記事の概要
管理人によるボトルのレビューを通して、皆様にその魅力を伝える記事です!
「ガイアフローウイスキー ブレンデッドM」は静岡蒸留所「気軽に楽しめる静岡のウイスキー」としてリリースしたブレンデッドウイスキーです。
そんなブレンデッドMについて…
- 「静岡蒸留所」ってなに?
- 「ブレンデッドM」ボトルの特徴
- 「ブレンデッドM」を徹底レビュー
- 「ブレンデッドM」飲み方について
などなど詳しく解説していきます!!
↓YOUTUBEでも取り上げています↓
「静岡蒸留所」ってなに?
静岡蒸留所の解説
ブレンデッドMはガイアフロー静岡蒸留所が,「気軽に楽しめる静岡のウイスキー」として。2022年の2月にリリースしたブレンデッドウイスキーになります。よってここでは静岡蒸留所の概要的な解説を挟んでおきます!
静岡蒸留所は2016年に創業した新興の蒸留所であり,KとWという2基の初留用ポットスチルに特筆すべき個性を持っています。このKはかつて日本にあった軽井沢蒸留所で使用されていたスチルであり,軽井沢のボトルが数百万円単位の高値で取引されている現状からも大きな話題を呼びました。
一方でWは創業時にオーダーメイドで作られた,スコットランドのフォーサイス製になります。これが一般的な装備ではなく,加熱を薪直火式で行い,約800℃(通常の蒸気式だと150℃程度)にも上る高温で蒸留を行うという世界でも類を見ない作りとなっています。
このような個性的なポットスチルで蒸留されるウイスキーは唯一の個性を形成し,静岡のアイデンティティとなります,
また静岡蒸留所は年間生産量が約7万リットルしかないことから,まだまだシングルモルトの安定供給には程遠い現状がありました。そこで静岡の味を気軽に味わえるように,外国産の原酒を活用しつつ,KとWで蒸留された静岡のウイスキーをキーとして作られたブレンデッドウイスキーこそが,今回のブレンデッドMでした!
静岡蒸留所
蒸留所の概要
項目 | 内容 |
---|---|
創業年 | 2016年 |
所有会社 | ガイアフロー・ディスティリング社 |
地域分類 | 日本 静岡 |
糖化槽 | ステンレス製フルロイタータン |
発酵槽 | オレゴンパイン製4基 静岡杉製6基 |
ポットスチル | 初留2基・再留1基 |
仕込み水 | 敷地内の井戸水 |
「ブレンデッドM」ボトルの特徴
ボトル外観
諸元
ボトル名 | ガイアフローウイスキー ブレンデッドM |
地域 | 日本 静岡 |
種類 | ブレンデッドウイスキー |
原料 | モルト・グレーン |
容量 | 700ml |
度数 | 48% |
入手価格 | 3,960円 |
概要
ブレンデッドMは前述の通り,「気軽に飲める静岡のウイスキー」としてリリースされたブレンデッドウイスキーです。KとWで蒸留された静岡のモルトウイスキーのほか,海外産の原酒を静岡蒸留所内で熟成させたものも使用されているため,純粋なジャパニーズウイスキーではありません。
ラベルや化粧箱に見られるテーマカラーのオレンジ色は,静岡の名産であるみかんをイメージしており,このブレンデッドMを通して「多くの出会い生まれるように」という願いが込められています。
製法と特徴
- 軽井沢蒸留所のポットスチル「K」
▶Kで蒸留されたウイスキーは軽やかかつ華やかな性質を得ています。 - 薪直火蒸留を採用した独自のポットスチル「W」
▶高温で蒸留するため,力強くフルボディな酒質が得られています。 - 杉材で作られたウォッシュバック
▶杉に潜む乳酸菌などの影響によって,個性的な木のニュアンスが付与されます。 - 度数高めの48%でボトリング
▶︎度数と風味の濃淡は直結しており,高めの度数では様々な飲み方で美味しさが映えます。
「ブレンデッドM」徹底レビュー!
まずレビューの項目について説明しておきます!
レビュー項目
- 色味
ウイスキーをグラスに注ぎ、目視にて色の濃さを5段階評価します!
- 香り
香りについて私が感じ取った内容をまとめていきます!
- 味わい
味わいについても私が感じ取った内容をまとめます!
- 余韻
余韻の長さを5段階で評価します!!
- 総評(100点満点)
ボトルのポジティブな風味とネガティブな風味を10段階で評価し、レーダーチャートで表現します!
ポジティブで獲得した点数からネガティブの点数を引くことにより、ボトルを100点満点で評価します!!
また総評を文章にて取りまとめていきます!
さてさて、それでは早速「ブレンデッドM」をテイスティングレビューしていきます!
