【レビュー】安積2023Edition|香り・味わい・100点満点評価|ウイスキーラウンドアップ

記事の概要

管理人によるボトルのレビューを通して、皆様にその魅力を伝える記事です。

今回は…
安積2023Edition

当記事では,このボトルについて

などなど詳しく解説していきます!!

\\執筆者情報//

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初谷(はつがい)

ウイスキーに関わるあらゆる情報をまとめ,「ウイスキーを知りながらより深く楽しめる記事」を発信しています。
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【経歴】東京都立大卒|元公務員・ネット酒屋開業
【資格】JWRC公認ウイスキーエキスパート|ウイスキー検定2級
【その他】バンド「Candid moment」のドラマー

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「安積蒸留所」ってなに?

安積蒸留所の解説

  • 安積蒸留所について

出典:安積蒸留所公式サイト

 『安積蒸留所』の歴史は,福島県の安積疏水の流れる地にて,山桜酒造(後に笹の川酒造となる)が1946年にウイスキー製造免許を取得したところまで遡ることができます。
 同社の酒蔵としてのルーツはさらに古く,300年以上前の1710年から続いているとされており,20世紀に流入した欧米文化の影響でウイスキー作りが始められました。

 1980年代までは同社が手がけるチェリーウイスキーが「北のチェリー,東の東亜,西のマルス」と称されるほどの人気を獲得していましたが,ウイスキー不遇の時代には人気も冷え切り,そこからはウイスキーの生産が長らく中止されていました。

 2010年代に入ると国内外でウイスキーの人気が再び沸騰し始め,笹の川酒造は2016年に満を辞して,本格的にウイスキー作りを再開するべく『安積蒸留所』の創業を決定。酒蔵にウイスキーの製造設備を導入する形で,新しく原酒が生み出されるようになりました。

 ーーー以下余談ーー
 ウイスキー不遇時代のこと。東亜が所有していた羽生蒸留所も同様に追い込まれており,最終的にこちらは閉鎖されてしまいます。そこから紆余曲折を経て,笹の川酒造は羽生の原酒を一時的に預かることとなりましたが,これが後のベンチャーウイスキー秩父”イチローズモルト”の発展の足がかりとなったのは有名な話ですね。

「安積2023Edition」ボトルの特徴

\\ボトル外観//

\\ボトル諸元//

ボトル名YAMAZAKURA
Single Malt Japanese Whisky
安積2023Edition
地域日本,福島県
種類シングルモルトウイスキー
原料モルト
容量700ml
度数50%

\\製法と特徴//

  • ノンピートのバーボンバレル原酒が中心
    ▶︎甘く華やか,そしてクリーミーな舌触りが特徴となる
  • フェノール値50ppmの原酒も使用
    ▶︎アクセントとなるピーティ原酒は甘さとの相性がよく,舌に絡みつくようなクセになる繊細な甘みが感じられる
  • ノンチルフィルター・ノンカラーリング
    ▶︎原酒の個性を最大限に尊重し,余計な処理を省いたナチュラルな個性が魅力的

「安積2023Edition」テイスティングレビュー

さてさて、それでは早速「安積2023Edition」をテイスティングレビューしていきます!

色味

安積2023Edition』の色味については,どっしりとした深みのある金色のように見えます。
 客観的な指標としてwhiskys.co.ukの色見本に準えて評価すると,"Deep Gold"くらいであると言えるでしょう。

香り

  • 第一印象

クッキーのようなモルティ系の甘さ,杏と柑橘ドライフルーツ,甘い木の香り

  • 経時変化で見える要素

香水っぽいフローラル,甘さを交えた優しいピート

筆者の一言

香りは穀物・フルーツ・あまあまピートの3要素が強く,ダイレクトに甘さが感じられる構成です。特にピート感はかなり個性的で,クセっぽさがほとんどなく,めっちゃ甘いスモーク的な感じなので初心者でも大丈夫そうです!

味わい

  • 第一印象

極甘フルーツ,甘じょっぱいクッキー,モルティ

  • 経時変化で見える要素

ノスタルジックな木造家屋,甘く優しいピートスモーク,バニラ風味のウエハース

  • 余韻に残る要素

香ばしいピート感,柑橘の皮のビター感,乾いた木の要素

筆者の一言

味わいの中心は香りと同様にフルーツや穀物の甘みですが,鼻から抜ける香がどことなく木造家屋チックでノスタルジーな印象。味でもピート感はクセがなく,木と混じった甘い煙のような感覚でとても飲みやすい!

「安積2023Edition」総評

最後に総評に入りたいと思います!まずはレーダーチャートから!

さてさて、気になる点数は…

点数の理由と評価

  • 香り:/5|味わい:/5

安積2023Edition』の香りと味わいについては,どちらもアルコール感はほとんど無し。そしてピートスモークも存在はすれど,クセのように捉えられるものではないため,とにかく飲みやすかった印象です。

 香りでは全体的に甘さが突き抜けており,少しだけ甘ったるいような印象を受けてしまったため「」評価としていますが,決してネガティブな要素は多くありませんでした。
 味わいは甘さ,どことない塩気,優しいピート感などがバランスよくまとめられており,非常に完成度が高かった印象。とても美味しかったです!

  • 初心者向け度:/5

 続いて初心者向けかどうかという観点で『安積2023Edition』を見てみると,かなり適している部類に入るということができるでしょう。

 というのもこのボトルのベースはノンピートのバーボンバレル原酒となっており,味わいも全体的にクリーミーかつフルーティな甘さが主体です。ヘビーピート原酒も使用されていますが,一般的に初心者に向かないとされるようなクセの強い煙たさではなく,甘みとの相性が良い優しいスモーク感でした。

 初心者に対する飲みやすさ一辺倒という印象はありませんが,人気の高まるジャパニーズシングルモルトということもあり,初心者か田舎を問わず,是非今のうちに飲んでみて欲しいと思えるテイストでした!

 

  • 入手性:/5|コスパ:/5

 『安積2023Edition』の入手性とコスパについては,入手性はやや難あり,コスパは中程度ということができるでしょう。

 まずこのボトルは2023年に限定発売されているシングルモルトジャパニーズウイスキーです。発売の総数こそ明かされていないものの,潤沢ではないと思われますので,見つけた時に買っておかないと徐々に入手が困難になってくるものと考えられます。

 価格帯については,公式の抽選販売の価格が税込12,100円となっていました。この価格をベースにコスパを考えると,NVながらアルコール感はなく,甘いスモーキー感という独特な個性にまとめられていたところを見るに,なかなかに優れていると言えるでしょう。

 なんにせよ今年しか味わえない貴重なウイスキーなので,飲む機会があったら飲んでおきましょう。

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レビューに使用した道具たち

グラス:グレンケアン

ジガーカップ:JOYONEというメーカーのものをAmazonで購入して使っています。
正直計りたい分量が計れるものであれば何でもいいと思います!