記事の概要
管理人によるボトルのレビューを通して、皆様にその魅力を伝える記事です。
今回は…
「ウッドフォードリザーブ」
当記事では,このボトルについて
などなど詳しく解説していきます!!
\\執筆者情報//
初谷(はつがい)
ウイスキーに関わるあらゆる情報をまとめ,「ウイスキーを知りながらより深く楽しめる記事」を発信しています。
【Shop】ウイスキー専門店『Drinkable books』
【経歴】東京都立大卒|元公務員・ネット酒屋開業
【資格】JWRC公認ウイスキーエキスパート|ウイスキー検定2級
【その他】バンド「Candid moment」のドラマー
各種SNSも運用中!
「ウッドフォードリザーブ」ってなに?
ウッドフォードリザーブの解説
『ウッドフォードリザーブ』は,アメリカのケンタッキー州に所在する,ウッドフォードリザーブ蒸留所が生産を手がけるアメリカンウイスキーのブランドになります。
同蒸留所は一説には”米国で最も歴史の長い蒸留所”とも言われていますが,そのウイスキー作りにおいては,アイルランドをルーツにしたポットスチルによる3回蒸留という,手間のかかる伝統的な手法を採用していることから,生産規模自体はあまり大きくないのが特徴です。また,バーボンの味わいの方向性を決定づける原料穀物の比率”マッシュビルは「とうもろこし72%・ライ麦18%・大麦麦芽10%」とされており,原料穀物に由来する端正なバランスの良さと,3回蒸留によるフルーティかつクリーンなテイストを魅力とするウイスキーが生み出されています。
また今回紹介する『ウッドフフォードリザーブ』に関しては,ブランドの最もスタンダードなバーボンタイプのボトルであり,3回蒸留や独自のマッシュビルに由来する華やかな香味を魅力とした逸品です。
「ウッドフォードリザーブ」ボトルの特徴
\\ボトル外観//
\\ボトル諸元//
ボトル名 | ウッドフォードリザーブ |
地域 | アメリカ,ケンタッキー州 |
種類 | バーボン |
容量 | 750ml |
度数 | 43% |
原酒諸元 | 3回蒸留 コーン72%・ライ麦18%・大麦麦芽10% |
\\製法と特徴//
- アイルランド由来のポットスチル3回蒸留
▶︎通常のバーボンでは,連続式蒸留によって原料由来の香味が飛んでしまうこともある。一方で蒸留を3回繰り返すとはいえ,単式蒸留による場合は,ある程度原料由来の華やかな香味を生かすことができる。 - マッシュビル「コーン72%・ライ麦18%・大麦麦芽10%」
▶︎原料穀物の比率においては,大多数をコーンが占めており,バーボンらしいエステリーな香味が主軸に活かされていると考えられる。ライ麦のスパイシーテイストはアクセント程度に楽しめるだろう。
「ウッドフォードリザーブ」テイスティングレビュー
さてさて、それでは早速「ウッドフォードリザーブ」をテイスティングレビューしていきます!
色味
『ウッドフォードリザーブ』の色味については,概ね中程度の濃さであり,やや琥珀っぽさを醸し出した金色といった印象です。客観的な指標としてwhiskys.co.ukの色見本に準えて評価すると,"Burnished"くらいであると言えるでしょう。
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香り
- 第一印象
穀物っぽい溶剤エステリー感,ミルクチョコっぽい華々しさ,ほのかにスコッチ系の柑橘感
アルコール感はあまり無い|軽くてスッキリ
- 経時変化で見える要素
シナモン系のスパイシー感,無機質感,フローラルな蜂蜜
筆者の一言
香りはバーボンとしては,全体的に軽やかでスッキリとしていた印象。3回蒸留によるものか,自然な蜂蜜感やスコッチにも通づる柑橘の要素なども出ており,独自性を感じました!
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味わい
- 第一印象
穀物系の溶剤エステリー,硬水っぽい無機質なミネラル感,オレンジ×ビターチョコ
ボディの軽さ・スッキリ感故にアルコールの刺激はやや感じる
- 経時変化で見える要素
ピリリと来るスパイシー感,ディープな樽由来の苦味,メープルシロップ,キャラメル
- 余韻に残る要素
溶剤感とミネラル感,深くビターな樽感,割とタンパクな余韻
筆者の一言
味わいでは,印象的な軽やかスッキリボディの上で,バーボンの風味を軸に,ややアイリッシュ系の華やかさが添加されている様な印象でした。軽さゆえに刺激感も否めませんが,気軽に飲めるスッキリバーボンとしては優秀と言えそうです!
「ウッドフォードリザーブ」総評
最後に総評に入りたいと思います!まずは風味の各要素をグラフ化してみてみましょう!
さてさて、気になる点数は…
点数の理由と評価
- 香り:4/5|味わい:3/5
まず『ウッドフォードリザーブ』の香りと味わいについては,他のバーボンよりもかなり軽くてスッキリとしているにも関わらず,風味の主軸にはバーボンらしいエステリーな要素が感じられたのが面白いところでした。加えて3回蒸留によるものか,スコッチやアイリッシュなどにも通づる様な,蜂蜜感や柑橘感などの分かりやすい華やかさが存在していたのも高評価ポイントです。
一方でボディが軽くてスッキリしているが故に,特に味わいでは若干アルコールの刺激が風味で隠しきれていない様な印象もありました。個人的には十分に楽しめますが,味が濃くて円熟感のあるウイスキーを好まれる方には若干不向きかもしれません。
- 初心者向け度:4/5
続いて初心者向けかどうかという観点で『ウッドフォードリザーブ』を見てみると,割と向いていると言えるでしょう。
というのもバーボンには,接着剤感の強いものがあったり風味がとてもパワフルなものがあったりと,初心者にやや勧めづらい銘柄が幾つかありますが,ウッドフォードリザーブはボディが軽やかで飲みやすいにも関わらず,バーボンらしい風味を嫌気なしに感じることが出来ます。アルコール感が多少感じられることを差し置いても,初心者にとっては取っ付きやすい一本となるでしょう。
- 入手性:5/5|コスパ:4/5
最後に『ウッドフォードリザーブ』の入手性とコスパについては,どちらも良好な部類であると言えそうです。
まず入手性に関しては,酒屋さんの店頭で見かける機会も十分にあり,通販でも定常的に入手が可能となっているため,入手に困るような事態にはならないと考えられます。
そしてコスパに関しては,価格帯が4,000円程度となっており,バーボンとしてはやや高めに感じますが,ポットスチルによる3回蒸留を経ていることを考えればギリギリ許せるくらいである印象。無論もう少し低価格帯にも美味しいバーボンはたくさんありますが,しっかりとした独自性があるため購入を検討する価値は十分にあるでしょう。