモルト
- アバフェルディ蒸留所
アバフェルディはデュワーズの最も中心的な味わいを担うキーモルト中のキーモルトです。特有のクリーミーさや蜂蜜の甘さ、柑橘感などの風味がデュワーズに生かされています!
- オルトモア蒸留所
オルトモアはアバフェルディに次いでデュワーズの風味を支えている中核のモルトになります。スペイサイドらしい華やかでフルーティな味わいをデュワーズに付与しています!
- ロイヤルブラックラ蒸留所
ロイヤルブラックラは非常に甘味とフルーティさが強いモルトになります!(個人的にかなり好きなモルト…)
- クライゲラキ蒸留所
クライゲラキはモルティな甘味と複雑で多様なフルーツの味わいを持つモルトです!
- マクダフ蒸留所(デヴェロン)
マクダフは元来のフルーティさに加えて熟成環境に由来する潮感が特徴的なモルトです!
歴史
デュワーズの歴史は1846年にジョン・デュワーがジョン・デュワー&サンズ社を創設し、自分のブランドでブレンデッドウイスキーの販売を始めたところに遡ります。ジョンはこれまで17年に渡るワイン・スピリッツ商の経験を経ており、この時は40歳でした。
ジョンは1880年に亡くなってしまいますが、2人の息子が事業を引き継ぎ、彼らによってイギリス国内にデュワーズが広められます。そして1891年にはアメリカから大統領宛にデュワーズの樽を届けて欲しいという連絡が入り、その名がアメリカに広まることとなります。
1906年には現在まで継続的に販売されている「デュワーズ ホワイトラベル」をリリースしました。このボトルが禁酒法解禁直後のアメリカで大流行したことにより、世界的に有名な銘柄としてその名を広く知らしめることとなったのです。
「デュワーズ イリーガルスムース8年」ボトルの特徴
ボトル概要
通常のデュワーズでも採用されているダブルエイジ製法を適用したのち、さらに最後にメスカル樽で仕上げるという非常にユニークな製法を経て作られたウイスキーになります。
メスカルはリュウゼツランを主原料としたメキシコの蒸留酒(テキーラなどが含まれる)の総称であり、特に「ILEGAL」と呼ばれるブランドの樽を使用しています。
デュワーズらしい滑らかな口当たりにほのかなスモーキーとグリーンペッパーを思わせるスパイシーさが特徴的な限定ボトルです!
ボトル外観
諸元
ボトル名 | デュワーズ イリーガルスムース8年 |
地域 | スコットランド |
種類 | ブレンデッドウイスキー |
原料 | モルト・グレーン |
容量 | 700ml |
度数 | 40% |
入手価格 | Amazon:2768円/楽天市場:3150円 2022年6月現在 |
製法と特徴
- ダブルエイジ製法を適用
▶ブレンドされた原酒のまとまりがよくなり、スムースな口当たりとなる。
- メスカル樽でフィニッシュ
▶メスカルのスモーキーなフレーバーやスパイシーな風味がウイスキーに付与されている。
「デュワーズ イリーガルスムース8年」徹底レビュー!
まずレビューの項目について説明しておきます!
レビュー項目
- 色味
ウイスキーをグラスに注ぎ、目視にて色の濃さを5段階評価します!
- 香り
香りについて私が感じ取った内容をまとめていきます!
- 味わい
味わいについても私が感じ取った内容をまとめます!
- 余韻
余韻の長さを5段階で評価します!!
- 総評(100点満点)
ボトルのポジティブな風味とネガティブな風味を10段階で評価し、レーダーチャートで表現します!
ポジティブで獲得した点数からネガティブの点数を引くことにより、ボトルを100点満点で評価します!!
また総評を文章にて取りまとめていきます!
さてさて、それでは早速「デュワーズ イリーガルスムース8年」をテイスティングレビューしていきます!
色味
色味は若干濃いめの金色ですね!
メスカルというと色味が薄いお酒のイメージがあったので、比較的濃い色味というのは予想外でした。
短
1 2 3 4 5
長
香り
香りの第一印象としてアイラモルトに見られるスモーキーさや干草感に近い要素を感じるのですが、どこか同じではない感覚。これがメスカルに由来するものということでしょう!
次いで麦芽の甘みとクリーミーなキャラメルのような甘み、そしてウエハースのような甘い香りが感じ取れます。香り全体として主たる部分はこれらの甘さですね!
