【レビュー】ダルウィニー ウインターズ・ゴールド|香り・味わい・100点満点評価|ウイスキーラウンドアップ

記事の概要

管理人によるボトルのレビューを通して、皆様にその魅力を伝える記事です。

今回は…
ダルウィニー
 ウ
ンターズ・ゴールド

当記事では,このボトルについて

などなど詳しく解説していきます!!

\\執筆者情報//

whisky_roundupのアバター

初谷(はつがい)

ウイスキーに関わるあらゆる情報をまとめ,「ウイスキーを知りながらより深く楽しめる記事」を発信しています。
【Shop】ウイスキー専門店『Drinkable books』
【経歴】東京都立大卒|元公務員・ネット酒屋開業
【資格】JWRC公認ウイスキーエキスパート|ウイスキー検定2級
【その他】バンド「Candid moment」のドラマー

各種SNSも運用中!

「ダルウィニー」ってなに?

ダルウィニーの解説

  • ブランドと蒸留所

ダルウィニー』は,スコットランドの北ハイランドに所在する”ダルウィニー蒸留所”が手がける,オフィシャルシングルモルトのブランドになります。

 蒸留所の詳細な立地としては,ケアンゴーム国立公園の中,グランビアン山脈の最高峰から少し北側の標高330mの地点であり,スコットランドで最も高い場所にある蒸留所のひとつとされています。
 その標高の高さからも分かるように,特に冬季には冷え込みがかなり強く,そこで生産されるウイスキーはゆっくりと樽熟成が進行し,スムースで美麗な甘さが獲得されています。

 またかつて所有者がUD社であった時代には,同社が手がけるクラシックモルトシリーズにて北ハイランド代表に選ばれた実績も有しています。
 そして現在はUD社が合併を経て形成された,ウイスキー業界の最大手として名高いディアジオ社によって運営がなされています。


  • 製法の特徴

 ダルウィニー蒸留所は,原料の大麦はライトリーピーテッドタイプのものをディアジオのモルトスターから仕入れています。
 しかし麦芽の乾燥に使用するピートは,蒸留所周辺のヘザーを多く含有したものとされていることから,甘く白い煙のような特有のスモーク感が得られることとなります。

 そして仕込水は,流水の大部分が雪解け水で構成されるアルナスタイー川から採取しており,糖化はステンレス製フルロイタータンで実施されます。

 発酵工程では,オレゴンパインの木製ウォッシュバックを活用し,酵母はクリーム状のもの。
 発酵にかける時間は最低60時間以上と,比較的長めに設定されており,適度に乳酸発酵の影響を得たフルーティなテイストがここで養われています。

 ポットスチルは1対2基体制で,どちらも形状はストレート型
 加熱は蒸気による間接加熱で行い,コンデンサーは今日では珍しい伝統的な古いワームタブ式を導入しています。

「ダルウィニー ウィンターズゴールド」ボトルの特徴

\\ボトル外観//

\\ボトル諸元//

ボトル名ダルウィニー
ウィンターズ・ゴールド
地域スコットランド,北ハイランド
種類シングルモルトスコッチ
原料モルト
容量700ml
度数43%

\\製法と特徴//

  • 「標高330m&冬季」の特に冷える時期に蒸留された原酒
    ▶︎寒い時期の蒸留では,蒸気の液化が早くなると考えられるため,重い成分は環流し,軽やかかつフルーティな成分が多く捉えられていると予測できる。
  • ワームタブ式コンデンサーを採用
    ▶︎ワームタブ式は水を貯めた桶により,蒸気の通る銅製の蛇管を冷やし,アルコールを液化させる仕組み。冬季には液化が早くなるため,アルコールは銅と長く接し,不快な香味は多く除去される。
  • ライトリーピーテッドスタイル
    ▶︎ダルウィニーのピートはヘザーの含有率が高く,癖のない白く甘い煙のようなスモーキーテイストとなっている。

「ダルウィニー ウィンターズゴールド」テイスティングレビュー

さてさて、それでは早速「ダルウィニー ウィンターズ・ゴールド」をテイスティングレビューしていきます!

色味

ダルウィニー ウィンターズ・ゴールド』の色味については,
 客観的な指標としてwhiskys.co.ukの色見本に準えて評価すると,"Russetmuscat"より若干濃いくらいであると言えるでしょう。

香り

  • 第一印象

熟したフルーツ香,レーズン,さっぱり柑橘とマスカット

  • 経時変化で見える要素

モルティ&エステリー,山奥の家っぽい木の香り,ほのかなヘザースモーク

筆者の一言

冬季蒸留の影響か,軽快で澄み切ったフルーツのような,明るい要素が強く出ていた印象。
どこかクセになるヘザー感や,ノスタルジックな木造建築のような香りは独特ながらとても美しい…

味わい

  • 第一印象

ずっしりとしたレーズン感,柑橘とぶどう,レモンピール

  • 経時変化で見える要素

マーマレード,香木を焚いた甘いスモーク感,胡椒,ヘザーフローラル

  • 余韻に残る要素

香木スモーク,多彩なフルーツの香り高さ,ややペッパー

筆者の一言

しっかりとした濃密なフルーツの甘さと,どこか香木っぽいスモーク感は深く記憶に残る。
端正に整った味わいに,背景の適度な個性は大人っぽさを感じさせてくれます。
甘いウイスキーが好きならば嫌いな人はいないでしょう!

「ダルウィニー ウィンターズ・ゴールド」総評

最後に総評に入りたいと思います!まずはレーダーチャートから!

さてさて、気になる点数は…

点数の理由と評価

  • 香り:/5|味わい:/5

ダルウィニー ウィンターズ・ゴールド』の香りと味わいについては,冬季蒸留の影響を感じさせる,スムースかつ軽快な華やかさに非常に長けている印象でした。

 ヘザー感の強いライトリーピーテッドスタイルとして,激しいクセとは違う方向で綺麗にバランスが整っており,とにかくアダルトに美麗な味わいでした。

 個人的には風味の背景に,山奥の木造小屋のようなノスタルジックなウッディ感がいるように感じられ,これが濃密なフルーツの甘さと相まって,たまらなくクセになりました。

  • 初心者向け度:/5

 続いて初心者向けかどうかという観点で『ダルウィニー ウィンターズ・ゴールド』を見てみると,非常に適しているということができるでしょう。

 まず前述の通り味わいに関しては,万人を阻む強烈なクセなどが全くなく,華やかなフルーツの甘さが主体でした。
 よって初心者に対して抵抗感を感じさせず,ウイスキーの美味しい部分をしっかりと伝えることができると思われます。

 またダルウィニーは業界大手のディアジオが手掛け,北ハイランドの代表に選出されたこともあるため,初心者のうちに手を出す価値が十分にあると言えます。

  • 入手性:/5|コスパ:/5

 最後に『ダルウィニー ウィンターズ・ゴールド』の入手性とコスパについては,入手性は問題なし,コスパは割と良い部類であると言えそうです。

 まず最近は何かしらの事情でバズったウイスキーが飛ぶように売れていき,市場から淘汰されて価格が釣り上がるという状況をよく見ます。
 しかしながらダルウィニーはそのような影響をあまり受けておらず,熱心なウイスキーファンに安定的にウイスキーを供給し続けてくれています。(大感謝)

 コスパについて,金額の絶対値で見れば,生産量が莫大な大人気シングルモルトよりはやや高いくらいに感じてしまいますが,味わいの完成度を見れば全然許せてしまう程度でしょう。
 ぜひ飲んでみてほしい筆者一押しのシングルモルトでした。

各種SNS運用中!
フォローしてね👍