記事の概要
管理人によるボトルのレビューを通して、皆様にその魅力を伝える記事です。
今回は…
「キリン・シングルモルトウイスキー富士」
当記事では,このボトルについて
などなど詳しく解説していきます!!
\\執筆者情報//
初谷(はつがい)
ウイスキーに関わるあらゆる情報をまとめ,「ウイスキーを知りながらより深く楽しめる記事」を発信しています。
【Shop】ウイスキー専門店『Drinkable books』
【経歴】東京都立大卒|元公務員・ネット酒屋開業
【資格】JWRC公認ウイスキーエキスパート|ウイスキー検定2級
【その他】バンド「Candid moment」のドラマー
各種SNSも運用中!
「富士」ってなに?
富士の解説
『富士』というウイスキーブランドは,日本の静岡県に所在する富士御殿場蒸留所が展開しています。
この富士御殿場蒸留所は1972年にキリンビール,シーグラム,シーバスブラザーズ社の3社合弁によって設立されており,モルトウイスキーとグレーンウイスキーの両者を生産することのできる複合的な工場として知られています。
その立地は標高620mに及ぶ富士山の麓であり,冷涼かつ湿潤な気候。仕込み水は地下100mから汲み上げた硬度55度の軟水であり,生み出されるウイスキーはどれも日本のシンボル”富士山”の環境から個性を獲得しています。
近年徐々に「富士」を題したボトルリリースが充実してきており,2020年に「シングルグレーン富士」,2022年に「シングルブレンデッド富士」,そして2023年5月16日に「シングルモルト富士」がラインナップに加えられました。
「シングルモルト富士」ボトルの特徴
\\ボトル外観//
\\ボトル諸元//
ボトル名 | キリン・シングルモルトウイスキー富士 |
地域 | 日本・静岡県 |
種類 | シングルモルト |
原料 | モルト |
容量 | 700ml |
度数 | 46% |
\\製法と特徴//
- 容量4,000L程度の小型ポットスチルで蒸留
▶︎蒸気の環流が生じにくく,ウイスキーがヘビーかつ力強い味わいを獲得している - バレルエントリー時の度数が50.5%(一部例外あり)
▶︎通常よりも低い度数で樽詰めすることにより,熟成の進行が穏やかになる
「シングルモルト富士」テイスティングレビュー
さてさて、それでは早速「シングルモルト富士」をテイスティングレビューしていきます!
色味
色味は中程度と言うには濃いように見え,鮮やかな琥珀色といった感じです。
薄
1 2 3 4 5
濃
▼
香り
香りの第一印象は,圧倒的に強力なバニラ系のクリーミーな甘さと,アメリカンウイスキーチックな溶剤系のエステリー感でした。わかりやすく表現するならば,クリーミーで滑らかで甘さが中心といった感じです。
時間の経過とともに,キャラメルのような甘み,ビターオレンジのようなリアルなフルーツ感,クリームブリュレの甘みなどの要素が開いてきており,香りではアルコールの刺激がほとんどありません。
香りの総評としては,バニラ感やフルーティ感,そしてエステリー感などにおいて,所謂バーボン樽系のウイスキーらしさが際立っており,個性的な要素が少ないことからネガティブな印象を全く受けませんでした。とても良い香り。
↓感じ取れる香り↓
クリーミーなバニラ|溶剤エステリー|キャラメル|ビターオレンジ|クリームブリュレ
▼
味わい
味わいの第一印象は香りの印象と大きな相違はなく,エステリーな溶剤系の華やかさと,バニラの鞘を思わせる強力なバニラの甘みでした。ボディはミディアムで,がっつりクリーミーな甘みですが,46%という度数も相まってアルコール刺激は少し感じられてしまいます。
その他に感じられた要素を順々に羅列していくと,甘み豊かなオランジェ,ビターなキャラメル,木でできた山小屋のようなウッディ感,色鮮やかなフルーツケーキなども感じられます。
関係の有無は定かではありませんが,グレーンやバーボンの設備・生産技術も保有している富士御殿場蒸留所だからなのか,それらの風味が落とし込まれたシングルモルトといった印象でした。
バーボン調のクリーミーさとモルトウイスキーらしいフルーティ感は,まるでフルーツケーキのようであり,率直にとてもおいしかったです。
↓感じ取れる風味↓
溶剤エステリー|バニラの鞘|オランジェ|ビターキャラメル|ウッディ|フルーツケーキ
▼
余韻
余韻に残る要素も香り・味わいの印象から一貫しており,エステリー感とバニラ,キャラメルの濃い甘さでした。長さは中程度で,終わり側にダークチョコのようなビターさが強くでてからキレていきます。
短
1 2 3 4 5
長
「シングルモルト富士」総評
最後に総評に入りたいと思います!まずは点数とレーダーチャートを発表します!
点数の理由と評価
まず「シングルモルト富士」の香りと味わいについては,ちゃんとしたモルトウイスキー感を土台とし,そこにバーボンライクなエステリー感やバニラ感がうまく落とし込まれた様な印象でした。
よって全体としては,超クリーミーな甘さとフルーティ感が融合したデザート,さながらフルーツケーキのように満足感のある濃い甘みのウイスキーとして非常に魅力的であった様に思います。
初心者向けかどうかという観点に立ってみると,甘さ中心でクセのないテイストということで,特にマイナスとなる要素はありません。しかしながら口に含んだ際のアルコール刺激が少し残っているので,飲む際は加水の用意をしておきましょう。
最後にコスパと入手性については,発売と5月16日と直近であるため,現状は未知数な部分が多いというのが正直なところ。
正規の価格である5,000円強程度で常時入手可能ならば,最近のウイスキーブームの中ではコスパ良好なジャパニーズシングルモルトに食い込んでくるでしょう。
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レビューに使用した道具たち
グラス:グレンケアン
ジガーカップ:JOYONEというメーカーのものをAmazonで購入して使っています。
正直計りたい分量が計れるものであれば何でもいいと思います!