記事の概要
主要ブレンデッドスコッチを全部紹介します!
主要なブレンデッドウイスキーブランド全てについて「簡単なブランド概要・キーモルト・現行のラインナップ」を一挙に紹介します!
まだ飲んだことのない銘柄はありますか…?
「ブレンデッドウイスキー」とは…?
ブレンデッドウイスキーはモルトウイスキーとグレーンウイスキーを混合して作られるウイスキーになります。
モルトウイスキーは,一般に大麦麦芽のみを原料として単式蒸留器で蒸留したウイスキーのことであり,強い風味と個性を持つことから「ラウドスピリッツ」と呼ばれています。一方グレーンウイスキーは,とうもろこしなどの大麦麦芽以外の穀物を主原料として連続式蒸留器で蒸留されたウイスキーを指し,飲みやすくも個性に乏しい風味から「サイレントスピリッツ」と呼ばれています。
このように真逆の特徴を持つ2種類のウイスキーをブレンドすることで互いの欠点をカバーさせ,「誰でも飲みやすいウイスキー」を追求したものがブレンデッドウイスキーになります!
発展の歴史について
ブレンデッドウイスキーは19世紀半ばに誕生しましたが,その頃にはブレンド元となるモルトウイスキーとグレーンウイスキーの生産基盤が出来ていました。よってまずはモルトウイスキーとグレーンウイスキーの発展の歴史をごく簡単に年表形式でまとめます!
- モルトウイスキー
西暦年 | 内容 |
---|---|
〜1823年 | モルトウイスキー蒸留所はハイランドに多く存在していた しかし酒税が高く密造の形が取られていた |
1823年 | 酒税法が改正されてウイスキー免許取得量や酒税が適正値に引き下げられる (生産量300万ガロン) |
1824年 | 「グレンリベット」が政府公認第一号の蒸留所となる 以降多くの蒸留所が公認となり,多様な個性を持つ蒸留所がハイランドで多く創業されていく |
1825年 | (生産量825万ガロン) |
1827年 | (生産量1000万ガロン) |
- グレーンウイスキー
西暦年 | 内容 |
---|---|
1817年 | ピストリウス氏によって3連式蒸留装置が開発される |
1826年 | ロバート・スタイン氏によって連続式蒸留器が発明される |
1831年 | イーニアス・コフィー氏によってカフェ式連続蒸留器(パテントスチル)が発明され,アイルランドで14年間の特許(パテント)を取得する |
1846年 | 穀物法の改正によって安価なとうもろこしが多く輸入されるようになる |
1846年以降 | ローランドの事業者の多くが連続式蒸留器を取り入れ,とうもろこしを主原料にグレーンウイスキーの大量生産を始める |
続いて本題。ブレンデッドウイスキーの誕生から台頭までの歴史を簡単に解説します!
ブレンデッドウイスキーのルーツは1853年に定められた「単一の蒸留所の原酒について,蒸留年の異なるもの同士を混合して良い」よいう規定にあり,これを受けてエジンバラの商人であるアンドリュー・アッシャー氏が初めてブレンデッドモルトを製作しました。
ブレンデッドモルトの考案により,異なる風味を持つ複数の樽原酒を混合して味を均一化を図るという意識が一般的となっていきます。
そして1860年には「異なる蒸留所で作られた原酒を保税倉庫内でブレンドすること」が認められるようになり,エジンバラやグラスゴーのブレンダーを中心に,グレーンウイスキーを使用した現在のブレンデッドウイスキーの形でブランド化が進められていきました。
ここでブレンデッドウイスキーが一気に広まった背景には大きくふたつの理由があると考えられています。
ひとつはハイランドのモルトウイスキー蒸留所が小規模であり,単独で販路を築くことが難しかったことから,ブレンド会社に原酒を販売することが一般的となっていた点になります。これによって各種ブレンデッドウイスキーブランドとキーモルトの関係が構築されていきました。
もうひとつは19世紀後半にヨーロッパの葡萄畑がフィロキセラという害虫によって壊滅し,ワインやブランデーなどの上流階級に位置する人々が好むお酒を作るのが困難となったため,代替品としてスコッチウイスキーが求められるようになったことでした。これによりウイスキーは世界的にブランデーやワインと同列のお酒として認知されるようになりました。
そして現在ブレンデッドウイスキーは,その飲みやすさや表現できる味わいの幅広さから,スコッチウイスキーの売上のうち90%を占めるほどの人気を築き上げており,シングルモルトと同列に世界中で愛されるジャンルとなっています。
「ブレンデッドウイスキー」主要ブランド一覧
主要なブレンデッドウイスキーブランドについて概要やキーモルト,現行ラインナップを一挙に紹介します!
