記事の概要
管理人によるボトルのレビューを通して、皆様にその魅力を伝える記事です!
「グレンファークラス105」はグレンファークラスが出すオフィシャルボトルのうち,カスクストレングスを特徴としたボトルです。
そんな特徴的なグレンファークラス105について…
- 「グレンファークラス」ってなに?
- 「グレンファークラス105」ボトルの特徴
- 「グレンファークラス105」を徹底レビュー
- 「グレンファークラス105」飲み方について
などなど詳しく解説していきます!!
「グレンファークラス」ってなに?
グレンファークラスの解説
グレンファークラス蒸留所はスペイサイドのスペイ川中流域に位置しています。周辺には広々とした草原があり,眼科にはスペイ川の流れる谷を望むことができる自然豊かな環境があります。
グレンファークラスは1856年以降,グラント家による家族経営が維持され続けている稀有な蒸留所です。これはキャンベルタウンのスプリングバンク蒸留所に次いで,スコットランドで2番目の古さを誇っています。
またグレンファークラスで作られるウイスキーの最大の特徴は,熟成の工程全てをスペイン産のシェリー樽で行っているところにあります。そのため生産されるウイスキーは全てが強いレーズン感やドライフルーツの甘さを有しているのが非常に魅力的です。
シェリー樽は価格が高く入手が容易ではないのというのが一般論ですが,グレンファークラスは1980年代にスペインのホセ・ミゲル・マルティン社と提携することで現在までシェリー樽を安定的に仕入れています。
また樽はファーストフィルからフォースフィルまで使用しており,樽を大切に扱っているからこそ,シェリー系ウイスキーコスパ最強の座を維持し続けられるのでしょう。
グレンファークラス蒸留所
蒸留所の概要
創業年 | 1836年 |
所有会社 | J&Gグラント社 |
地域分類 | スペイサイド スペイ川中流域 |
発酵槽 | ステンレス製12基 |
ポットスチル | 初留3基・再留3基 |
仕込み水 | ベンリネス山中腹の泉 |
ブレンド先 | アイルオブスカイなど |
蒸留所の歴史
西暦年 | 内容 |
---|---|
1836年 | 農夫のロバート・ヘイ氏によってグレンファークラス蒸留所が建設される |
1856年 | ロバート・ヘイ氏が亡くなる 蒸留所はジョン・グラント氏に売却される |
1889年 | ジョン・グラント氏が亡くなる 蒸留所は息子のジョージ・グラント氏へと引き継がれる |
1890年 | ジョージ・グラント氏が亡くなる 蒸留所は息子のジョンとジョージ,未亡人のエルシーへと引き継がれる |
1898年 | パティソンエルダー&Co社が倒産する グレンファークラス-グレンリベットディスティラリー社はJ&Gグラント社となる 蒸留所は100%グラントファミリー(J&Gグラント社)の所有となる |
1947年 | ジョージ・スコット・グラント氏が蒸留所を有限会社として引き継ぐ |
1968年 | 現在の「グレンファークラス105」の前身にあたるカスクストレングスのボトルがリリースされる |
1972年 | フロアモルティングが廃止される |
1976年 | ポットスチルが2基増設され,計6基体制となる |
1980年 | 1980年代にスペインのホセ・ミゲル・マルティン社と提携し,シェリー樽の供給を受け始める |
2002年 | 会長のジョージ・スコット・グラント氏が亡くなる 蒸留所はジョン・LS・グラント氏に引き継がれる |
↓蒸留所の解説記事↓
「グレンファークラス105」ボトルの特徴
ボトル概要
「グレンファークラス105」は100%シェリー樽熟成の原酒をカスクストレングス(加水なし)でボトリングした,非常に個性的なボトルになります。
グレンファークラスの個性を形作るシェリー樽の要素を薄めることなく,本来の旨味が全開にされています。そのためアルコール度数こそ高いですが,非常にフルーティさや甘さが強く,ネガティブな要素は控えめというとても魅力的なボトルです!
また「シェリー樽」「カスクストレングス」という特徴の割に,圧倒的なコスパの良さを誇っている点でも唯一のボトルだと思います!
ボトル外観
諸元
ボトル名 | グレンファークラス105 |
地域 | スコットランド スペイサイド スペイ川中流域 |
種類 | シングルモルトウイスキー |
原料 | モルト |
容量 | 1000ml |
度数 | 60% |
入手価格 | 約6000円 |
製法と特徴
- 100%シェリー樽で熟成
▶シェリー樽で熟成を行ったウイスキーはレーズンやドライフルーツの甘さが強く出てきます。このボトルも例に漏れず圧倒的なシェリーの甘みが育まれています。
- カスクストレングスでボトリング
▶通常ボトリングの際には加水を行ってアルコール度数を調整していますが,このボトルでは加水を行わずにボトリングをしています。そのため樽で育まれた個性が薄まることなく,100%グレンファークラスの持つ旨味を味わうことができます。
「グレンファークラス105」徹底レビュー!
まずレビューの項目について説明しておきます!
レビュー項目
- 色味
ウイスキーをグラスに注ぎ、目視にて色の濃さを5段階評価します!
- 香り
香りについて私が感じ取った内容をまとめていきます!
- 味わい
味わいについても私が感じ取った内容をまとめます!
- 余韻
余韻の長さを5段階で評価します!!
- 総評(100点満点)
ボトルのポジティブな風味とネガティブな風味を10段階で評価し、レーダーチャートで表現します!
ポジティブで獲得した点数からネガティブの点数を引くことにより、ボトルを100点満点で評価します!!
また総評を文章にて取りまとめていきます!
さてさて、それでは早速「グレンファークラス105」をテイスティングレビューしていきます!