公式にて表現されているグリーンペッパーのスパイシーさというのも、奥の方からではありますが確かに感じます。
若干の薬品感に近い乾いた香りも感じられますがネガティブという感じでもないので、このボトルの良き個性の範疇でしょう。
↓感じ取れる香り↓
薄くスモーキー/干草/キャラメル/クリーミー/バニラ/ウエハース/グリーンペッパー/薬品/乾いている
味わい
味わいの第一印象としてはとてもドライで、アイラモルトに近い干草とスモーキーな香りがやはり感じられます。
ビターさとスパイシーさが前面に出ており、若干しょっぱさを感じるほどです。かなり個性が際立っているという印象を受けます!
甘さもしっかりとあり、系統としては塩キャラメルと穀物由来の甘さが主軸にあります。
主たる味わいはスパイシーさでしたが、単なるスパイス感ではなく、しっかりとした塩味を伴っていたのが印象的でした!
↓感じ取れる風味↓
干草/軽いスモーキー/塩味/ビター/スパイシー/胡椒系/塩キャラメル/穀物の甘み/かなりドライ
余韻
余韻はかなり短く、キレッキレですね。味わい自体もドライ感が強く、淡白な印象があったので余韻の短さは予想通りでした。
最後まで残るのは若干の煙たさと塩味を伴うスパイシーさでした!かなり個性的であり、まさしく唯一な風味であったと思います。
短
1 2 3 4 5
長
「」飲み方について
さて、ここまではストレートにてボトルのレビューをしてきました。
そこで「」はどの飲み方が一番美味しいのでしょうか。王道の飲み方である「トゥワイスアップ・ロック・ハイボール」の3種類で比較してみましょう!
飲み方について深く掘り下げた記事も書いているのでご参考までにリンクを貼っておきます!
トゥワイスアップ
ポイント
ストレートの時点で華やか系の要素が乏しかったため,加水ではドライな口当たりとメスカル樽由来のスパイシーさがより強調されたように感じました。メスカル特有の干草のような独特なスモーキー感も健在のため,このボトルの個性はしっかりと残ります。
それらと共にカラメルのようなコゲ感を伴うビターな甘さが主張を強めており,微かな甘みと,それに対する強いビター感・スパイシー感という構図が成立しています。
ロック
ポイント
ロックでは胡椒系のスパイシーさとウッディなビター感が前面に出てきました。またストレートと比べて僅かではありますがスモーキーなニュアンスも感じやすくなった印象があります。
上記のテイストが強くなっているのは確かなのですが,クリーミーな甘みも確かに強化されており,飲みやすさが確保されています。柑橘の要素や草原のような草の香りも健在であり,想像よりかはネガティブな印象がありませんでした。
ハイボール
ポイント
ハイボールにおいては,ストレートでも感じられた草っぽい香りと胡椒のようなスパイシー感と炭酸の相性が非常によく,ドライで爽快な鋭いテイストが最高にフィットしていました。
甘みが比較的控えめであることから色々な料理にも合わせやすく,特にハーブやスパイスが活用された料理を食べる際に,食中酒として採用される余地があるでしょう。
おすすめの飲み方
「デュワーズイリーガルスムース」のおすすめの飲み方は「ハイボール」です!
このボトルが持つ独特のスパイス感や干草系のスモーキー感,そしてドライな口当たりは圧倒的にハイボールとの相性に優れていました。
個性的な要素が強いが故に汎用性には欠けますが,料理を選べば食中酒として最高にマッチするケースが十分にあるでしょう。単体で飲む際も晩酌の終わり際にハイボールで飲むと,爽快かつドライに,後腐れなく眠りにつけるものと思えます。
総評
最後に総評に入りたいと思います!まずはレーダーチャートから!
さてさて、気になる点数は…
ー55点ー
点数の理由についてまとめていきます!
まずブレンデッドのブレンデッドの超王道であるデュワーズがリリースした限定品という事実だけで、経験として飲んでみる価値があるでしょう。
ボトルのコンセプトも斬新なメスカル樽フィニッシュということであり、たしかに既存のウイスキーとは違った方向性を感じることができました。
デュワーズらしい甘さは控えめな主張となり、メスカル樽由来の独特の煙たさと鬼のようなスパイシーさが非常に興味深かったです!
しかしかなり特徴的な風味であるので初心者におすすめはし難いかなぁ、というのが正直なところ(泣)
とはいえ限定品のため、今飲まなければいずれ入手困難となってしまうことを考えると、余裕のある方は今のうちに買っておくべきなのは確実でしょう。
レビューに使用した道具たち
グラス:グレンケアン
ジガーカップ:JOYONEというメーカーのものをAmazonで購入して使っています。
正直計りたい分量が計れるものであれば何でもいいと思います!