※紹介する順番について売上ランキングTOP10(2021年)までは上位から順に,以降は頭文字のアルファベット順で並べて行きます。
TOP10ブランド
【第1位】
ジョニーウォーカー
(Johnnie Walker)
製造者:ジョン・ウォーカー&サンズ社/ブランドオーナー:ディアジオ社
概要とキーモルト
ジョニーウォーカー,特にレッドラベルは世界で最も売れているスコッチウイスキーとして知られています。
ブランドを印象付けているのは縦長の四角いボトルに描かれた英国紳士の「ストライディングマン」と,斜めに24°傾いたラベルであり,特に傾いたラベルについては1909年に販売された「ジョニーウォーカーレッドラベル」から変わることなく使用されています。
ラインナップの豊富さも魅力の一つであり,シリーズを累計すると現在全世界で年間1.2億本(1,800万ケース)以上の販売量を誇る,莫大な人気のブランドになります。
キーモルト一覧
- カーデュ
- タリスカー
- クライヌリッシュ
- ロイヤルロッホナガー
- ラガヴーリン
- カリラ
- モートラック
- ダルユーイン
現行ラインナップ(一部)
- ジョニーウォーカー レッドラベル
- ジョニーウォーカー ブラックラベル
- ジョニーウォーカー ダブルブラック
- ジョニーウォーカー グリーンラベル 15年
- ジョニーウォーカー ゴールドラベル
- ジョニーウォーカー 18年
▼
【第2位】
バランタイン
(Ballantine's)
製造者:ジョージ・バランタイン&サン社/ブランドオーナー:ペルノリカール社
概要とキーモルト
バランタインは「ザ・スコッチ」の異名をつけられており,スコッチウイスキーらしい風味を体現する様からもまさにスコッチの代名詞とも言える主力ブランドです。
ラベルにある5角形の盾の紋章は1938年にスコットランド紋章院に認証されており,ウイスキー作りに欠かせない4つの要素である「大麦・水・ポットスチル・樽」が描かれています。
現在はジョニーウォーカーに次いでスコッチウイスキー第2位の売上を維持しています。
キーモルト一覧
- スキャパ
- グレンバーギ
- ミルトンダフ
- グレントファース
現行ラインナップ(一部)
- バランタイン ファイネスト
- バランタイン7年
- バランタイン12年
- バランタイン17年
- バランタイン21年
- バランタイン30年
▼
【第3位】
シーバスリーガル
(Chivas Regal)
製造者:シーバスブラザーズ社/ブランドオーナー:ペルノリカール社
概要とキーモルト
シーバスブラザース社は1801年にアバディーンで創業した食糧雑貨店を元とし,1857年にシーバス兄弟が事業に参加した際に設立した会社になります。
シーバスリーガルの商標登録は1909年ですが,その誕生は1890年代にまで遡ることから,世界で最も早く地位を確立したブランドとして有名です。
また1938年に12年という年数表記のあるボトルを業界で初めてリリースしたことから,プレミアムスコッチの先駆けとも言える存在です。
キーモルト一覧
- ストラスアイラ
- ザ・グレンリベット
- グレンキース
- グレングラント
- ロングモーン
- ベンリアック
現行ラインナップ(一部)
- シーバスリーガル12年
- シーバスリーガル ミズナラ 12年
- シーバスリーガル エクストラ13年
オロロソシェリーカスク
- シーバスリーガル18年
- シーバスリーガル ミズナラ 18年
- シーバスリーガル アルティス
- シーバスリーガル25年
▼
【第4位】
グランツ
(Grant's)
製造者:ウィリアム・グラント&サンズ社/ブランドオーナー:左に同じ
概要とキーモルト
グランツは個性的な三角形のボトルを採用し,他社との差別化を図るというブランディングが功を奏し一躍有名となりました。
同社所有のグレンフィディック・バルヴェニー・キニンヴィを中心とし,25種類のモルトがブレンドされています。
創業の新しいキニンヴィを除けば,約100年間ほとんど同じレシピで作られているという非常にクラシカルなブレンデッドウイスキーになります!