色味
色味は金色と琥珀色の間くらいの濃いめです!シェリー樽熟成らしい雰囲気が漂っています。
またかなり粘度が高い印象を受けます。
かなり濃密な味わいであることが予想されますね!
短
1 2 3 4 5
長
香り
香りの第一印象は圧倒的なレーズン感と木の甘さがガツんと感じられます!レーズン感に関しては濃厚すぎて若干の渋みを感じるほどです。
次いでドライフルーツやキャラメルのような甘い香り,そして花畑を思わせるフローラルな香りが出てきました。
またうっすらとコーヒーやダークチョコのようなビター感やシェリー樽に由来するスパイシー感も感じられますね。
アルコール度数は60%と非常に高いですが,香りにおいてネガティブな刺激は控えめ,濃厚な甘さが際立っています!
↓感じ取れる香り↓
濃密なレーズン/木の甘さ/キャラメル/ビター/コーヒー/ダークチョコ/スパイシー/華やか
味わい
味わいの第一印象は圧倒的なオークの風味でした。その風味と闘うように濃密なレーズンの味が湧き出てきます。
次いでフローラルなパフュームのようなニュアンスを感じます。また非常に多様なフルーツに囲まれているかのような,フルーツ系の甘みが幅を利かせてきますね。
口当たりが非常にドライであり,スパイシーな要素も力強く感じられます。
全体としては高いアルコール度数を強度の強い風味の集合体で覆い隠しているといった印象を受けます。
↓感じ取れる風味↓
強い樽感/濃厚なレーズン/スパイシー/多様で複雑なフルーツの甘さ/ドライ/フローラル/香水
余韻
余韻には強力な樽香とビターな風味が非常に長く残り続けます。
これぞカスクストレングスと言わんばかりの強力な余韻でした!
短
1 2 3 4 5
長
「グレンファークラス105」飲み方について
さて、ここまではストレートにてボトルのレビューをしてきました。
そこで「グレンファークラス105」はどの飲み方が一番美味しいのでしょうか。王道の飲み方である「トゥワイスアップ・ロック・ハイボール」の3種類で比較してみましょう!
飲み方について深く掘り下げた記事も書いているのでご参考までにリンクを貼っておきます!
トゥワイスアップでは…?
ポイント
加水によって樽由来の木の要素が若干落ち着き,レーズンとドライフルーツの要素が前面に出てきました。
全体的にマイルドになり,わかりやすい葡萄のような甘さが感じ取れるようになります。
また樽感は濃厚な木の甘さに変化し,併せてモルティな大麦の甘みが表出してきました。
やはり香水を思わせる花系のフローラルな風味は相変わらずしっかりと感じられます!
ストレートで感じられた強烈な要素はどれも角が取れて,わかりやすく甘くてフルーティ系の風味に置き換えられたので,非常に飲みやすくなったように感じます!
ロックでは…?
ポイント
ロックにすると元々強かったレーズン感がよりいっそう強まりました。また強力な樽香は優しく香ばしい甘さへと変化しています。
味わいの主体は砂糖をまぶしたドライフルーツのような強い甘さへと変化しています。また濃厚なレーズン感も残っており,モルティな要素と合わさってレーズンが埋め込まれたクッキーのようなニュアンスになっています。
冷やしたことより余韻にはビター感が強く残り,喉の奥の方でピリリとするスパイシーな印象が感じられるようになりました。
もともと強力な甘さを持っていたボトルだったので,冷やしても甘さが消えることなく,むしろバランスが良くなった感覚があります。ロックで飲むのはかなりおすすめできそうです!
ハイボールでは…?
ポイント
ハイボールにすると香りについて,レーズン感がフレッシュになり,渋みが抑えられて甘さが強調されました!また木の要素を伴った,ウエハースやチョコのような甘さも感じられます。
味わいから余韻にかけては圧倒的にレーズンが主体的ですが,シェリー樽系ウイスキーによく感じられる,ネガティブなゴム感や硫黄感,及び渋みが出てきてしまいました。
私の主観に過ぎませんが,ハイボールが本来持っている爽快感と,シェリー樽原酒の濃厚な甘さが少々バッティングしてしまっているように感じてしまいました。
おすすめの飲み方
「グレンファークラス105」のおすすめの飲み方は「ロック」です!
このボトルはカスクストレングスのため,非常に濃密な甘さを特徴としたボトルでした。そのため冷やされても甘さが消えることなく,むしろ引き立てられるビター感と相まってバランスが良くなっている印象を受けました!
ネガティブな要素が最もカバーされて,ポジティブな要素が際立ったのがロックだったので迷わずにイチオシしておきます!
総評
最後に総評に入りたいと思います!まずはレーダーチャートから!
さてさて、気になる点数は…
ー69点ー
点数の理由についてまとめていきます!
まずシェリー樽熟成のカスクストレングスのボトルということで,まさに予想通りの強力な風味が感じられました。
最も強かったのは樽由来の木の風味でしたが,レーズンやドライフルーツの甘みも極めて強く,旨味の凝縮された一本でした。
しかし味わいの濃厚さに比例するようにアルコールの刺激もかなり強めであったので,初心者はある程度刺激の強さを理解した上で飲んだほうが望ましいと感じました。
強力かつ複雑で多様な風味を持っていることから,飲み方によって違う顔を出してくれるのが非常に魅力的なポイントでしょう。楽しみ方は無限大です。
結論として,シェリー樽系のウイスキーの中ではこれほどコスパの良いボトルは他にはないでしょう!!
レビューに使用した道具たち
グラス:グレンケアン
ジガーカップ:JOYONEというメーカーのものをAmazonで購入して使っています。
正直計りたい分量が計れるものであれば何でもいいと思います!