記事の概要
管理人によるボトルのレビューを通して、皆様にその魅力を伝える記事です。
今回は…
「ザ・ディーコン」
当記事では,このボトルについて
などなど詳しく解説していきます!!
\\執筆者情報//
初谷(はつがい)
ウイスキーに関わるあらゆる情報をまとめ,「ウイスキーを知りながらより深く楽しめる記事」を発信しています。
【Shop】ウイスキー専門店『Drinkable books』
【経歴】東京都立大卒|元公務員・ネット酒屋開業
【資格】JWRC公認ウイスキーエキスパート|ウイスキー検定2級
【その他】バンド「Candid moment」のドラマー
各種SNSも運用中!
「ディーコン」ってなに?
ディーコンの解説
- ブランドの特徴
『ザ・ディーコン』は,2024年4月15日にペルノリカール社が発売した,プレミアムなブレンデッドスコッチウイスキーになります。
印象的なコッパーカラーの外観については,ウイスキー作りの要となるポットスチルをイメージしたものとなっている他,ブランドタイトルのディーコンには,スコットランド語で「熟達で堪能な名匠」という意味があり,機材や職人への敬意がデザインに昇華されています。
そしてこのディーコンを構成する原酒については,アイラ島のピーティなモルト原酒と,スペイサイド地方の焚き火のような煙たさを持ったスモーキーなモルト原酒を中心とし,華やかなオレンジ系のテイストを持った原酒も加えられているがとされています。なおペルノリカール社はスペイサイドの蒸留所とスキャパしか傘下に収めていないはずなので,アイラ島の原酒がどこのものかは予測不可能。そしてスペイサイドの蒸留所にしても,ライトピートスタイルの蒸留所しか無いはずなので,焚き火っぽいスモーク感が特徴ということならば,こちらも具体的な蒸留所名は予測できなさそうです。
「ザ・ディーコン」ボトルの特徴
\\ボトル外観//
\\ボトル諸元//
ボトル名 | ザ・ディーコン |
地域 | スコットランド |
種類 | ブレンデッドウイスキー |
容量 | 700ml |
度数 | 40% |
原酒諸元 | スモーキーなアイラモルト スモーキーなスペイサイドモルト |
「ザ・ディーコン」テイスティングレビュー
さてさて、それでは早速「ザ・ディーコン」をテイスティングレビューしていきます!
色味
『ザ・ディーコン』の色味については,スモーキー系のブレンデッドというイメージから連想されたものよりも濃く感じられ,ほのかに琥珀みがかった金色といった印象です。
客観的な指標としてwhiskys.co.ukの色見本に準えて評価すると,"Deep Copper"くらいであると言えるでしょう。
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香り
- 第一印象
アイラモルトの強いヨーディピートスモーク,夜っぽい潮風,オレンジの甘みと柑橘の苦味
アルコール感はほとんどない|雰囲気は軽やかでキツくはない
- 経時変化で見える要素
穀物系の香ばしさ,焚き火のスモーク感,ほのかにスパイシー薫る,キャラメル
筆者の一言
香り全体の印象については,ベーシックなブレンデッドブランドと比べると,アイラモルト譲りのヨーディなスモーク感が非常に強く感じられます。しかしながらスペイサイドらしい軽快さが基礎にあるので,割とすんなり受け入れられる印象でした!いい感じの個性!
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味わい
- 第一印象
しっかりスモーキー,アイラモルト様のヨーディピート,舌触りは繊細で軽やか
アルコール感はほとんどなし|煙たいが飲みづらくは無い
- 経時変化で見える要素
夜のムーディな潮風,塩味穀物ビスケット,濃い柑橘ジャム,スパイシーな刺激感
- 余韻に残る要素
ウッディな深い苦味,強力な木炭系の煙たさ
筆者の一言
味わいにおいてもアイラモルトを連想させる煙たさが強力。しかし舌触りやボディは繊細で飲みやすいのが面白いところ。そしてピート感と塩穀物感からはキルケランHPが連想されますね!
「ザ・ディーコン」総評
最後に総評に入りたいと思います!まずは風味の各要素をグラフ化してみてみましょう!
さてさて、気になる点数は…
点数の理由と評価
- 香り:4/5|味わい:5/5
まず『ザ・ディーコン』の香りと味わいについては,第一印象にアイラモルト特有のヨーディなピート感がしっかりと感じられるのが重要なポイント。しかしながら特に味わいにおいては,舌触りが非常に繊細となっており,アイラモルトからパンチの強さを引き算したかのような風味を楽しむことができました。
総じてブレンデッドウイスキーとしてはかなり個性派で,決して万人に好まれるものとは言えないものの,このボトルに深い魅力を見出す人も多く居そうと感じました。ちなみに玄人向けではありますが,ハイボールで飲むとめちゃめちゃ美味しいです。
- 初心者向け度:2/5
続いて初心者向けかどうかという観点で『ザ・ディーコン』を見てみると,やや難ありといったところです。
というのも”アイラモルトの煙たさ”というのはかなり独特であり,初心者におすすめするのが難しいというのは周知の事実がと思います。しかしながらこのディーコンに関しては,舌触りやボディがとても軽快なため,アイラモルトの風味をフワフワと捉えることができます。よっていずれアイラモルトを飲みたいと考えている人であれば,このディーコンが入門に最適な銘柄となる可能性が十分にあります。
- 入手性:ー/5|コスパ:4/5
最後に『ザ・ディーコン』の入手性とコスパについては,入手性は未だ不透明,コスパは人によっては良いと捉えられるといった感じです。
まず入手性については,発売からまだ日が浅いということで,大手の酒屋さんの店頭では徐々に見かけるようになってきましたが,大手通販などでは未だ出品されていない様なので,現状評価は控えさせていただきたいと思います。兎角,今ディーコンが欲しい方は「やまや」さんの店頭で多く発見されている様ですので,是非探してみてください。
そしてコスパについては,価格が概ね4,000円弱程度ということで,ブレンデッドウイスキーとしてはやや高めに思えます。しかしながら大衆向けの構成ではなく,プレミアムを意識して個性を出したブランドということで,価格に十分見合うだけの価値を感じました。特にアイラモルトを好まれる方には是非一度飲んでみて欲しい銘柄です。
(そしてなんといっても見た目がかっこいい…)