キーモルト一覧
- グレンフィディック
- キニンヴィ
- バルヴェニー
現行ラインナップ(一部)
- グランツ トリプルウッド
- グランツ トリプルウッド スモーキー
- グランツ18年
▼
【第5位】
ウィリアム・ローソンズ
(William Lawson's)
製造者:ジョン・デュワー&サンズ社/ブランドオーナー:バカルディ社
概要とキーモルト
かつてはマルティニ&ロッシ社が商標を所有していた「ローソン」のブランドがウィリアム・ローソン社に引き継がれ,同社が所有権を獲得したマクダフ蒸留所のモルトをベースに作られたのがウィリアムローソンズでした。
1998年からはバカルディ社の系列となり,主にフランスでの消費が多かったが,近年他のヨーロッパ諸国でも人気が高騰し始めたことによってスコッチ第5位の売り上げにまで上り詰めました。
日本ではまだまだマイナーのためスタンダードな1種類しか出回っていませんが,たまには日常の一杯に採用してあげるのも良いかもしれませんね。
キーモルト一覧
- マクダフ
現行ラインナップ
- ウィリアム・ローソンズ
▼
【第6位】
デュワーズ
(Dewar's)
製造者:ジョン・デュワー&サンズ社/ブランドオーナー:バカルディ社
概要とキーモルト
デュワーズの基礎を築いたジョン・デュワー氏はウイスキーのボトルにラベルを貼って販売した初めての人物とされています。
また彼の息子であるトーマス氏も商才溢れる人物だったそうで,ロンドンの市場を中心にデュワーズの現在の地位を確立するに至らせたとのことです。才能ある家系の恩恵によって美味なるデュワーズを今でも楽しむことができる点には強い感謝を感じます。
またデュワーズは独自にダブルエイジ製法という,数ある原酒をブレンドしてから再び樽熟成させるという工程を適用することで,滑らかで馴染みの良い味わいを生み出しています。
キーモルト一覧
- アバフェルディ
- ロイヤルブラックラ
- オルトモア
- クライゲラキ
現行ラインナップ
- デュワーズ ホワイトラベル
- デュワーズ12年
- デュワーズ15年
- デュワーズ18年
- デュワーズ25年
▼
【第7位】
J&B
製造者:ジャスティリーニ・ブルックス社/ブランドオーナー:ディアジオ社
概要とキーモルト
J&Bは現在ディアジオ社が所有するブランドであり,36種類のモルトと6種類のグレーンから構成されています。
元々は禁酒法解除後のアメリカ市場をターゲットに形成されたブランドであり,アメリカを中心に売り上げを伸ばしていった結果,今ではスコッチウイスキー第7位のブランドに成長しました。
しかしながら日本では未だにメジャーではなく,入手可能なボトルはスタンダードな「J&B レア」のみとなっています。
キーモルト一覧
- ノッカンドゥ
- オスロスク
- グレンスペイ
- ストラスミル
現行ラインナップ
- J&B レア
▼
【第8位】
ブラック&ホワイト
Black & White
製造者:ジェームズ・ブキャナン社/ブランドオーナー:ディアジオ社
概要とキーモルト
ブラック&ホワイトはかつてブキャナンズ・ブレンドという名称で販売されていましたが,白黒のラベルデザインがおしゃれであったため,愛称が定着する形で現在の名称に改められました。
ラベルに描かれる可愛らしいワンちゃんはスコットランドを起源とするテリア種であり,今ではブランドのトレードマークとなっています。
こちらも日本ではマイナーに感じますが,近年世界有数のウイスキー消費国であるインドにて売り上げを伸ばしていることから,売上ランキングでTOP10入りを果たしています。
キーモルト一覧
- ダルウィニー
- グレンダラン
- クライヌリッシュ
現行ラインナップ
- ブラック&ホワイト
▼
【第9位】
ラベル5
(Label5)
