記事の概要
管理人によるボトルのレビューを通して、皆様にその魅力を伝える記事です。
今回は…
「オールドオーバーホルト4年」
当記事では,このボトルについて
などなど詳しく解説していきます!!
\\執筆者情報//
初谷(はつがい)
ウイスキーに関わるあらゆる情報をまとめ,「ウイスキーを知りながらより深く楽しめる記事」を発信しています。
【Shop】ウイスキー専門店『Drinkable books』
【経歴】東京都立大卒|元公務員・ネット酒屋開業
【資格】JWRC公認ウイスキーエキスパート|ウイスキー検定2級
【その他】バンド「Candid moment」のドラマー
各種SNSも運用中!
「オールドオーバーホルト」ってなに?
オールドオーバーホルトの解説
- 蒸留所とブランドの歴史
「オールドオーバーホルト」はライウイスキーの代名詞的ブランドのひとつであり,1987年以降現在にかけてはウイスキーの生産をケンタッキー州のジムビーム蒸留所が手掛けています。
ブランドの歴史は1810年にまで遡り,ドイツ移民の家系に当たるアブラハム・オーバーホルト氏がペンシルベニアで誕生させたことが知られています。
そして当時のペンシルベニアでは,ドイツ系移民によるライ麦栽培が盛んであったこともあり,ライウイスキーに特化したブランドとして発展してきたと言えるでしょう。
ブランドの創設から今日まで,ウイスキーは絶え間なく生産されてきたことが知られていますが,ペンシルベニアの生産施設は1951年に閉鎖されており,そこから1987年に生産拠点がジムビームとなるまでの間にどこで生産されていたかは定かではないとのことです。
- ライウイスキーの定義
改めてライウイスキーの定義を下記にまとめておきます。
- 原料の51%以上がライ麦
- 160プルーフ以下で蒸留
- 125プルーフ以下で樽詰め
- 内側を焦がしたオークの新樽で熟成
- 2年以上の熟成でストレートライウイスキーを名乗れる
今回レビューするオールドオーバーホルト4年は,上記の要素を全て満たしつつ,ライ麦の使用量は59%,4年熟成ということで,れっきとしたストレートライウイスキーということになりますね。
「オールドオーバーホルト4年」ボトルの特徴
\\ボトル外観//
\\ボトル諸元//
ボトル名 | オールドオーバーホルト4年 |
地域 | アメリカ,ケンタッキー州 |
種類 | アメリカンウイスキー ▶︎ストレートライウイスキー |
原料 | グレーン・モルト (59%ライ麦) |
容量 | 750ml |
度数 | 43% |
飲んだ場所 | リカマン店頭試飲 |
\\製法と特徴//
- 原料の59%がライ麦
▶︎ライ麦由来の独特なスパイシー系の穀物感が強く得られており,非常にライウイスキーらしい味わいとなっている - 4年の熟成年数
▶︎アメリカンウイスキーにしては長めの熟成期間を設けており,円熟味のある存在感豊富なフレーバーが生まれている
「オールドオーバーホルト4年」テイスティングレビュー
さてさて、それでは早速「オールドオーバーホルト4年」をテイスティングレビューしていきます!
色味
色味については,どちらかといえば少し薄めくらいの様に感じられ,鮮やかなゴールドといった印象です。
客観的な指標としてwhiskys.co.ukの色見本に準えて評価すると,イエローゴールドよりは少し薄いくらいであると言えるでしょう。
▼
香り
- 第一印象
ライ麦らしいドライな穀物感,ほのかな溶剤感,スパイシー
- 経時変化で見える要素
枯れかけの草原,焼いた木のビター感,バニラ系の甘さ
筆者の一言
しっかりとしたライウイスキーの要素を感じます。
枯草やライ麦感などドライな印象に長けていますが,決して敬遠される様なものではなく,まさにライウイスキー入門といった感じですね。
▼
味わい
- 第一印象
ドライかつスパイシーな穀物感,紅茶の茶葉,わずかに溶剤感
- 経時変化で見える要素
焼いた木のビター感,枯れかけの草,紅茶風味のマフィン
- 余韻に残る要素
ブラックコーヒーのようなビター感,控えめなバニラと溶剤感
筆者の一言
ライウイスキーらしいドライ&スパイシー感とバーボンっぽさの合体。穀物の味と独特な紅茶感が融合し,まさに紅茶風味のマフィンと言うとしっくり来ます。
余韻のコーヒー感も合わせれば実質アフタヌーンティー。
「オールドオーバーホルト4年」総評
最後に総評に入りたいと思います!まずはレーダーチャートから!
テイストの特徴は
「フローラル&シリアル&ウッディ(紅茶&ライ麦&焼いた木)」でした!
さてさて、気になる点数は…
点数の理由と評価
- 香り:3/5|味わい:4/5
『オールドオーバーホルト4年』の香りと味わいについては,ライウイスキーの代名詞的存在と言われる,ブランドの前提情報に合致したものであったように思います。ライ麦感がしっかりと出ていてナイスでした。
しかし香りと味わいでは若干印象が異なり,香りではライ麦らしいドライ&スパイシー感と僅かなバーボン感が中心でしたが,味わいではライ麦感はそのままに,紅茶のような華やかさを強く感じることができました。
素朴ながらも,ライウイスキーらしさをしっかり持ち,全体としてはどこか紅葉の際立つ秋ど真ん中の情景を想像させる儚げなテイストでした。
- 初心者向け度:3/5
初心者向けかどうかと言う観点では,ウイスキーという膨大な括りで見てしまうと見劣りしがちですが,ストレートライウイスキーというニッチなジャンルの中では最強格と言えるでしょう。
しっかりとしたライウイスキーらしさがありながら,ちゃんと飲みやすいので,”ライウイスキーの味わいが気になる”という方には,全力でこの「オールドオーバーホルト4年」をお勧めします。
- 入手性:4/5|コスパ:5/5
最後にコスパと入手性については,どちらもかなり良心的な部類に入ってくると言えるでしょう。
決してメジャーなジャンルではないため店頭ではあまり見かけませんが,通販では普通に見つけることができ,入手性はあまり問題とはならないでしょう。
コスパについても,ボトル自体があまり多くないストレートライウイスキーというジャンルの代表格をこの価格帯で味わうことができるというのは,非常に魅力的なポイントだと考えられます。
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レビューに使用した道具たち
グラス:グレンケアン
ジガーカップ:JOYONEというメーカーのものをAmazonで購入して使っています。
正直計りたい分量が計れるものであれば何でもいいと思います!