本日は個人的な将来の展望を少しだけ語ります。
これまで約1年半ほど,この『Whisky Roundup』を運営してきましたが,最近になってようやく自分の最終到達地点がどこなのか,はっきりと描けるようになりました。
それは『本のように楽しめる存在』として,ウイスキーの文化をより身近に,より広く日本に浸透させること。そして私なりにそれを実現させる手段が『蒸留所付きの酒屋を作ること』です。
日々情報発信をする身として,これらについて少しだけ共有しておこうと思います。
ウイスキーは本みたいなもの?
ウイスキーの味わいは,「作られた土地,採用された製法,作り手の思い…」など,非常に多くの要素によって決定されています。ほとんどの場合にそれらの要素は味覚・嗅覚を通してダイレクトに感じることができるため,ウイスキーは完成までの物語が描かれた『飲むことができる本』のようにも捉えることができます。
長い熟成期間を経て作られる希少なウイスキーは分厚い超大編の本。
ウイスキー好きなら一度は通るようなベーシックなウイスキーは短編小説。
そんなふうにウイスキーを味覚・嗅覚で物語を読むことができる本として,誰もが身近に感じられるコンテンツとして,その魅力が認知された時にウイスキーがもっと身近な存在になると信じています。
何をする必要があるのか?
自分の目標を実現するためには,世間のウイスキーに対する認知度を高め,多くの銘柄がより多くの人の目に触れる機会を作り出さなければなりません。実際に”どのようなことをすればそのような機会が創出できるか?”という点について簡潔に考えをまとめてみました。
- 多くのウイスキーを試すハードルを下げる
ひとまずはウイスキーが表現するストーリーの要点を手頃な価格で気軽に試せるようにする必要があります。
ほとんどの本格的なウイスキーは決して安くはありません。私自身ウイスキーの世界に浸かり始めたのは大学生の頃でしたが,当時は金銭的な事情により,ボトル購入やバーの利用などを通して多くの銘柄を試すことは困難でした。よってまずは手頃&気軽に「本のあらすじ」を提供できる環境を作る必要があると考えました。
- 自分の手で自由自在なストーリーを展開する
既存のウイスキーを販売するだけではなく,自らの手で面白いストーリーを持ったウイスキーを作ることも不可欠です。
良くも悪くも最近のウイスキーは,主にスコットランドの伝統的な製法を重視した本格的なものが多いですが,個人的にはややストーリーの展開が硬いような気がしてきています。詰まるところ,大まかなあらすじから大体の展開が予想できてしまうような感覚です。
そこで個人的にはもう少し奇想天外なストーリーを展開し,楽しみの幅をさらに拡大していきたいと思っています。具体的にはメジャーなジャンルながらも,あまり国内では製法が踏襲されていないもの。例えばアメリカのバーボンウイスキーや,アイルランドのポットスチルウイスキーなど,スコッチとは別軸にある伝統を取り入れ,または融合させることにより,全く新たなストーリーを作り上げたいです。
そもそもバーボンやポットスチルウイスキー単体ですら,国内で製造し,熟成させた時にどのような展開を見せるのかは未知ですし,それらを組み合わせた「100%国内製造ワールドブレンデッド」のようなジャンルを作れたらパーフェクトかな,と思っています。
実現させるための明確な手段
それらを実現させる明確な手段といったら,”飲める・買える・作れる”というウイスキーに纏わる全ての楽しみが詰まった『蒸留設備付きの酒屋』を開業すること一択でしょう。
美味しいボトルを求めて来訪した人には,少量の試飲であらすじを確認してもらい,気に入った欲しい銘柄を欲しい分量(少量からフルボトルまで)で買える自由奔放な酒屋さん。
そしてその横には全く新しいウイスキー作りを展開する蒸留所。そこでは製造の体験や,自分が蒸留したニューポットの持ち帰り。なんなら樽でウイスキーを買えるなど,ウイスキーというコンテンツのありとあらゆる部分を体感できるような複合施設。
そんな世界を構築することができたならば,より多くの人がより深いウイスキーの楽しみに触れる機会を目の当たりにでき,個人的な目標の達成に大きく近づくのではないかと思っています。
思い描いたからには,あとは実現に向けて行動あるのみ!前へ前へと進んでいきます!