製造者:グレンターナー社/ブランドオーナー:ラ・マルティニケーズ社
概要とキーモルト
ラベル5のブランド所有者であるラ・マルティニケーズ社はフランスで第2位の規模を誇る酒類メーカーです。
フランスは実はスコッチウイスキーを最も多く輸入している国であり,そんなフランスにて多数の人気を獲得していることから売上ランキングでTOP10入りしています。
同社は2008年にグレンマレイ蒸留所を買収したことにより,これをメインの原酒に採用し,ローランド地方にグレーン専門のスターロー蒸留所を建設するなど勢いのある企業です。
キーモルト一覧
- グレンマレイ
現行ラインナップ
- ラベル5 クラシックブラック
- ラベル5 12年
- ラベル5 18年
▼
【第10位】
ベル
(Bell's)
製造者:アーサー・ベル&サンズ社/ブランドオーナー:ディアジオ社
概要とキーモルト
ベルは英国内ではナンバーワンの売り上げを誇る著名なブランドであり,現在そのブランド権はディアジオ社が所有しています。
英国ではベルという名称がウェディングベルを連想させることから結婚式で飲まれるウイスキーとして欠かせない存在となっています。
スタンダードなオリジナル以外は日本で見かける機会に乏しいですが,陶器ボトルなどもラインナップされており,コレクターの欲を刺激してきます。
キーモルト一覧
- ブレアアソール
現行ラインナップ
- ベル オリジナル
他にもラインナップがありますが,容易に入手可能なのはオリジナルのみです。
その他の有名ブランド
アンティクァリー
(The Antiquary)
製造者:J&Wハーディ社/ブランドオーナー:宝酒造社
概要とキーモルト
ブランド名はスコットランドの文豪が記した小説の「ジ・アンティクァリー」に由来しており,J&Wハーディ社の創設者であるジョージ・ハーディ氏が自ら命名しました。
アンティクァリーという単語自体は「古物収集家」の意味を持っており,ボトルもどこかアンティークを感じさせるクールさがあります。
アンティクァリー12年に関してはモルト原酒比率の高さに個性があり,45%という数値はかなり高めと言えるでしょう。
キーモルト一覧
- クラガンモア
- ベンリネス
- トマーティン
▼
ブラックボトル
(Black Bottle)
製造者:ゴードン・グラハム社/ブランドオーナー:バーンスチュワート社
概要とキーモルト
ブラックボトルは2013年以前,ブナハーブンを中心として,キルホーマンとアードナッホーを除いたアイラ島の蒸留所全てのモルトがブレンドされていました。
しかし2013年以降はボトルデザインが改められ,中核となるブナハーブンはそのままに,その他のキーモルトが大きく変更されました。
最近ではコンペで金賞を受賞するなど,人気が高騰してるため,興味があれば見つけた際に買っておくと良いでしょう。
キーモルト一覧
- ブナハーブン
- トバモリー(レダイグ)
- ディーンストン
▼
ブルーハンガー
(Blue Hanger)
製造者:ベリー・ブラザーズ&ラッド社/ブランドオーナー:左に同じ
概要とキーモルト
ブルーハンガーという名称は,かつてBBR社の顧客であったウィリアム・ハンガー卿に見由来しており,彼は青の上着を好むファッション業界のスター的人物であるボー・ブランメル氏に憧れていたことからブルーハンガーと名付けられました。
クールなボトル外観からもわかるように,プレミアムな立ち位置のブランドであり,生産量はごくわすかとなっています。
ちなみに内容は4〜5種類のモルト原種のみが使用されたブレンデッドモルトであり,モルトはリリースごとに異ななるようです。またボトリング度数が45.6%とされているのは伝統的なこだわり。
キーモルト一覧
※リリースごとに異なる。下記は9thリリースのもの。