色味
色味は概ね中程度の印象で,オレンジがかった金色といった感じですね。
オレンジに見えてしまうのはラベルの印象もあるのでしょうか…
短
1 2 3 4 5
長
▼
香り
香りの第一印象はオレンジの甘さとフレッシュ感と,木造物件や木桶のような独特のウッディ感でした。
続いて芳香剤系の無機質なフローラル感や,パッションフルーツやバナナなどの南国のフルーツ感,エステリー香が感じられます。
そしてバニラを基調とし,クリーミーでミルクキャラメルのような甘さに移ろっていきます。最後には胡椒系のドライなスパイシー感が残っています。
香り全体としては新築の家の要素が満遍なく存在していて,これは他のウイスキーでは感じたことのない非常に個性的なテイストでした。
↓感じ取れる香り↓
柑橘のフレッシュ感/オレンジの甘さ/新築木造物件/ヒノキ風呂/芳香剤/無機質なフローラル感/パッションフルーツ/バナナ/バニラ/ミルクキャラメル/胡椒系スパイシー
▼
味わい
味わいの第一印象は,香りで感じた木造物件感やヒノキ風呂の要素がそのまま伝わってきたほか,グレープフルーツや柑橘の皮のようなビター感が感じられました。
続いてバーボンに近いエステリーな溶剤系の甘さや黄色い花を想起させるフローラル感,バニラの甘さとバナナ調のクリーミーなフルーツ感と続いていきます。
最後にパイナップル系の南国フルーツ感とほろ苦いウッディネスが感じられます。
48%と度数こそ高めですが,全体のバランスはとても良く,ボディは中程度で華やかな要素が広さ方向に伸びている印象でした。圧倒的に美味しい!
↓感じ取れる風味↓
新築木造物件とヒノキ風呂/グレープフルーツの甘さ/柑橘類の皮のビター感/バーボン系エステリー/溶剤系の甘さ/黄色い花のフローラル/バニラ/強バナナ/パイナップル/南国フルーツ
▼
余韻
余韻は長さで言えば比較的短めですが,非常にまとまりが良い印象。
残る要素としては森林のような木々の香りと胡椒系のスパイシー感,そして柑橘系のビター感が存在しています。
短
1 2 3 4 5
長
「ブレンデッドM」飲み方について
さて、ここまではストレートにてボトルのレビューをしてきました。
そこで「ガイアフローウイスキー ブレンデッドM」はどの飲み方が一番美味しいのでしょうか。王道の飲み方である「トゥワイスアップ・ロック・ハイボール」の3種類で比較してみましょう!
飲み方について深く掘り下げた記事も書いているのでご参考までにリンクを貼っておきます!
トゥワイスアップでは?
ポイント
加水をするとエステリーな溶剤の甘さと,バニラと香ばしいオークが融合したウエハースの甘さが強く感じられます。柑橘感も健在で,ビターオレンジのようにも感じられます。
また独特な木の要素は,上記の要素が花開いた結果,相対的に埋もれ気味ではありますが薄くなってはいませんね。
味わいからはレーズンに近い風味が鼻から抜け,エステリー感と晴々しい森林感が感じられます。全体としては甘さが際立っていて,自然の香りがあるためか,どことなくノスタルジーな印象が強く感じられました。
トゥワイスアップでは華やかな要素が底上げされている印象があり,かなり飲みやすさが卓越したように思いました!
▼
ロックでは?
ポイント
ロックでは溶剤感とバナナの要素がかなり際立ちましたね。 反対に華やかな柑橘のフレッシュ感や甘味は大きく抑えられた印象があります。
またどうしてか,人参のような香りも感じ取ることができます。
味わいでは,ストレートで感じられたウッディネスが若々しさを忘れ,ビターでクールな渋みを醸し出してきました。やはり大部分を占める要素はバナナを中心とした南国感ですね。
ロックでは広さ方向に伸びていた多様な要素がかなり洗練されてしまい,若干物足りない印象が出てしまったかと思います。
▼
ハイボールでは?
ポイント
ハイボールではヒノキ風呂の要素とウエハースの甘さが卓越してきました。芳香剤のフローラル感も残り,微かに柑橘系のフレッシュ感とビターオレンジ感も感じ取ることができます。
味わいからは意外にもオレンジの甘さが強力に感じられますね。また木材感は甘さと渋みの2方向に分断された感じがあり,全体の印象も甘さが主体的ながら,フィニッシュにかけてはこの渋みが強く出てきます。
幅広く伸びていた多様な香味が薄まることなく,しっかり炭酸の泡とともにはじけていたのがとても好印象でした。
おすすめの飲み方は…?
「ブレンデッドM」のおすすめの飲み方は「トゥワイスアップ」です!
トゥワイスアップではストレートでの美味しさとバランスが崩れることなく,総じて底上げされている印象がありました。
個性的なヒノキ風呂感こそ埋もれ気味ですが,全体として甘さやフルーティ感が助長され,とても飲みやすく変化したと思います。
ハイボールもとても素晴らしかったのですが,ボトル本来の味わいが最も素直に表現されているのがトゥワイスアップでした!
「ブレンデッドM」総評
最後に総評に入りたいと思います!まずはレーダーチャートから!
ポジティブ
ネガティブ
さてさて、気になる点数は…
点数の理由と評価
香りと味わいについては,想像以上に個性的な木のニュアンスが発揮されており,ボトルのコンセプトからも,「これが静岡の個性なのか」としっかり感じさせてくれました。
またクセのような人を選ぶような要素もほとんど存在していなかったことから,初心者をはじめとして,ウイスキーに慣れていない人でも飲みやすいでしょう。
価格帯こそ約4,000円と決して安くはないですが,静岡蒸留所のシングルモルトが非常に入手困難であることを考えれば,その味を感じることができるこのボトルは買っても損はないでしょう。
私自身素直にこのボトルを多くの人に飲んでみてほしいと強く感じました!皆さんも見つけた際には是非購入してみてはいかがでしょう!
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レビューに使用した道具たち
グラス:グレンケアン
ジガーカップ:JOYONEというメーカーのものをAmazonで購入して使っています。
正直計りたい分量が計れるものであれば何でもいいと思います!