【特集】アバフェルディ蒸留所(aberfeldy)|場所・歴史・製法・味と種類|ウイスキーラウンドアップ

記事の概要

世界中の蒸留所図鑑完成を目標としたシリーズです。

今回はスコットランドより「アバフェルディ蒸留所」になります!

キーワード

ハイランド/テイサイド/デュワーズ

アバフェルディの特徴

ノンピート/ライト/オレンジのようなフルーティさ

アバフェルディ蒸留所

アバフェルディ蒸留所の立地・歴史・風味についてまとめていきます。

蒸留所の概要

アバフェルディ蒸留所の立地

立地について

アバフェルディ蒸留所は南ハイランドのテイサイドと呼ばれるテイ川流域の一帯、リゾート地として知られたアバフェルディ村に位置しています。

テイサイドにはかつて10ヶ所近くの蒸留所がありましたが、現在はアバフェルディ蒸留所を残すのみとなっております。

ちなみにアバフェルディはゲール語で「パルドックの河口」のことを表しています。

アバフェルディ蒸留所は近傍に良水として有名であったピティリー川が流れており、この水を仕込み水として使用しています。

また、蒸留所の背後には現在スコットランドのわずかな地域でしか見られない、赤リスが暮らす美しい森があり、ボトルのキャップにもこの赤リスが描かれています。


アバフェルディ蒸留所の歴史

西暦年内容
1896年ジョン・デュワー&サンズ社によってデュワーズの原酒を確保する目的で、ピティリー川から数mの場所にアバフェルディ蒸留所が建設される
1917年第一次世界大戦の終わり頃、食糧難の影響から2年間の閉鎖を余儀なくされる
1925年ジョンウォーカー&サンズ社などと合併し、ディスティラーズカンパニーリミテッド社(DCL社)が設立される
1973年フロアモルティングが廃止され、モルトを製麦業者から仕入れるようになる
ポットスチルが増設され、4基体制となる
1998年蒸留所がバカルディ社によって買収される
1999年12年もののシングルモルトが、初のオフィシャルボトルとしてリリースされる
2000年デュワーズ・ワールド・オブ・ウイスキー」と題したビジターセンターが開設される
2014年オフィシャルボトルのパッケージが変更される

蒸留所の建設地

蒸留所の建設地にテイサイドのアバフェルディ村が選ばれた背景には次のような理由があります。

  • ジョン・デュワー氏の生まれ故郷であったこと
  • ピティリー川の上質な天然水
  • 都市パースへの交通の便の良さ

ピティリー川のほとりでは1825年〜1867年の間にピティリー蒸留所が稼働いていましたが、その頃から水の良質さは職人の間で有名であったらしいです!

アバフェルディ蒸留所 製法の特徴

製麦

創業から1973年の間は、伝統的なフロアモルティングを行っており、乾燥の際にわずかにピートを炊いていました。

現在は蒸留所での製麦は行っておらず、製麦業者よりノンピートの麦芽を購入しています。

原料のモルトは、ローラー式のモルトミルで粉砕してグリストとした後、糖化の工程へと進みます。

糖化

アバフェルディ蒸留所では仕込み水にピティリー川の水を使用しています。

使用されるマッシュタンは容量7トンでステンレス製のロイタータンになります。

タンにグリストを投入し、数回に渡って加熱した仕込み水を注ぐことで糖化が進められます。

こうして比較的クリア色味のウォートを得た後、発酵へと進みます。

出典:whisky.com

発酵

アバフェルディ蒸留所には容量約34000リットルのウォッシュバックが計10基あります。

そのうち屋内設置の8基がシベリア産カラ松製、屋外設置の2基がステンレス製のものになります。

発酵に使用する酵母はリキッド状のものが使用されており、発酵時間は65〜85時間と比較的長めです。

こうしてアルコール度数約8%のもろみが完成し、蒸留の工程へと進みます。

出典:Google map

蒸留

アバフェルディ蒸留所には容量約16500リットルの初留用ウォッシュスチルが2基、約15000リットルの再留用スピリットスチルが2基が設置されています。

蒸留回数は、スコッチで一般的な2回蒸留となっています。

ポットスチルはどれも背が高いストレートヘッド型であり、加熱方式は蒸気による間接加熱方式、コンデンサーはシェル&チューブ方式になります。

スチルの形状からも、ライトかつフルーティなスピリッツが集約されていることがわかります!

出典:Google map

オススメのボトル

アバフェルディ12年

デュワーズの原酒を造るアバフェルディ蒸留所からオフィシャルボトルとして出される一品です!

南ハイランドらしくバランスの良いフルーティなウイスキーになります。

デュワーズが好きな方は、このボトル含めてキーモルトを飲み比べてみると新たな発見があるかも知れません!

価格帯

Amazon:3,666円/楽天市場:3,785円(送料込み)

※2022年4月21日現在

香り

上品なフルーティさ/オレンジトフィー/ナッツ

味わい

濃厚なオレンジ/まろやか/フルーティ/はちみつ/バニラ

余韻

スイート/スパイス/若干スモーキー

アバフェルディ21年

21年以上の熟成を経て、より旨味が凝縮されたアバフェルディです!

専門家も「グラスの中にあふれる喜び」と表現するほど、記憶に残る深い味わいが宿っています。

特別なひとときにいかがでしょう!

価格帯

Amazon:約30,000円(旧ボトル)

※2022年4月21日現在

香り

オレンジピール/柔らかいはちみつ/バニラ/ナッツ

味わい

ヘザーハニーの強い甘み/スパイシー/オレンジピール/ココナッツ/バニラ

余韻

はちみつ感を伴う心地よい余韻が長く続く

参考資料

サムネイル画像:google map バカルディジャパン