- ブナハーブン(ピーテッド)
- クライヌリッシュ
- グレンエルギン
- リンクウッド
▼
クレイモア
(Claymore)
製造者:A・ファーガソン社/ブランドオーナー:ホワイト&マッカイ社
概要とキーモルト
クレイモアという名称の由来はかつてスコットランド人が使用していた,大きな両刃の剣であり,今もラベルにはこの剣が描かれています。
誕生は1977年と比較的新興のブランドであり,英国内においてジョニーウォーカー赤ラベルの廉価版となることを狙って生み出されました。
現行ラインナップは年数表記ナシのボトルのみですが,当初のコンセプト通りかなりリーズナブルな値段で買うことができる点が非常に魅力的です。
キーモルト一覧
- クラガンモア
▼
カティサーク
(Cutty Sark)
販売者:バカルディ社/ブランドオーナー:ラ・マルティニケーズ社
概要とキーモルト
カティサークは1923年にベリー・ブラザーズ&ラッド社が完成させたブランドであり,アメリカ市場を意識した飲みやすいテイストがコンセプトとなっていました。ウイスキーにカラーリングを行わない点にはこだわりを感じさせます。
カティサークという名称はかつて中国から紅茶を運んでいた高速帆船の「カティサーク号」から付けられており,この船はラベルにも描かれています。
ちなみにブランド権については,現在フランスのラ・マルティニケーズ社が所有しており,日本ではバカルディジャパンが販売を行なっています。
現行ラインナップにはオリジナル・12年・18年・25年・ストーム・プロヒビジョンなどがあります。
キーモルト一覧
- グレンロセス
- マッカラン
- タムドゥー
- ブナハーブン
- ハイランドパーク
▼
フェイマスグラウス
(Famous Grouse)
製造者:マシュー・グローグ&サン社/ブランドオーナー:エドリントングループ社
概要とキーモルト
フェイマスグラウスはスコットランドにおいて人気ナンバーワンのブレンデッドウイスキーであり,グラウスはスコットランドの国鳥の雷鳥のことです。
そんなスコットランド愛に溢れるブランドですが,シングルモルトのロールスロイスと称されるマッカランの色を濃く感じられるウイスキーとして有名であり,根強い人気を誇ります。
現行ラインナップはスタンダードなファイネストのほかに,カスクストレングスやアイラカスクフィニッシュ,ポートウッドフィニッシュ,ブラックグラウス,ホワイトグラウスなど多岐に渡ります。
キーモルト一覧
- グレンロセス
- マッカラン
- ハイランドパーク
- タムドゥー
- グレンゴイン
▼
ヘイグ/ディンプル
(Haig)/(Dimple)
製造者:ジョン・ヘイグ社/ブランドオーナー:ディアジオ社
概要とキーモルト
19世紀にスコットランドの名門であるヘイグ家によって生み出されたブランドであり,ヘイグとディンプルの2種類があります。
よく見かけるのはディンプルの方であり,こちらはローランドモルトであるグレンキンチーを中核としているので軽やかでメローな風味が特徴となっています。
キーモルト一覧
- グレンキンチー
- グレンロッシー
- マノックモア
▼
ヘッジス&バトラー
(Hedges & Butler)
製造者:ヘッジス&バトラー社/ブランドオーナー:左に同じ
概要とキーモルト
ヘッジス&バトラー社は17世紀頃から王室にウイスキーを献上しており,英国のみに留まらず,スペイン,ポルトガル,そして日本の皇室に献上された記録も残っている歴史の深い企業です。
現在も王室のイメージとかけ離れることのない,ライトかつマイルドな質の高いブレンデッドウイスキーが作られ続けています。
現行ラインナップにはスタンダード・5年・12年・15年などがあります。
キーモルト一覧
- グレンゴイン
▼
ハイランドクイーン
