記事の概要
管理人によるボトルのレビューを通して、皆様にその魅力を伝える記事です。
今回は…
「ニッカ フロンティア」
当記事では,このボトルについて
などなど詳しく解説していきます!!
\\執筆者情報//
初谷(はつがい)
ウイスキーに関わるあらゆる情報をまとめ,「ウイスキーを知りながらより深く楽しめる記事」を発信しています。
【Shop】ウイスキー専門店『Drinkable books』
【経歴】東京都立大卒|元公務員・ネット酒屋開業
【資格】JWRC公認ウイスキーエキスパート|ウイスキー検定2級
【その他】バンド「Candid moment」のドラマー
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「ニッカ フロンティア」ってなに?
フロンティアの解説
『ニッカ フロンティア』は,創業90周年を迎えたニッカウイスキー社が2024年10月に新発売した,新作ブレンデッドジャパニーズウイスキーであり,『ニッカのクラフトマンシップに受け継がれる,竹鶴政孝のフロンティアスピリット』を宿した新進気鋭のニューブランドです。
前回ニッカセッションが新発売されてから実に4年。フロンティアは満を持して創設された待望の新ブランドであり,一部海外原酒を含んでいるものの,その構成においては余市蒸留所で作られたヘビリーピーテッドモルトがメインに据えられているのが最大のポイント。加えてそのモルト比率は,通常のブレンデッドウイスキーよりも1.5倍程度高い51%以上とされており,容量は500mlとこぶりながら,度数48%のハイプルーフの原酒がノンチルフェルタードでボトリングされていて,価格も2,000円程度とかなりリーズナブルな逸品です。
ボトルデザインも非常に玄妙であり,ネック部のエンブレムは竹鶴政孝氏が考案した独自のスタイル。ボトル中央のNはニッカウイスキーのDNAを誇示するもの。ボトル裏側にはニッカのポットスチルに巻かれているしめ縄を模したもの。そしてボトル底部に浮きぼられた”NIKKA WHISKY”の刻印など,シンプルながらもニッカウイスキーの信念を強く感じさせるものとなっています。
先んじてフロンティアを口にした大まかな感想としては,安価な価格帯でありながら,余市モルトのビターなピート感や,オレンジやバニラの香味などが強くでており,ストレートやロックで飲むのが非常に美味しい印象。今後多くの人が気軽に楽しめる国産ウイスキーとして,多大な人気を獲得していきそうな期待の超新星です。
「ニッカ フロンティア」ボトルの特徴
\\ボトル外観//
\\ボトル諸元//
ボトル名 | ニッカ フロンティア |
地域 | 日本 |
種類 | ブレンデッド (海外原酒含む) |
容量 | 500ml |
度数 | 48% |
参考小売価格 | 税別2,000円 |
原酒諸元 | ヘビーピート余市モルト主体 |
「ニッカ フロンティア」テイスティングレビュー
さてさて、それでは早速「ニッカ フロンティア」をテイスティングレビューしていきます!
色味
『ニッカ フロンティア』の色味については,比較的濃いめのように見え,ややオレンジがかったゴールドといった様相。客観的な指標としてwhiskys.co.ukの色見本に準えて評価すると,"Russetmuscat"くらいであると言えるでしょう。
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香り
- 第一印象
余市モルトのビターなピート感,力強いウッディ感,淡いレーズンの甘み
アルコール感は控えめ|ピート感は初心者でも許容できそう
- 経時変化で見える要素
オレンジ&バニラ,フレッシュなリンゴ感,薄くシナモン,焼いた木,グレーンの溶剤感
筆者の一言
香りについては,リーズナブルな価格帯の中では,要素がしっかりと濃厚でハッキリと感じ取れるのが第一の驚きのポイント。そして余市感も強く感じられつつ華やかな要素も内包されていて,個人的にはめっちゃめちゃ好印象です!
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味わい
- 第一印象
ニッカらしい強力な柑橘とバニラの応酬,マーマレード,切ったばかりのりんご
アルコール感は驚くほど柔らか|ピート感もかなり薄い
- 経時変化で見える要素
薄く余市のビターピート,焼き入れたオークの苦味,香ばしい穀物,微かにチョコ感,暖かいジンジャースパイス
- 余韻に残る要素
暖かく香ばしい樽の苦甘さ,うっすらと通り過ぎる余市の潮風
筆者の一言
味わいは香りと打って変わってジャム系の果実の甘みが強力な印象。しかし余韻にかけてはビターな香味も出てくるのでストレートでも飲み飽きない。これはかなりコスパが良いのでは…!
「ニッカ フロンティア」飲み方について
さて、ここまではストレートにてボトルのレビューをしてきました。
そこで「ニッカ フロンティア」はどの飲み方が一番美味しいのでしょうか。王道の飲み方である「トゥワイスアップ・ロック・ハイボール」の3種類で比較してみましょう!
また,飲み方について深く掘り下げた記事も書いているのでご参考までにリンクを貼っておきます!
ロック
おすすめ度 ▶︎ 5/5
トゥワイスアップ
おすすめ度 ▶︎ 2/5
ハイボール
おすすめ度 ▶︎ 4/5
「ニッカ フロンティア」総評
最後に総評に入りたいと思います!まずは風味の各要素をグラフ化してみてみましょう!
さてさて、気になる点数は…
点数の理由と評価
- 香り:4/5|味わい:4/5
まず『ニッカ フロンティア』は,香りではビターな余市モルトの印象が比較的強く,味わいでは果実系の華やかさやバニラ系の甘みなど,ニッカウイスキーらしさが強く感じられた印象です。
価格帯や48%という度数を見るに,若さや刺激が色濃く残っているものと予想していましたが,アルコール感はストレートにおいてもさほど強く感じられず,テイストの要素も複雑でありながら鮮明に感じられるものが多かったように感じます。無論ハイレンジのウイスキーと比較するのは野暮でしょうが,同価格帯の中においては十分すぎるほどに強いインパクトを持つ銘柄でした!
- 入手性:-/5|コスパ:5/5
そして『ニッカ フロンティア』の入手性については,かなりの分量が出荷されているとの情報があるものの,現時点ではリリース直後ということもあって入手が難しい方もいらっしゃる模様。よって評価は難しいとして一旦言及は控えるものの,今後多くの人に愛される常飲ウイスキーとしての地位を築くことに期待したいところ。
またコスパに関しては,文句なしに購入に値する価値があると感じます。無論リピートするかどうかは個々人の好みや価値観によるところがありますが,2,000円という価格はウイスキー高騰時代においてはリーズナブルであり,”一度買って飲んでみようか”と思った際には購入に踏み切るハードルが低いと言えるでしょう。
テイストに関してはニッカのブレンデッド系,例えば竹鶴やセッション,ディープブレンドなどを好まれる方であれば間違いなく好印象を抱くものと思いますので,未飲の方は是非一度お試しください!
(私はニッカのブレンドが大好きなので,今,最高に幸せです)