(Highland Queen)
製造者:ザ・ハイランドクイーン・スコッチウイスキー社/ブランドオーナー:ピカール・ヴァン&スピリチュアー社
概要とキーモルト
ハイランドクイーンという名称は実在した女王を由来としており,かつて「悲劇の女王」と呼ばれたメアリー・スチュワートから名付けられています。とはいえ直接的な関わりがったわけではなく,会社を創業した土地がメアリーにゆかりがあったことが理由でした。
生産には長らくマクドナルド&ミューア社が携わってきましたが,現在はタリバーディン蒸留所を所有するフランスのピカール・ヴァン&スピリチュアー社に所有権が移っており,併せて原酒の構成比率も大きく変えられているとか。
現行ラインナップにはスタンダード品のほかに,8年・12年・シェリーフィニッシュ・1561などがあります。
キーモルト一覧
- タリバーディン
- グレンマレイ
- グレンモーレンジ
▼
インバーハウス
(Inver House)
製造者:インバーハウス・ディスティラーズ社/ブランドオーナー:タイ・ビバレッジ社
概要とキーモルト
インバーハウスは「キスのようにソフト」というキャッチコピーで知られており,元々はアメリカ発の飲みやすいスコッチウイスキーでした。
ラベルの模様はタータンチェックと言い,17世紀頃のスコットランドの民族衣装でよく見られたデザインになります。現行ラインナップはスタンダードなグリーンプレイドのほかに12年があります。
キーモルト一覧
- ノックドゥー
- スペイバーン
- プルトニー
- バルブレア
▼
アイラ・ミスト
(Islay Mist)
製造者:マクダフ・インターナショナル社/ブランドオーナー:左に同じ
概要とキーモルト
アイラミストが生まれたきっかけは,1922年にアイラ島の領主がパーティの来賓向けに作らせたことであり,クセの強いラフロイグをベースに飲みやすくするために,グレンリベットやグレーン原酒などが加えられています。
現在はアイラモルトをベースとしたまま,ブランドの所有権がマクダフ・インターナショナル社に引き継がれています。
現行ラインナップにはザブレンド・デラックス・8年・17年などがあります。
キーモルト一覧
- ラフロイグ
- ザ・グレンリベット
▼
アイル・オブ・スカイ
(Isle of Skye)
製造者:イアン・マクロード社/ブランドオーナー:左に同じ
概要とキーモルト
アイルオブスカイというブランド名はド直球にスカイ島を表しており,この島に蒸留所を構えるタリスカーの原酒をキーモルトとしています。
起源は100年前にイアンマクロード社が誕生させたウイスキーにあり,今ではタリスカーをベースにスペイサイドモルトなどがブレンドされています。またブレンド後にもう一度半年以上の熟成を経ているのが特徴的です。
現行ラインナップには8年・12年・21年・50年などがあります。
キーモルト一覧
- タリスカー
▼
ラングス
(Langs)
製造者:ラング・ブラザーズ社/ブランドオーナー:左に同じ
概要とキーモルト
ラングスはかつてラング兄弟によってブランドが形成されましたが,その後ロバートソン&バクスター社に買収され,1984年にはエリザベス女王より王室御用達を受けている銘柄になります。
ノンピートタイプで華やかな特徴を持つグレンゴインをキーモルトとしているため,クセのない飲みやすい風味が特徴となっています。
現行ラインナップはスタンダードなシュープリームとセレクト12年になります。
キーモルト一覧
- グレンゴイン
▼
ロングジョン
(Long John)
製造者:ロング・ジョン・ディスティラーズ社/ブランドオーナー:ペルノリカール社
概要とキーモルト
ロングジョンという名称は,創業者であった長身のジョン・マクドナルド氏のニックネームから採用されました。彼の家系はかつて「ロード・オブ・ジ・アイルズ(島々の君主)」とも呼ばれた名家でした。
ジョンが創業したベンネヴィス蒸留所のモルトももちろん使われています。(蒸留所はニッカの傘下ですが)
現行ラインナップにはスタンダード品のほかに12年があります。
キーモルト一覧
- ベンネヴィス
- トーモア
- ラフロイグ
▼
マッキンレー
(Mackinlay's)
製造者:チャールズ・マッキンレー社/ブランドオーナー:ホワイト&マッカイ社
概要とキーモルト
マッキンレーはかつてアーネスト・シャクルトン率いる南極探検隊にオフィシャルスコッチウイスキーとして選出されたこともある有力ブランドになります。また議会に納品されていたこともあり,客観的評価の高いウイスキーであったことがわかります。
現行ラインナップには12年やデラックスなどがあります。
キーモルト一覧
- アイル・オブ・ジュラ
- タリバーディン
- タムナブーリン
▼
オールドパー
(Old Parr)
製造者:マクドナルド・グリンリース社/ブランドオーナー:ディアジオ社
概要とキーモルト
オールドパーは,真偽は定かではありませんが152歳まで生きたとされるトーマス・パーのニックネームにあやかって名付けられました。
日本をはじめとしたアジアに多く輸出されているウイスキーであり,スーパーやコンビニでも見かける身近な存在となっています。特に日本市場に限っては第6位の売上を誇ります。
現行ラインナップはシルバー・12年・18年・スーペリアなどがあります。
キーモルト一覧
- クラガンモア
- グレンダラン
▼
ロイヤルハウスホールド
(Royal Household)
製造者:ジェームズ・ブキャナン社/ブランドオーナー:ディアジオ社
概要とキーモルト
ロイヤルハウスホールドは1897年当時の皇太子が,専用のブレンデッドウイスキーをジェームズブキャナン社にオーダーしたことにルーツを持つブランドです。
のちの1901年に国王の弟が世界一周旅行に行く際に船に積み込まれた唯一のウイスキーであったことから,ロイヤルハウスホールドの名称が定着しました。
現在入手可能なのは日本のみの貴重なウイスキーです。
キーモルト一覧
- ダルウィニー
- グレントファース
▼
ロイヤルサルート
(Royal Salute)
製造者:シーバスブラザーズ社/ブランドオーナー:ペルノリカール社
概要とキーモルト
ロイヤルサルートとは,英国軍が王室の特別行事などの際に発射する「王礼砲」のことを表し,1953年のエリザベス2世の戴冠式を記念して発売されました。
スタンダード品の熟成年数が21年とされていますが,これは戴冠式の祝砲の数が21発であったことに由来しているとか。
特徴的な陶器製のボトルはウェイド社製のものであり,現ラインナップは21年・エターナルリザーブ・38年などがります。
キーモルト一覧
- ストラスアイラ
- グレンキース
- ロングモーン
▼
ティーチャーズ
(Teacher's)
製造者:ウィリアム・ティーチャー&サンズ社/ブランドオーナー:ビームサントリー社
概要とキーモルト
ティーチャーズという名称の由来は,創業者であり「スコッチの教師」とも呼ばれたウィリアム・ティーチャー氏でした。彼は正義感に富んだ誠実な人物であったことから多くの人の尊敬を集めていたとか。
キーモルトに抜擢されているアードモア蒸留所は,ウィリアム氏の息子が建てた蒸留所であることから,ティーチャーズには家族のつながりを感じてしまいます。
現行ラインナップにはハイランドクリーム・セレクト・12年・25年・オリジンなどがあります。
キーモルト一覧
- アードモア
- グレンドロナック
▼
チェイ・ヴェック
(Te Bheag)
製造者:ブラバン・ナ・リンネ社/ブランドオーナー:左に同じ
概要とキーモルト
チェイ・ヴェックはゲール語であり「島の可愛い娘」や「グラス一杯のウイスキー」の意味を持つ言葉です。
このブランドはゲール語の普及とスカイ島の発展を目的に作られており,キーモルトはもちろんスカイ島のタリスカー。そしてラベルに書いてある文字は全てゲール語となっています。
キーモルト一覧
- タリスカー
▼
ウシュクベー
(Usquaebach)
製造者:トゥエルブ・ストーン・フラゴン社/ブランドオーナー:左に同じ
概要とキーモルト
ウシュクベは聞きなれない響きですが,ゲール語で「生命の水」を表しており,ウイスキーの語源にもなっています。
元々はモルトウイスキーのブランドでしたが,1904年以降ブレンデッドウイスキーとして販売されるようになりました。
ラインナップはどれもモルト原酒比率が高めであり,デラックス8年・リザーブ・オリジナル・クリスタルなどがあります。
キーモルト一覧
※非公開。
▼
ヴァット69
(VAT69)
製造者:ウィリアム・サンダーソン&サンズ社/ブランドオーナー:ディアジオ社
概要とキーモルト
ブランドの誕生は1883年とかなり古く,当時名ブレンダーとして名を馳せていたエジンバラのウィリアム・サンダーソン氏によるものでした。
ヴァット69は「69番目の樽」を意味しており,数ある試作品の中でNo.69の樽が一番美味しかったことに由来して名付けられました。
アメリカをはじめとしてベネズエラやスペイン,オーストラリアなどで人気を博しているブランドです。
キーモルト一覧
- ロイヤルロッホナガー
▼
ホワイトホース
(White Horse)
製造者:ホワイトホース社/ブランドオーナー:ディアジオ社
概要とキーモルト
ホワイトホースという名称の由来は,かつてエジンバラにあった旅館である「ホワイトホース・セラー」であり,1890年にピーターマッキー氏によって名付けられています。
主要なマーケットは日本やブラジル,ギリシャ,アメリカなどであり,特に日本ではスコッチの売上ランキングで第3位に位置する身近な銘柄です。
現行ラインナップにはスタンダードなファインオールドのほかに12年(日本限定)などがあります。
キーモルト一覧
- ラガヴーリン
- クライゲラキ
- グレンエルギン
- オルトモア
▼
ウィリアムピール
(William Peel)
製造者:マリー・ブラザール・エ・ロジャー・インターナショナル社/ブランドオーナー:左に同じ
概要とキーモルト
ブランドの誕生は1964年と比較的新しく,フランスのパリに位置する世界的なスピリッツメーカーのマリーブラザール社によって生み出されました。
長らくグレンピールという名称でシングルモルトを販売していましたが,2005年以降はブレンデッドに特化しており,今では年間約300万ケースを売り上げる人気ブランドに成長しました。
キーモルト一覧
※バルク原酒
▼
ホワイト&マッカイ
(White & Mackay)
製造者:ホワイト&マッカイ・ディスティラーズ社/ブランドオーナー:エンペラドール社
概要とキーモルト
ホワイト&マッカイ社は1882年にグラスゴーで創業しており,他者との差別化を図る2回の後熟を行う「ダブルマリッジ製法」を適用することで好評となったブランドです。
マスターブレンダーは1975年に26歳という若さで就任したリチャード・パターソン氏が務めており,2014年以降フィリピンのエンペラドール社によって所有されています。
現行ラインナップにはスランダード品のほかに13年・19年・22年・30年などがあります。
キーモルト一覧
- ダルモア
- フェッターケアン
- トミントール
- アイル・オブ・ジュラ
- ブルックラディ
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